2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧
1986年に結成されたグループ「N.W.A」の結成から解散、その後を描いた伝記映画である。2時間以上ある作品なのですが、長さを感じません。カメラが縦横に大きく移動し、主人公たちの弾けるような活動をそのまま画面に映し出していくからではないでしょうか。…
「クリード チャンプを継ぐ男」 「ロッキー」の亜流作品として、もっと適当な映画かと思っていたら、とんでもない。しっかりと作られた人間ドラマとしての様相も持つ秀作でした。監督はライアン・クーグラーです。映画が始まると1998年、ある少年院の施…
「神様なんかくそくらえ」 ニューヨークのストリートガールの刹那的な恋を描いて、東京国際映画祭でグランプリと監督賞を受賞した作品なのですが、要するに、昔風の言い方をすれば、乞食の物語である。監督はジュシュア・サフディとベニー・サフディである。…
「スター・ウォーズ フォースの覚醒」 ルーカスフィルムから手を離れて、ディズニープロダクションに移ってからの最初の一本目。というか正確にはエピソード7である。やや不安もあったが、ストレートに面白かった。基本的なストーリー構成はエピソード4とほ…
「マイ・ファニー・レディ」 とにかく、終盤に向けてどんどん楽しくなってくる。ピーター・ボグダノヴィッチ監督の久しぶりの作品は、エルンスト・ルビッチのラブコメディを思わせる軽快で洒落た作品でした。かつてコールガールをしていたハリウッドスターの…
「天使は待ってくれる」 今では、この手のパターンの映画はあまり作られなくなったけれど、やっぱりこれが映画の一つの楽しさじゃないかと思います。エルンスト・ルビッチ監督の晩年の傑作の一本。一人の男の女遍歴の半生を、笑いと心温まる物語で紡いだヒュ…
「天使」 これはものすごい傑作でした。ここまで脚本が緻密に書き込まれていると、一回見ただけではその細かいディテールのうまさを思い出しきれません。至るとことに張り巡らされる伏線と、無駄のない構成で組み立てられたストーリー。絶妙とも言える、洒落…
一編の詩篇のような色合いのある静かで美しい映画でした。 ジェームズ・ディーンの死の直前、写真家デニス・ストックとの旅と友情を描いた作品で、劇的な展開も、芸術的な画面も存在にしないが、どこか、しんみりと見入ってしまう。監督はアントン・コービン…
「人の望みの喜びよ」 切ないような、不思議なリズムを持った作品。それほどの秀作とまではいかないけれど、映像のリズム感に、この監督独特の感性をうかがわせてくれました。監督は杉田真一です。水中から空を見上げるカメラから映画が始まり、タイトルがか…
「淑女超特急」 自らの作品のリメイクであるが、全体のテンポといい、ところどころに散りばめられるアクセント的なセリフの挿入といい、まさに計算された笑の世界が展開。これもまたエルンスト・ルビッチの世界である。ストレスがかかるとしゃっくりが出るジ…
「君とひととき」 エルンスト・ルビッチ監督の代表作「結婚哲学」を自らリメイクした作品で、ストーリーの流れはほとんど同じである。例によって、ポンポンと展開するリズミカルな物語と映像に、引き込まれる面白さを堪能するが、計算され尽くされた感がない…
「orange オレンジ」 宣伝を見た感じでは、ちょっとキュンとくるラブストーリーかと思って見に行ったけれど、映画としては本当に凡作。物語が薄っぺらいのは原作があるから仕方ないのですが、それを映像にするにあたり、いや脚本に焼き直すあたりで、もっと…
「さようなら」 平田オリザ原作の傑作戯曲の映画化である。 放射能に侵された近未来の日本を舞台に、日本を捨て、他国へ避難する計画が進む中の、一人の少女ターニャとアンドロイドのレオナの物語が展開する。典型的な舞台劇で、淡々と進む静かな物語は、よ…
「海難1890」 期待していなかったが、思いの外しっかりと作られた作品でした。特に、前半、日本での海難シーンが素晴らしい。カット編集を巧みに使い、日本とトルコのシーンを交互に交錯させた細かいカット編集と、カメラワークで一気にスペクタクルシーンを…
「結婚哲学」 エルンスト・ルビッチ恋愛コメディの最高峰と言われる一本、サイレントながら、いつものリズミカルなタッチと、ちょっと洒落た感じで展開する二組の夫婦の会話のソフィスティケイテッドないでたちがなんとも可愛い一本。夫婦生活もマンネリし、…
「犬を連れた女」 ダミアン・マニベル監督の短編で、部屋の中に、主人公のレミと黒人の太った女、そして年老いた黒い犬を配置して展開する会話劇。二階に犬が登るくだりなど、どこかミステリアスな空気もあるが、特に何というものもなく、レミが家を出てエン…
「SAINT LAURENT サンローラン」 モダンな色彩とシャープな映像で綴る、イヴ・サンローランの後半生の物語で、なかなかの長尺であるが、見ごたえのある秀作でした。華やかなデザイナーの世界を描くというより、サンローランの人間ドラマという感じで、非常に…
「パリ3区の遺産相続人」 ちょっと小洒落たヒューマンストーリーという感じで、決して傑作とかではないが、不思議と心に残る映画でした。監督はイスラエル・ホロヴィッツです。一人の男マティアスがパリのとあるアパートへやってくる。父が残した遺産を相続…
「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲」 非常に奇抜で独創的な映画にみえるが、想像していたほどのオリジナリティはなかったような気がします。監督はコーネル・ムントルッツァです。映画は一人の少女リリが、自転車に乗って、橋を渡る場面に始まる。スロー…
「ローマに消えた男」 これは良かった。見事なストーリー構成に仕上がった傑作。しかも、展開のテンポも抜群で、気がつくとラストシーンでした。監督、脚本、原作はロベルト・アンドーです。開巻、秘書のアンドレアを率いて国内最大の野党を率いるエンリコが…
「黄金のアデーレ 名画の帰還」 これはいい映画でした。史実を基にした作品ですが、過去と裁判抗争している現在を巧みに繰り返しながらの映像のテンポ、さらに、サスペンスフルな展開を所々に織り込んだストーリー構成のおもしろさ、しっかりした構図と、カ…