2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」 画面の構図は抜群に美しいし、物語の展開も秀逸、なかなかの作品なのですが、配信映画の当たり前のように画質のクオリティが極端に悪く、本当に残念な映画です。監督はジェーン・カンピオン。 牧場を営む兄フィルと弟のジョー…
「都会のアリス」 40年前くらいに初めてみた時は16ミリフィルムのスタンダードサイズ、相当に画面の荒れた印象があったが、今回の2Kレストア版で、監督が当初考えていたワイドスクリーンサイズにし、美しく蘇った。不思議なくらいにこの映画は大好きな一本で…
「フレッシュマン若大将」 平和そのものの映画、自動車産業成長期のまさに高度経済成長華やかなりし頃の作品で、世の中に暗部などは存在しないかのような世界が充満しています。楽しい映画でした。監督は福田純。 大学を卒業した主人公田沼が自動車会社の面…
「tick、tick...BOOM!チック、チック...ブーン!」 作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝ミュージカルの映画化作品。映画としては面白いのですが、ストーリーテリングが良くないのとカメラが汚い。典型的な配信映画の劇場公開版という作品で、映画として楽しむ…
「聖地X」 典型的な舞台劇の映画化という感じの一本で、不条理劇という空気感の作品。映画としての面白さというより、奇妙なドラマという海苔ノリだけを楽しむ一本でした。監督は入江悠。 韓国のあるレストラン、ワールドカップを見ている一人の外国人が何か…
「娘ざかり」 爽やかすぎる青春ドラマという感じの一本。内藤洋子のアイドル映画色が前面に出てくるけれど。あまりに爽やかすぎて嫌味にも見えない明るさがとってもいい作品でした。監督は松森健。 牧師を父に持つ主人公陽子が大学に合格するところから映画…
「ボクたちはみんな大人になれなかった」 これは良かった。スクラップブックのような映画ですが、どんどん胸に染み入るように切なさが広がって行く後半部はたまりません。カメラアングルが実に凝っていて、空間をうまく利用した演出が素晴らしい。高田亮の脚…
「お嫁においで」 ほのぼのした呑気な青春恋愛ドラマ。いわば決定版という感じの歌謡映画で楽しめました。監督は本多猪四郎。 ホテルでウエイトレスをしている昌子が通勤途上、一台のスポーツカーを押したことから、造船会社の社長の息子保と知り合う。保は…
「恋する寄生虫」 それほど期待してなかったのですが、思いのほか良かった。こういう切ないラブストーリーは大好きです。小松菜奈が良かったし、原作は読んでいないのですが、おそらく原作をうまく映像化しているように思います。映像作家らしい絵作りも嫌味…
「信虎」 なんともやっつけ仕事のスケールのしょぼい時代劇でしたが、あまり取り上げられない人物のドラマという事と金子修介監督作品ということで見に行きました。 武田信玄の父信虎の晩年を描いていきます。京都は登ろうという途上の信玄を尻目に、信玄に…
「皮膚を売った男」 これは傑作でした。独特の感性で演出される画面作り、辛辣な風刺の効いた脚本、スピーディなオープニングと、テンポ良いストーリー展開、そして娯楽性を兼ね備えたクライマックス。映画としての基本をしっかりふまえながらの作品作りの妙…
「街に泉があった」 たわいのない青春恋愛物語という感じの一本で、黒沢年男がワンパターンの男を演じているのが今みれば鼻につくが、これも時代がなせる色合いでしょう。監督は浅野正雄。 次郎と三郎、泰弘が、母を連れて東京の長男順一のところへやってく…
「リラの門」(4Kリマスター版)ジ 二年前に見たばかりでしたがたが、やはり名作ですね。人間の心の機微が見事に描かれているし画面も美しい。それでいて、甘ったるい話ではなく、締めるところは締めてある。そういうところが名作と言える所以でしょうか。監督…
「自由を我等に」(4Kリマスター版) 四十年ぶりに見直したが、やはり傑作ですね。この時代にこれだけのテーマを盛り込んで、しかも軽快なリズムで展開していく映像作りのうまさと、サイレントとトーキーを織り交ぜたような演出、名作とはここまで煮詰まったも…
「めぐりあい」 荒削りな青春ラブストーリーという感じの一本で、貧乏人もひがみ根性だけを全面に出して突っ走る描き方は実に素朴そのもので、時代を感じるばかりの普通の映画でした。ラストの唐突なエンディングも当時の大量生産的な色合いの濃い作品でした…
「あこがれ」 本当に名作ですね。練りに練られた台詞の数々と、重層的に組み立てられたストーリー、そして美しいカメラアングルにどんどん引き込まれていきました。物語は時代を感じさせるものの、それでも見事なドラマに仕上がっています。素晴らしかった。…
「未来世紀ブラジル」 三十年ぶりくらいの再見。最初見た時同様にシュールな空気感に圧倒されていくが、初めて見た時よりも、映画の良さというか、クオリティが理解できた気がしました。徹底的に管理された情報社会の恐怖を独特のイメージで描いていく手腕は…
「エターナルズ」 高級なB級娯楽映画という感じの壮大なテーマを背景にしたアベンジャーズもの。こういう作り方もありと言える一本でした。アクションシーンのスピード感も面白いけれど、世界中を舞台にして転々として行くストーリー展開と、真実が明らかに…
「結婚のすべて」 機関銃のような台詞の応酬でテンポ良く見せていく快作という感じの一本。デビュー作らしいやりたい放題のシーンの連続で、若干鼻につくところもあるけれど、時代を思い切り全面に感じさせるバイタリティは見事なものです。岡本喜八監督第一…
「すずかけの散歩道」 爽やか、その一言に尽きる気持ちのいい映画でした。どろどろしたものは全然ないし、全てが丸く収まる展開も心地いい。それが甘すぎるというならそれでもいいんじゃないかと思う。映画は夢の世界なんだというのを感じられるいい映画でし…
「そして、バトンは渡された」 シンプルでわかりやすい流れで淡々と泣かせてくれる映画でした。悪く言えば、今時こんな古臭いストーリーがあるものかと思いましたが、ラストは自然と涙が出てきたので、実はみんなこういう話を望んでいるのかもしれません。原…
「スウィート・シング」 小品ですが、インディーズ映画の空気を漂わせる16ミリカメラで撮ったモノクロとカラーの画面がとっても心地よくて、主人公たち三人が普通の生活になって締め括るラストにほんのりと癒される作品でした。監督はアレクサンダー・ロック…