2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧
「蝶採り」 徹底的な日本人蔑視というか、自国称賛的なコメディで、それを面白いと捉えるかどうかは複雑な一本。ただ、例によっての入れ替わりたち変わり登場する人物達のストーリー展開と絵作りの面白さは堪能できました。監督はオタール・イオセリアーニ。…
「アラビアンナイト 三千年の願い」 壮大な物語で、もっと胸に迫ってこなければいけないのですが、その描写が今ひとつうまく行っていないのか、ただシュールなだけの作品に見えてしまった。御伽話の人物と現実の人物の愛の物語を、まるで全体を寓話のような…
「月曜日に乾杯!」 非常にシンプルな話なのですが、小さなエピソードがラストで絡み合ってくる展開が秀逸で、しかも毒のある風刺も見え隠れするなかなかの一本でした。監督はオタール・イオセリアーニ。 絵を趣味にし、溶接工をしている主人公ヴァンサンが…
「月の寵児たち」 誰が主人公とか、どういうお話だとかいうのを全て取っ払って、次々と展開するエピソードの端々に散りばめられた小道具や場面の数々で何かを語りかけてくる。あまりにハイレベルな作品ゆえに、受け入れられないところもあるのだが、なぜか面…
「アントマン&ワスプ クアントマニア」 ありきたりのセリフと個性的なセンスも何もない美術、時間稼ぎするような展開の数々、ダラダラした脚本、といういかにも安直に作ったエンタメ映画ですが、ストーリーがあまりにシンプルなので、時間を感じさせられれ…
「歌うつぐみがおりました」 なるほどそういう映画かと、全て見終わってから振り返ってこの作品はなんの映画だったかを思い起こせる作品でした。見ている間は、一体なんの話かと思うのですが、背後に流れる時計の音やメトロノームの音、主人公がティンバル奏…
「田園詩」 淡々と進むまさに映像詩という感じの作品で、これという物語もなく、美しい田園風景の中で起こるさまざまな日常を切り取っていくとっても素朴で綺麗な作品でした。監督はオタール・イオセリアーニ。 都会のビル、一人の男がある事務所に入ってく…
「別れる決心」 ちょっと作り込みすぎたきらいはあるかもしれませんが、相当に面白いサスペンス映画でした。幻覚と現実を交錯させる前半部分から謎が明らかになる中盤、そして次第に二人の愛のドラマに変遷していく後半と組み立てられた映像と物語の面白さを…
「崖上のスパイ」 一級品のサスペンスという謳い文句通り、丁々発止に展開する騙し合いとスパイ戦の面白さを堪能させてくれますが、潜入する四人のスパイチームの人物関係や背景をあそこまで設定する必要があるかはちょっと疑問で、結局、そのドラマ部分がな…
「#マンホール」 好みのタイプの映画というのもあるけれど、面白かった。真相が明らかになりクライマックスからのどんでん返しもテンポ良く、一級品の鮮やかさとは言えないながらも、シチュエーションホラー的な色合いの楽しめる映画だった。監督は熊切和嘉…
「銀平町シネマブルース」 ありきたりの物語がありきたりの映画になったという感じの作品で、一体何を見せたかったのかが見えてこない。群像劇のスタイルをとっているのですが、今一つそれぞれの登場人物が生き生きしてこないのが残念でした。クライマックス…
「コンパートメントNo.6」 静かに展開する物語ですが、とっても丁寧に書き込まれた脚本が映画全体をハイレベルな仕上がりにしている。大きな感動とかそういうものはないのだけれど、ここまでシンプルな話を人間ドラマとして描き切った手腕は評価できる映画で…
「レナードの朝」 オリバー・サックス医師の実体験に基づく作品で、いわゆる難病と戦った医師と患者のヒューマンドラマですが、その奥にある生きると言う意味を考えさせられる映画でした。公開当時見逃していた一本で、この手のドラマは苦手なのですが、正直…
「すべてうまくいきますように」 映画のクオリティは悪いわけではないけれど、なんとも鬱陶しいしょぼくれた映画だった。ホモである必要があるのか、今のフランスの家族は皆こんなに荒れてギクシャクしてるのか、それぞれの設定がなんともめんどくさくて、み…
「キャバレー」 40年ぶりくらいの再見でしたが、やっぱり名作ですね。ここまで緻密な脚本が書けたらそれだけでも拍手したいです。前半の散りばめられるユーモア満載のシーンやセリフの数々が、ナチスの脅威が色濃くなって来ると毒々しい風刺に変わって行く空…
「幸福な結婚記念日」 結婚記念日をコミカルに描いた短編で、オーバーラップして行くユニークな場面の連続がとっても楽しい作品でした。監督はピエール・エテックス。 テーブルの上に食器を並べる妻。今日は結婚記念日らしく、それらしいプレゼントや料理を…
「オルフェ」(デジタルリマスター版) これは傑作でした。ストーリー展開のリズム、逆回しを多用したシュールな画面、鏡を抜けるファンタジックな映像、などなど、魅了される作品でした。監督はジャン・コクトー。 パリのカフェ、有名な詩人のオルフェが店で…
「詩人の血」(4Kリマスター版) トリック撮影を駆使して、映像で描く詩表現という感じのシュールな作品で、アヴァンギャルド映画の傑作の一本ですが、流石に明確な感想が書けるほど私の感性は研ぎ澄まされていないかもしれません。とりあえず見ました、という…
「レジェンド&バタフライ」 人、物、金を使えばまだまだ娯楽大作としての時代劇は作れるということを証明した作品。東映七十周年記念映画としての貫禄は十分こなした一本でした。しかも、ダイコンな木村拓哉と綾瀬はるかを見事に使いこなした大友啓史監督の…
「シャドウプレイ」 めちゃくちゃに面白い映画だった。全盛期の香港ノワールのようなストーリー展開で、ラストは鮮やかに真相を明かしてくれる。細かいカット割と突然挿入される過去映像のフラッシュバックを繰り返すので、最初は映像に翻弄されてしまいます…