くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ヨーヨー」「破局」「恋する男」「ピンク・クラウド」

「ヨーヨー」 ピエール・エテックス監督特集の一本。画面の隅々、セリフの一つ一つ全てにユーモアを交えて描く知的コメディの傑作。ほとんど知識のない作品だったのが恥ずかしいほどです。とにかく楽しい。映画を楽しく作っている雰囲気が画面全体から溢れて…

映画感想「ヒトラーのための虐殺会議」「母の聖戦」

「ヒトラーのために虐殺会議」 不謹慎かもしれないが、非常に面白かった。人間が狂っていく様が見事に描かれている。第二次大戦下、ユダヤ人絶滅政策を決定した90分のヴァンゼー会議のアドルフ・アイヒマンが記録した議事録に基づいた作品ですが、会話劇を主…

映画感想「肉体の悪魔」(デジタルリマスター版)「狂熱の孤独」(デジタルリマスター版)「ジェラール・フィリップ最後の冬」

「肉体の悪魔」(1947年版) ジェラール・フィリップ生誕百年映画祭で見る。とってもいい映画でした。好き放題に不倫している男と女の話で、最初は全く共感できないのですが、映画の展開としてしっかりしている上に、手を抜かない絵作りも見事で、クオリティの…

映画感想「花咲ける騎士道」(4Kデジタルリマスター版)「夜の騎士道」(4Kデジタルリマスター版)

「花咲ける騎士道」 荒唐無稽にハイテンポで展開するコミカルなラブストーリーの如き映画。クライマックスの延々と馬で疾走する追っかけシーンは圧巻。一見、粗だらけの展開のようですが、綺麗に一つにまとめていく監督の手腕は見事です。なんかわからないけ…

映画感想「パーフェクト・ドライバー成功確率100%の女」「ノースマン 導かれし復讐者」

「パーフェクト・ドライバー成功確率100%の女」 韓国映画もこの手のエンタメ作品作り洗練されてきた感じですね。欠点はあるけれど単純に面白かった。少々長く感じたのは、エピソードを盛り込みすぎたのか、見せ場の配分が悪かったのか、いずれにせよ、退屈せ…

映画感想「ジュリエットあるいは夢の鍵(愛人ジュリエット)」(4Kデジタルリマスター版)「SHE SAID その名を暴け」

「ジュリエットあるいは夢の鍵」(愛人ジュリエット) 主人公の心象風景を映像にしていくいわゆる幻覚を描くストーリーですが、どこか古臭さを感じるのは表現方法ゆえか、物語ゆえか。でも、これはこれで楽しめる一本でした。監督はマルセル・カルネ。 監獄の…

映画感想「非常宣言」「近江商人、走る!」

「非常宣言」 相当に面白い。一昔前のB級パニック映画の一級品という出来栄えの娯楽映画でした。細かい部分の詰めが甘いのと、古臭いご都合主義で物語が展開するので、緊迫感は半端なく面白いのですがリアリティに欠けたのが本当に残念。カンヌを目指すのか…

映画感想「美しき小さな浜辺」(デジタルリマスター版)「子猫をお願い」(4Kリマスター版)

「美しき小さな浜辺」 小さな浜辺のそばに建つホテル、降り続ける雨、孤児の不幸な人生、殺伐とした風景、そんな寂しい世界をひたすら描いていく映画で、主人公が犯してきた犯罪の背景も、ドラマも見せるわけではなく、アンリ・アルカンのモノクロのカメラが…

映画感想「モリコーネ 映画が恋した音楽家」「そして僕は途方に暮れる」

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」 1961年以来、500以上の映画、テレビの音楽を手掛けたエンニオ・モリコーネのドキュメンタリー。知った曲も知らない曲も、知った映画も知らない映画もあったけれど、とにかく良かった。映画音楽への視点がまたひとつ増えた…

映画感想「ヘアー」「ひみつのなっちゃん。」「ファミリア」

「ヘアー」 名作ですね。時代とお国柄は今見るとやや鼻につくとはいえ、奥にパンしていく映像演出や、バイタリティ溢れるストーリー展開は見事。ラストシーンで一気にメッセージをぶつけて来る構成も秀逸。必見の一本でした。監督はミロス・フォアマン。 オ…

映画感想「恋のいばら」「嘘八百 なにわ夢の陣」「とべない風船」

「恋のいばら」 傑作でした。二転三転していくサスペンスと、コミカルな展開、作り込まれた映像と練られたセリフの数々にどんどんお話が深みにはまっていく。にも関わらず、重くならずに軽いタッチが最後まで持続する演出も面白い。楽しめる映画に久しぶりに…

映画感想「おばあちゃんの家」(デジタルリマスター版)「終末の探偵」「キッド」(4Kデジタルリマスター版)「サニーサイド」

「おばあちゃんの家」 胸に染みいるような名編でした。淡々と語られる年老いた祖母と孫の物語ですが、たまらなく郷愁に浸らせてくれました。本当に素朴でいい映画です。監督はイ・ジョンヒョン。 母に、バスに乗って山深い村に住む祖母のもとに連れられてい…

映画感想「アメリカから来た少女」「離ればなれになっても」

「アメリカから少女」 淡々と静かに進む映画ですが、いつのまにか主人公の心が変化していく様が見えてくるとってもいい映画でした。監督はロアン・フォンイー。 アメリカから台湾に戻ってきたファンイーと妹のファンアン、母のリリーが空港についたところか…

映画感想「ラ・ブーム2」(デジタルリマスター版)「サーカス」(デジタルリマスター版)「一日の行楽」「巴里の女性」(デジタルリマスター版)「のらくら」

「ラ・ブーム2」 一作目の方がストーリーに小気味良いテンポがあって良かった。ソフィ・マルソーの魅力だけで展開する映画という感じで、大体の流れが前作同様で新しみもなかったけれど、テーマ曲は素敵だし、楽しめるラブストーリーでした。監督はクロード…

映画感想「殺人狂時代」(デジタルリマスター版)「黄金狂時代」(デジタルリマスター版)「チャップリンの給料日」「ドリーム・ホース」

「殺人狂時代」 テレビで見ただけの作品でしたが、これはまさしく名作、傑作です。物語の構成も見事なのでサスペンスとしても一級品で面白いし、しかも人間ドラマとして主人公の心の変遷も見事に描かれている。さらに毒の聞いた風刺も効いていて、似た話の「…

映画感想「ラ・ブーム」(デジタルリマスター版)「ニューヨークの王様」(デジタルリマスター版)「柳川」

「ラ・ブーム」 ソフィ・マルソーのデビュー作。細かいカットとハイテンポなストーリー展開で、思春期の揺れ動く少女達のラブストーリーを、ヒット曲に乗せて描くとっても心地よい映画でした。監督はクロード・ピノトー 父フランソワに送られて夏休みが終わ…

映画感想「ブラックナイトパレード」「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」

「ブラックナイトパレード」 もっと悪ふざけばかりの映画かと思っていたら意外に感動ものだった。原作の良さだろう。もうちょっとラストの真相の展開が鮮やかだったら傑作だったかもしれないが、そこは監督が福田雄一なので、ここまでで留めた方が良かったの…

映画感想「勇者たちの休息」「7月の物語」

「勇者たちの休息」 レマン湖畔からアルプス山脈を抜けて地中海へ至る大アルプスコースという自転車観光コースを走る人たちを描いたドキュメンタリーです。監督はギヨーム・ブラック。 一人の青年が自転車を漕ぐ姿を背後から捉えて映画は始まります。黄色の…

映画感想「トゥモロー・モーニング」「そばかす」「かがみの孤城」

「トゥモロー・モーニング」 曲もいいし、役者の歌唱力も抜群で、見ていてミュージカルの根本的な面白さは満喫できるのですが、ちょっとカット割りが良くないために映画としてテンポに乗ってこず、全体に緩急が見えてこない。ただ、現代と十年前を巧みに切り…

映画感想「フラッグ・デイ 父を想う日」「なまいきシャルロット」

「フラッグ・デイ 父を想う日」 アメリカのジャーナリストジェニファー・ヴォーゲルの実話なのですが、脚本がいいのか演出の構成が上手いのか、想像以上にい映画でした。ドキュメンタリータッチとホームムービー風の映像を駆使し、現代と過去のフラッシュバ…

映画感想「勾留」

「勾留」 面白かった。取調室で淡々と進むストーリーが時に外に出るかと思うと元の部屋に戻り、過去をフラッシュバックさせるかと思うと、現実に戻る。次第に現実か幻覚かわからなくなっていきながら、真相に迫って物語は終わるかと思えば、実はどんでん返し…

映画感想「ケイコ 目を澄ませて」「泣いたり笑ったり」

「ケイコ 目を澄ませて」 良い映画でした。絵作りの才能があちこちに散りばめられている。決して大層な物語が展開するわけではないけれど、人物のいない静かなインサートカットのタイミングの使い方が抜群に上手い。まるで、木下恵介の名作を見ているような…

映画感想「I AM JAM ピザの惑星危機一髪!」「サポート・ザ・ガールズ」「伴奏者」

「I AM JAM ピザの惑星危機一髪!」 サイレント映画を令和に復活させるとして、活弁士大森くみこと組んで仕上げた珍品。とにかく全編お遊び映画ですが、こんな遊びがあってもいいんじゃないかなと思います。コミカルでやりたい放題の映像作りで、悪く言えば…

映画感想「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」(IMAX HFR 3D)「クライング・ゲーム」(デジタルリマスター版)

「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」 監督のジェームズ・キャメロンが、通常の倍のビットレートHFRで描いた大ヒット映画の続編。正直、映像アトラクションという感じの作品で、観客のことを考えずに描く192分は正直ちょっと長い。しかもその長さの中に詰…

映画感想「空の大怪獣ラドン」(4Kデジタルリマスター版)「N ever Goin‘ B ack ネバー・ゴーイン・バック」

「空の大怪獣ラドン」 「ゴジラ」に比べて脚本の甘さが目立つけれども、真面目に大人向けに作られた怪獣映画として十分に楽しめました。有名なラストのラドンが阿蘇山に飲み込まれる場面は、どこか哀愁を帯びていて、この時代の怪獣映画の特色をきっちりと見…

映画感想「1950 水門橋決戦」

「1950 水門橋決戦」 「1950 鋼の第7中隊」の続編。例によって、中国軍は精鋭でアメリカ軍は間抜けばかりという設定のもと、物量とCGで描く戦争スペクタクルになっています。特に奥の深いものもない娯楽大作として楽しめる映画でした。監督はツイ・ハーク。 …

映画感想「ホワイト・ノイズ」

「ホワイト・ノイズ」 よくわからないけれど、面白い映画だった。いつの間にか時間が経ってラストになってたが、振り返ってみると、一体なんだったのかというコメディ作品。エンドクレジットのスーパー内のダンスシーンがとにかく楽しい。監督はノア・バーム…

映画感想「天上の花」「夜、鳥たちが啼く」

「天上の花」 荒井晴彦のバイタリティ溢れる脚本が演出で描ききれなかった感じで、サイコなホラー映画の如き終盤の展開はちょっと力不足を感じました。時間が前後するジャンプカットが最初は戸惑ったものの、東出昌大の狂気の演技だけが妙に際立った。人間の…

映画感想「MEN 同じ顔の男たち」「ラーゲリより愛を込めて」

「MEN 同じ顔の男たち」 さすがA24、とんでもないファンタジーホラーでした。とにかく、画面が抜群に美しい。ロンドンの室内のオレンジ、郊外の邸宅の室内の赤、そして森の緑、目が覚めるほどの色彩に目を奪われます。しかしながら、その不思議なファンタジ…

映画感想「空の穴」「ブラックアダム」

「空の穴」 北海道でドライブイン食堂を営む不器用な三十過ぎの男の一時の物語を淡々と描く一本で、たいそうなドラマも展開するわけでもないが、カメラが素朴でなかなか良い。監督は熊切和嘉。 一人の女性妙子のアップから、彼氏がこの辺りで食事できるとこ…