2012-01-01から1年間の記事一覧
大ヒット名作ミュージカル「レ・ミゼラブル」の舞台を映画として作り直した大作の貫禄十分の秀作でした。もうラストは涙があふれてくるし、見終わって拍手したくなる感動に包まれる。つまりあくまで映画として、映像として昇華させたのではなく舞台として完…
「レ・ミゼラブル」見に行くつもりが、なぜか突然「大奥」をみた。で、このシリーズに作品としてのレベル云々を言う必要がないのでそれはさておき、なぜかテレビシリーズも同じくこの物語が好きなのです。第一作もそれなりに満足してほめたように思いますが…
「拝啓、愛しています」 それほど期待もしてない。宣伝で見ている限りは老人同士の恋物語かと思っていたら、中盤からはもう涙がでっぱなしに感動してしまった。とっても楽しい、でもとってもファンタジックでピュア、さらにしっかりとリアリティある老人問題…
めくるめく迷宮、結局物語の本筋はどこにあるの?物語の主人公は誰?そんなこんなで混乱に混乱を続けているうちに映画は終わってしまった。まさに夢を視覚化した迷路のようなストーリー展開に途中から理解するのを、いや組み立てていくのをやめてしまうよう…
「ロード・オブ・ザ・リング」三部作の原作「指輪物語」の物語を60年前にさかのぼる物語を原作にしたピーター・ジャクソン監督の新たなる三部作である。正直、やめて欲しいのであるが、ピーター・ジャクソンでもあるし、長いのを覚悟で見に行った。たしかに…
「グッモーエビアン!」 麻生久美子が大好きで、ただ彼女だけを目当てに見に行ったのですが、なんとなんと楽しい映画だった。お世辞にも映画作品としての出来映えはほめるほどのものではないが、とにかく楽しい。第一、娘ハツキをしていた三吉彩花と友人のト…
「しとやかな獣」 聞きしに勝る傑作。吹っ飛んでしまう感性豊かな才能がもたらす映像の遊びの数々に堪能させられてしまう。自由に映像を駆使してストーリーを見せるならこの映画に勝るものはないかもしれない。能か狂言か鼓の音をバックにとあるアパートの一…
「夜の河」 どんどん画面に引き込まれてしまう。紛れもない名作である。 川の流れをバックにまっ黄色なタイトルが現れる。この黄色はこの物語の主人公舟木きわが心を寄せる大学の先生竹村の象徴として画面では菊の黄色などとなって基調色で何度も登場する。…
「愛される方法」 ワインのグラスのアップから物語が始まる。舞台女優として成功したメニツェフがファンの招待でパリへ向かう飛行機を待っている。飛行機に乗り、彼女は第二次大戦下、一人の男性を匿いひとときの恋心を感じていた時代を思い出す。飛行機の中…
「水の中のナイフ」 いわずとしれたロマン・ポランスキー監督のデビュー作にして代表作、30数年ぶりに見直す機会に出会いました。さすがに名作というものの息吹が漂ってくる。作品全体のムードが実に美しい。その美しさが冒頭のタイトルシーンからラストシ…
「砂漠でサーモン・フィッイング」 これは良かった。題名からも内容からも今一つ期待もしてなかったけれど、出だしから引き込まれてしまいました。なんといってもサイモン・ビューフォイの脚本とラッセ・ハルストレムの演出が秀逸で、台詞と映像、音楽がポッ…
「釈迦」 日本最初の70ミリ映画としても映画史に残る大映の超大作である。文字通り豪華絢爛なセットとこれでもかというほどのスターが目白押しに登場する。二時間半以上あるが、つぼを心得た脚本でほとんど飽きさせることなく、釈迦の誕生から入滅までの物…
「夜ごとの美女」 ルネ・クレールらしい軽快なフランスコメディの秀作、とにかくテンポが抜群にいい。出だしの部屋の窓のショットから始まって、ゆっくりとカメラが主人公クロードの部屋の中に。ピアノの教師でオペラの作曲家である彼には外の雑踏がいつも苦…
「ワンナイト、ワンラブ」 映画の中に夢を見つけられなくなった人は是非この映画を見てほしい。虚構か現実かわからなくなるほどの一体感に引き込まれる。ラストシーンを見れば、まるで本当に起こったことのドキュメントじゃないのとさえ我が目を疑うけれども…
「ダーケストアワー消滅」 「プロメテウス」のスタッフとティマール・ベクマンベトフが関与したというSF映画。まぁ,B級映画と高をくくって見たのですが、意外とおもしろかった。ストーリーや設定が丁寧に組み立てられているのでダレないのです。宇宙を背…
「アメリカン・グラフィティ」 ジョージ・ルーカス監督の傑作であるが今まで見逃していた一本をようやく見ることができた。全編にオールディーズが流れ、ヴィンテージカーが次々と画面を彩っていく。物語は卒業を迎えた若者たちの一晩の物語をただひたすら追…
「ウーマン・イン・ブラック亡霊の館」 「国威の女ある亡霊の物語」というベストセラーホラー小説をイギリスのハマーフィルムが映画化した作品で、最初からラストまで非常に素直な正当はホラー映画でした。脚本は「キック・アス」のジェーン・ゴールドマンで…
「黒い十人の女」 市川崑監督の映像センスが光るスタリッシュなサスペンス映画の秀作でした。 横長のワイドスクリーンの右半分左半分という人物配置と市川監督ならではのクローズアップと遠近の配置、さらに影を利用した効果的なライティングによってミステ…
「鉄路の男」 5本の作品を残しわずか40歳でなくなったポーランドの映画監督アンジェイ・ムンクの未公開作を見る。物語の構成はまさに黒澤明の「羅生門」である。一人の機関士オジェシェンコという男が汽車に引かれて死んでしまうシーンから映画が始まる。…
「宇宙人東京に現わる」 まさか、この映画がスクリーンで見れるなんて夢にも思わなかったSF映画の珍品。ご存じ岡本太郎がデザインしたヒトデ型宇宙人が有名な映画をとうとう見ることができた。で、つっこみどころ満載の映画かと思いきや、意外としっかりと…
前作「ミッドナイト・イン・パリ」がよかったので、さらに期待が膨らんだが、今回はちょっとラストの処理がしんどいかな?という感想です。でもバストショットで繰り返す会話のショットから感情が高ぶるとクローズアップで見せるカメラ演出、くるくるとめく…
ユニソルシリーズもここまでくると全く混沌とした状態で、なにがなんだかという感じで支離滅裂状態である。監督は前作同様ピーター・ハイアムズの息子ジョン・ハイアムズ。点滅するライトと心臓の鼓動のような音の中で映画が始まる。主人公ジョンが怖がる娘…
「ハハハ」 ヨーロッパで絶大な人気の韓国の監督ホン・サンスのカンヌ映画祭ある視点部門グランプリ受賞作をみる。予定していなかったが、特に見る映画もなくなったので出かけたのです。なんと、ちょっとおもしろい映画を作る人だとわかりました。韓国映画に…
「ロックアウト」 退屈はしないのだがどたばたとスピーディな物語があれよあれよと進んでいってエンディング。リュック・ベッソンが製作側に回った作品のほとんどがこのパターンになっている。途中眠くなることはないが、見終わって、あのシーンがよかったと…
「ドリームハウス」 ジム・シェリダンという監督さんは本当にストーリーテリングのうまい人だとつくづく思ってしまいます。サスペンスミステリーでありながら、家族愛を見事に盛り込んでいく。空間と時間、幻想と現実が複雑に絡み合う物語なのに、決して混乱…
「HICK ルリ13歳の旅」 「キック・アス」「モールス」などのクロエ・グレース・モレッツ初主演映画ということだが、「キック・アス」も「モールス」も彼女の映画だといっても過言ではない。それほど今のりに乗っている女優なのです。映画は単純なロー…
「続・名もなく貧しく美しく〜父と子〜」 名作「名もなく貧しく美しく」の続編であり、昨日見た「六條ゆきやま紬」の二年後に松山善三監督が描いた作品故に、ちょっと期待半分でしたが、さすがにメッセージ性が強すぎて、脚本が鼻につくほどにしつこい出来映…
「六條ゆきやま紬」 松山善三監督の隠れた名作と解説された一本ですが、なんのなんの度肝を抜かれる傑作に出会ったという感じです。映画が始まったとたん、画面に釘付けになったままラストシーンまで身じろぎもできなかった。眠くなるとか、退屈とかそんな余…
「ボディ・ハント」 今ちょっと気になる女優ジェニファー・ローレンス主演のサスペンスホラーを見る。なかなかおもしろい。ジョナサン・モストウ原案の物語の構成の切り換えのおもしろさは絶品ではあるが、若干、映像演出がそれについてこれない部分があり、…
「その夜の侍」 何ともカットのリズム、物語の構成のリズムの悪い映画でした。だからやたらしいどい。脚本が悪いのもあるけれども演出のテンポもよくない。結果、やたら間延びしたシーンばかりが繰り返される結果になった気がします。舞台劇としては成功した…