くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2006-01-01から1年間の記事一覧

映画感想「犬神家の一族」

1915年生まれと言うから今年91才である。誰のことか?本日見に行ったリメイク版「犬神家の一族」を監督した市川崑監督のことだ。 自ら1976年に作った「犬神家の一族」を再度リメイクしたのである。記憶違いかもしれないが、旧作の「犬神家の一族」…

映画感想「鉄コン筋クリート」

松本大洋の傑作コミックがなんとマイケル・アリアスという外国人の手でアニメになった。 CMフィルムをみたときはその縦横無尽に飛び回る主人公たちクロとシロの姿、背景に広がるどこか魅力的な景色に思わず目を見張った。もちろん、松本大洋のファンでもな…

映画感想「硫黄島からの手紙」

硫黄島二部作の後半部分。日本側から描いた硫黄島の激戦「硫黄島からの手紙」を見る。 いわゆる表と裏という感じの二本の作品である。表と言っても華やかさの陰にどこかしら戦争の悲惨さを見事に織り込んでいたのが前作「父親たちの星条旗」。 一方のこの「…

映画感想「王の男」

韓国で四人に一人がみたという大ヒット映画にして、数々の賞に輝いた秀作とのふれこみで日本上陸。 朝鮮半島の歴史には疎いものの、かつて、朝鮮半島に君臨した実在の王ヨンサングン、その非道ぶりとその王に気に入られて宮廷に迎えられた二人の旅芸人たちと…

映画感想「近松物語」

本日も溝口健二監督作品「近松物語」。溝口健二監督が長谷川一夫と初めて組んだ傑作純愛映画だ。大商人の手代茂兵衛はふとしたきっかけから主人の後妻おさん(香川京子)と不義密通の濡れ衣を着せられるはめに陥る。何とか、おさんだけはと四苦八苦するもの…

映画感想「山椒大夫」

溝口健二監督作品「山椒大夫」たぶん見ていないだろうというちょっとの不安の中、見に行きました。 やはりみていませんでした。そして、・・・ 開いた口がふさがらないほどの感動。これが映画、これが名作、こんな映画に巡り合えるから映画ファンはやめられ…

映画感想「ルードヴィヒ神々の黄昏」(完全復元版)

先日につづいてヴィスコンティ生誕百年上映会に出掛けた。 本日の映画は「ルードヴィヒ・神々の黄昏」完全復元版である。さすがに、四時間をこえるとしんどかった。途中十五分休憩があるとはいえ、こたえました。思えば、はじめてこの映画を見たのは26年前…

映画感想「暗いところで待ち合わせ」

大好きな田中麗奈が主演しているから見に行ったというような映画ですが、それだけではなく、ストーリーも面白そうでしたので、出かけました。目の見えない少女の元に、ある日、忍び込んだ青年。少女に気づかれないように同居するという奇妙な生活がスタート…

映画感想「新・平家物語」

溝口健二監督の没後50年ということで、各地で溝口健二監督の特集上映が開かれています。 本日私が見たのは「新・平家物語」。2004年に傷を修復し、当時の色を再現するべく角川映画とフィルムセンターがデジタルリマスターを行った復元版です。私のBL…

映画感想「山猫(完全復元版)」

初めて「山猫」を見たのはもう24年ほど前になります。もちろん、英語版の短縮版であったのでしょう。 本日見たのは、なんと40年ぶりによみがえったイタリア語完全復元版です。三時間の超大作であり、本物に徹したヴィスコンティの芸術が圧倒的な迫力で迫…

映画感想「パプリカ」

普段は天才サイコセラピスト千葉敦子、実はDCミニという人の夢の中に入り込むことができる精神治療器を用いて、夢の中で治療をするセラピスト、通称”パプリカ”の顔を持っている。SF界の奇才筒井康隆原作の「パプリカ」を映像化したのは「東京ゴッドファ…

映画感想「007カジノロワイヤル」

久しぶりに007の映画を劇場で見ました。 「カジノロワイヤル」は宣伝フィルムを見て、なかなかおもしろそうだったことと、新ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグが結構話題になっていたからである。物語はジェームズ・ボンドが00の称号を得る直前か…

映画感想「武士の一分」

期待していたのかどうか?藤澤周平原作の時代劇三部作、などと後からとってつけたようなシリーズの第三作目「武士の一分」。 見所は木村拓哉が時代劇にでるというところである。そして、山田洋次監督作品というところか。「たそがれ清兵衛」は確かによかった…

映画感想「プラダを着た悪魔」

湯気に曇ったミラーをさっと拭くと、そこに映ったのは主人公のアンドレアを演じるアン・ハサウェイの姿。 そして同時に軽快な音楽が流れて、タイトルバックが始まります。もうここからはバックの音楽と軽快に進む導入部で一気に引き込まれていきます。そして…

映画感想「手紙」

かなり迷っていたこの「手紙」、まもなく公開終了というところで満を持して見に行きました。 重い、確かに重厚なドラマである。たった一人の弟の学費を作るために、出来心で空き巣に入ったところで誤って老婦人を殺傷してしまった兄。刑務所に入った兄と残さ…

映画感想「トゥモロー・ワールド」

アルフォンソ・キュアロンという監督は「ハリーポッターとアズカバンの囚人」を監督した人である。 それまで何処か子供向けのファンタジー映画であった同シリーズを一気に大人の映画にした監督だ。と私は思っている。それほど分厚い作品を作り上げる監督であ…

映画感想「ソウ3」

ちょっと、2日酔い気味の日だった。そして、こんな日に見るのはいちばん悪条件であることを実感してしまいました。冒頭シーンからいきなりグロテスクな殺人シーンがつづきます。「ソウ」第一部での素晴らしいとも言える伏線と謎の連続という展開から「ソウ…

映画感想「父親たちの星条旗」

まったく、クリント・イーストウッドはすごい映画監督になったものです。 本日、アメリカ側から描いた硫黄島での戦争ドラマ「父親たちの星条旗」を見てきました。 非常に押さえた色彩で、一瞬モノクロかと思えるほどに上品な映像の中で、硫黄島でうち立てら…

映画感想「デスノート the last name」

前編ですっかりはまってしまった「デスノート」の世界。 本日、待望の後編を見に行きました。前編がキラとLの知能戦の対決で一本の物語であったのに対し、後編は新たなる死神レムの登場と、第二のキラ、あまねミサの登場で、話が最初から二本線でスタートし…

映画感想「トンマッコルへようこそ」

韓国映画のファンタジーというのは非常に珍しいのだそうである。つまり、韓国ではファンタジーがヒットしないためだ。 ところが、この「トンマッコルへようこそ」は本国でも大ヒットした。確かに一般的に考えられるような純然たるファンタジーに見えないとこ…

映画感想「フラガール」

超大ヒットでロングランをした話題の映画「フラガール」 福島県の炭坑の町にフラダンスを目玉にしたハワイアンリゾートを作ったという実話を基に作られた物語。 個人的に好きなジャンルではないのと(なにがといって、フラダンスかな?)松雪泰子があまり好…

映画感想「太陽」

終戦を向かえた頃の昭和天皇の姿を描く「太陽」、監督はロシアのアレクサンドル・ソクーロフという人である。 非常に意欲的な作品で、優れた映画という感想がまず第一に浮かんできた。昭和天皇が終戦を機に神から人間に変わる姿を非常に叙述的に描いている。…

映画感想「地下鉄(メトロ)に乗って」

本当に純粋な映画に出会いました。「地下鉄(メトロ)の乗って」はそんな映画でした。 最初は「ALWAYS三丁目の夕日)のタイムトラベル版かと思っていたので、出だし部分は少し、見当違いで、入り込みにくかったのですが、堤真一の淡々とした演技と大沢…

映画感想「レディ・イン・ザ・ウォーター」

M・ナイトシャマラン監督の「レディ・イン・ザ・ウォーター」を見てきた。 そもそも、M・ナイトシャマラン監督という人は少々気取っているように見える。本来、B級ホラー映画のようなジャンルをさも良質の芸術作品であるかのごとく淡々と作っていくのがど…

映画感想「ブラック・ダリア」

大好きなブライアン・デ・パルマ監督の久々の新作がやってきた。 「ブラック・ダリア」 実在の猟奇殺人事件を取り上げたジェイムズ・エルロイ原作の映画化である。 ジェイムズ・エルロイという人は「L・Aコンフィデンシャル」を書いた人なので、この手の警…

映画感想「涙そうそう」

久しぶりに最高品質の映画を見ました。おそらく今年のベストテン、いやベストワンになるかもしれません。 「いま、会いにゆきます」で土井裕泰監督を評価しなかった批評家連中を見返してやったと思います。俳優さんの演技、脚本、プロットの組み立て、カメラ…

映画感想「カポーティ」「ストロベリーショートケイクス」

トルーマン・カポーティが残した文学史上の傑作とされる「冷血」の執筆経緯とこの後一作も発表しなかった経緯を描いた話題作である。 はたして、カポーティは何故、死刑囚ペリー・スミスと対話する中で何を感じたのか?そんなキャッチフレーズが貫かれていく…

映画感想「X−MENファイナル・ディシジョン」

ブライアン・シンガー監督からブレット・ラトナー監督に代わった「X−MEN」シリーズ最終章。 「ターミネーター」シリーズ以来、久しぶりに浪花節シーンを見ました、 ウルヴァリンがジーンを手にかけるクライマックス。「ぁぁ感動!」っていうやつですね。…

映画感想「スーパーマンリターンズ」

クリストファー・リーブがスーパーマンを演じてからほぼ30年のときが流れた。もちろんシリーズが途切れた最大の原因は主演のクリストファー・リーブの事故によるところが大きいのだが、やはりクリストファー・リーブ=スーパーマンのイメージが固まりすぎた…

映画感想「UDON」

本広克行監督の「UDON」をみる。 なんせ、「踊る大捜査線」シリーズ以外の本広克行監督は本当にのびのびと映画を撮っているように思えて、私はファンなのです。物語は二部構成になっています。前半部はうどんを情報源にしたタウン雑誌が大ヒットし、讃岐…