2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「テルアビブ・オン・ファイア」 アイデアの勝利という感じの良くできた佳作でした。面白かったし、さりげないお国がらも見えるし、それでいて映画的な展開もワクワクする。監督はサメフ・ゾアビ。 1967年パレスチナで、大ヒットテレビドラマ「テルアビブ・…
「コンプリシティ 優しい共犯」 期待も何もしていなかったが、驚くほどに良かった。地味で静かな物語なのに、いつの間にか引き込まれてしまいました。お世話になるという人間同士の本当の助け合い、心の交わりが見事に描けていたように思います。監督は近浦…
「サヨナラまでの30分」 それほど期待していなかったのですが、えらく良かった。青春映画の秀作っていうのに久しぶりに出会った気がします。カメラと編集が心地よいテンポを生み出して、曲の展開同様に映画が弾んでラストまで走っていく爽快感が最高でした。…
「ロマンスドール」 とってもピュアに理想の女性を求め続けた一人の男のラブストーリーに見えた。たしかに高橋一生扮する哲雄と蒼井優扮する園子の恋物語なのだが、ラブドールに想いを込めていく哲雄や、その先輩金次の思いを描写する場面が圧倒的に多い。終…
「his」 ゲイカップルが起こす事件のその先を描いたストーリーの組み立てがなかなか秀逸な一本で、ゲイテーマが苦手な私も、それなりに、愛情という描くべきテーマを感じ入ることができました。ただ、エピソードの組み立てがややまとまりきれてないのか妙に…
「キャッツ」 海外では非常に酷評されているので、怖いもの見たさに見に行きましたが、何のことはない、ちゃんとミュージカル映画として楽しめました。確かに一級品の出来栄えではないかもしれませんが、酷評しているのは舞台版のファンの偏見ではないかなと…
「ダンス・ウィズ・ウルヴズ」 三十年ぶりかの見直し、午前十時の映画祭です。やっぱりいい映画ですね。良い映画という形容がぴったりの作品です。映画が上品です。少々、アメリカ人を悪人として割り切った描き方は偏っている気もしますが、こういう映画を見…
「冬時間のパリ」 典型的なフランスラブコメディで、お話はドロドロなのに、全くよどみがなくカラッと流れていく展開がいかにもフランスらしい。ただ、次々と出てくる人物名に翻弄されてしまって、前半、ちょっと眠かった。一番苦手な作品という感じでした。…
「剣鬼」 90分ほどの映画なのにやたら長く感じた。ストーリーの構成がしつこいというかバランスが悪いのだろう。監督は三隅研次なので、画面の構図などは美しいが、それもいまひとつ際立って映画の仕上がりに貢献していない感じの作品でした。 ある城下で一…
「mellow」 これは良かった。始まってからラストまで胸が締め付けられるほどキュンキュンになってしまいました。とっても素敵な恋愛映画の秀作に出会った感じです。監督は今泉力哉。 mellowという花屋を営む夏目の姿から映画が始まる。一人の女子中学生が小…
「ジョジョ・ラビット」 これは面白かった。と手放しでハマりたいところなのですが、出だしの心地よいリズムが、中盤に続かなかったのが何とも惜しい。ファンタジーでありブラックコメディであり、ほんのり感動させ、さらに反戦メッセージを織り込んだ映画な…
「リチャード・ジュエル」 監督はクリント・イーストウッドなのだが、完全に上滑りになっていて、全然物語が掘り下げられていない。本当に実話をもとにしたのだろうかと思うエピソードがちらほらするのはどうなのだろうという出来栄えの作品でした。もちろん…
「ペット・セメタリー」(2019年度版) ホラー映画をこういう感想していいものかと思うが、これは面白かった。旧作はただ怖いだけの印象で、物語もほぼ完全に覚えていても、今回の作品は楽しめました。原作の良さ、今回の脚本と物語の構成の良さでしょうか。怖…
「アラビアのロレンス」 何回見たことか、さすがにこれは映画史に残る至宝だなと思います。よくもまあこんな映画を作ろうとしたものだと改めて感動してしまう。監督はデビッド・リーン。 今更物語を語るものではないですが、砂漠の威容をスクリーン全体に描…
「ルル」 なんとも退屈な映画でした。というより、フランス人の感覚なら普通なのでしょうか、受け入れられないほどの淡々とした物語で、何がどうなるんだという感じでした。駄作とは言いませんが、日本人には合わないのでしょうか。監督はモーリス・ピアラ。…
「裁かるるジャンヌ」(デジタル復元版) 四十年前に見たのですが、ほとんど覚えていない映画史上の傑作を再見。さすがに凄い映画だった。ほとんどがクローズアップで見せていく前半。斜めの構図や極端に偏った配置、さらに突如として天地がひっくり返るカメラ…
「ある女の愛」 物語は流石に古さを感じるものの絵作りはしっかりしているし、見ていてそつのない出来栄えになっていると思います。まあ、普通の作品という感じです。監督はジャック・グレミヨン。 ある港町の老医師が種痘の予防接種をしている場面から映画…
「ダウントン・アビー」 人間関係や、名前などの説明が入るけれど、覚えきれなかった。にもかかわらず、ものすごく面白かった。演出が抜群に優れているのでしょう。いろんなエピソードがオーバーラップして展開する様をはっきりと追いかけることができる。そ…
「カイジ ファイナルゲーム」 よくもまあ、こんな薄っぺらい物語を仰々しく作ったものだと思う。脇役の選定が甘いためにストーリーに膨らみが全然出てこないし、根本的に脚本がひどい。監督は佐藤東弥。 今更ながら、貧乏暮らしをしているカイジが、とある大…
「幸福の設計」 とにかくテンポが抜群にいいし、それほど長くないのに凝縮されたストーリーの組み立てで、最初から最後までとにかく楽しめる。ゴーモン映画社特集、監督はジャック・ベッケル。 製本会社に勤めるアントワーヌと写真館に勤めるアントワネット…
「ショーシャンクの空に」 午前十時の映画祭で30年ぶりくらいの再見。やはりいい映画です。大人の映画ですね。刑務所の中に社会の縮図というか人生の縮図というものが凝縮され、そこで人々が未来への希望に向かい始める人間ドラマになっている。名作です。監…
「私たちは一緒に年をとることはない」 同じ展開を何度も繰り返すので、しまいにはええ加減にせえとなってしんどくなってしまった。シンプルな物語を映像にするという典型的な一本でした。ゴーモン映画社特集、監督はモーリス・ピアラ。 主人公ジャンは映画…
「ロング・ショット僕と彼女のありえない恋」 テンポもいいし、面白い展開で、よくある話ながら退屈せずに楽しめたのですが、いかんせん脚本に芸がないというかセンスがないというか、この手の話を面白くするにはSEXとドラッグしかないという工夫のない物語…
「顔のない眼」 ゴーモン映画社特集。いわゆるカルトムービーである。皮膚を剥がす場面がかなりリアルで、ややグロいが、それでも全体に漂う悲壮感がホラーに一味加えている感じの作品でした。監督はジョルジュ・フランジュ。 一人の女性が車を運転している…