2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧
「ラスト・ウィッチ・ハンター」 なんの変哲もない普通のアクション映画で、これといって面白いわけでもない。監督はブルック・アイズナーです。800年の昔、魔女を倒したものの不死の呪いをかけられた主人公コールダーは、ドーランと呼ばれる神父とともに、…
「青い山脈」(西河克己監督版) さすがに物語の古さは否めない。ただ吉永小百合の映画という感じで、いわゆる青春スター映画としての位置付けでしかない一本ですが、こういう今や古き考え方の塊というのは、自分の心を純粋な時代に引き戻すような感じがしてち…
「白い帽子の女」 もったいぶった本来の物語がいつまでも物語の後ろに隠れていて、やっと垣間見えたかと思ったら、また大き隠されてしまう。非常に淡々とした作品ですが、心理ドラマとしては、ちょっとセンスを感じることもできる一本でした。監督はアンジェ…
「ある天文学者の恋文」 ニコラス・スパークスの小説を思わせるようファンタジックな物語。今時のメールや動画を駆使する一方でオーソドックスな手紙を取り入れ、美しい絵作りで描いたちょっと洒落たラブストーリーでした。監督はジョゼッペ・トルナトーレで…
「ハドソン川の奇跡」 離陸直後に鳥の衝突によって両翼のエンジンが停止、空港へ引き返すのが無理と判断した機長のサリーはハドソン川への着水を試み、見事着水、155人全員の命を救った実話を基にした作品ですが、さすがにストーリーの組み立てといい、サス…
「コロニア」 南米チリで実際にあった拷問施設コロニア・ディグニダを題材にしたサスペンス映画である。目的はエマ・ワトソンであるが、いわゆるB級サスペンスというタッチの作品でした。前半は少々重いのですが終盤一気にサスペンス色が強くなってきて、普…
「怒り」 李相日監督作品ということになればかなりの期待度でしたが、本当にこれは傑作でした。とにかくすごいのは役者陣誰もがその最高の演技を見せていることです。だから、たまらなくどの場面も引き込まれてしまう。ストーリー展開のうまさ、流れのリズム…
「エノケンの頑張り戦術」 隣同士に住んでいる二人の男のお互いの意地の張り合いを中心にして展開するドタバタ劇で、サイレント映画を思わせる小気味良い動きと展開を最後まで貫いた作品。一見サイレントの様な様相で物語は始まりますが、途中で歌が出たりし…
「ジャンケン娘」 映画全盛期の楽しい音楽映画、当時絶大な人気だった雪村いづみ、美空ひばり、江利チエミが送るたわいのないコメディである。監督は杉江敏男である。カラー映画が次第に広まり始めたころで、赤黄青をわざとらしく使った衣装や、書き割りの舞…
「聲の形」 完成度の高さでは「君の名は。」に軍配があがるが、アニメーションとしての面白さではこちらのほうが面白い。絵作りの面白さや時間処理のうまさ、場面転換のリズムなど、飽きさせないほどにテンポが良いのは見事だと思います。監督は山田尚子、京…
「ペット」 完全に時間つぶしの鑑賞。期待もしていなかったが、やはりディズニーとの差を目の当たりにする出来栄えの一本。確かに今時のCGアニメは美しいしリアリティがあるのだが、スピード感のない映像に、キレの悪いストーリー展開で、終盤退屈になってし…
「四月は君の嘘」 こういう人生も世界のどこかにあるんじゃないかな?そんな思いで見てしまう青春胸キュンラブストーーリー。映画の出来栄えは全くの凡作ですが、最後まで飽きずに見られるのは広瀬すずの存在感ゆえか。でも今回の彼女の存在も今ひとつだった…
「火Hee」 疲れた。とにかく独りよがり映画の典型で、作っている本人は物語なり、訴えたいテーマなり、描きたい絵なりが見えているのだろうが、全くこちらに伝わってこない。監督は桃井かおり。一人の女が外国だろうか、水飲み場で水を飲んでいる。後ろから…
「アスファルト」 先日見た「団地」のごとく、不思議ワールドで彩られたちょっとヒューマンで心あったまる物語という映画でした。手放しでストレートに褒め称えるというより、なるほどちょっと良い映画だったやないの、と思える一本、面白かったです。監督は…
「だれかの木琴」 思いの外良かった。いや、かなり良かったというべき素敵な映画でした。全く抑揚のない表面の映像と演技の裏に、ふつふつと燃え上がるような物語を忍び込ませている流れに酔いしれてしまいます。監督は東陽一です。絵作りも含めさすがにうま…
「三本指の男」 東京フィルムセンタのみに所蔵されたレアフィルムを見るご存知横溝正史の「本陣殺人事件」の最初の映画化である。監督は松田定次である。何と言っても金田一耕助の助手で登場する原節子扮する静子が見ものである。メガネをかけていて、最初は…
「エミアビのはじまりとはじまり」 期待していなかったのですが、えらく面白い映画に出会いました。ストーリーの構成が実によくできているし、非現実的なシーンを何気なく取り込む自由な発想と、時間の流れや理屈にこだわらない展開、さらにしっかりとした演…
「叛乱」 2.26事件を扱ったサスペンス映画である。緊迫感のある導入部だが、そこから回想に入り、終盤あたりになると、やや間延びが見られる。それでも、しっかりした役者たちの迫真の演技はさすがに見応えがあった。監督は佐分利信であるが、途中で病に倒れ…
「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲」 クロード・ルルーシュ監督、音楽フランシス・レイのコンビで送る大人のラブストーリー。名作「男と女」を思い出させようということであるが、ちょっとラストの処理が月並みになった感じで、少し物足りなかった。とは言…
「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」 すてきなファンタジー色の詰まったヒューマンドラマ。物語を素直に受けて行けばとにかくラストで思わずしんみり泣いてしまいました。しかし、ちらほらとうかがわせる反戦メッセージは、取り用によっては、ちょっとずる…
「風ふたゝび」 今や東京フィルムセンターにしかない作品で、いわゆる恋愛メロドラマ。監督は豊田四郎であるが、彼の作品の中では凡作のレベルでしょう。原節子扮する主人公が、山村聰、池部良の二人の男性の間で揺れる女心を描いた物語で、特に秀でた映像や…
「太陽のめざめ」 物語がラストに向かっていかない繰り返しの連続で、とにかくだらだら長い。しかも、暴力的な少年マロニーの教育係となるヤンの存在感も見えないし、主人公らしい判事のフローランスも際立ってこない。ただ、何度やっても喚き散らすことを繰…
「セルフレス 覚醒した記憶」 前半は非常にリズム感があって、映画に音楽を感じる。さすがにターセム・シン監督の才能をうかがわせるのですが、真相がわかって、どちらかというとアクションの展開に変わってからが、ちょっと間延びしてしんどい。とは言って…