くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「総長の首」「蛇の道」(2024年版)

「総長の首」 冒頭のヤクザの組同士にの抗争の話が、いつの間にか若者たちの青春物語になり、最後はそれまでの展開をすっ飛ばしてエンディングを迎える。その場その場で作り上げていった感じのストーリーがなんとも雑多な映画だった。監督は中島貞夫。 関東…

映画感想「木枯し紋次郎」(中島貞夫監督版)「鉄砲玉の美学」「温泉こんにゃく芸者」

「木枯し紋次郎」 かなり荒っぽい脚本ですが、二本立ての一本という立ち位置と当時の人気テレビ番組の映画版という作品なので、これくらい一気に本編に傾れ込んでもいいのでしょう。これという中身はない単純な勧善懲悪のチャンバラ渡世映画でした。監督は中…

映画感想「ブルー きみは大丈夫」「違国日記」「ディア・ファミリー」

「ブルー きみは大丈夫」 軽いタッチのファンタジーだった。特に綺麗な映像があるわけでもなく、CGで作られた愛くるしいキャラクターと一人の孤独な少女の物語で、それ以上でもそれ以下でもないシンプルな感動ドラマでした。監督はジョン・クラシンスキー。 …

映画感想「男女残酷物語/サソリ決戦」「情熱の王国」

「男女残酷物語/サソリ決戦」セイヤー、メアリー 今まで公開されていないのが不思議なくらい面白い映画だった。映像アートの如く淡々と進む前半部分が中盤から後半にかけてテンポが速くなってサスペンスフルな展開に変化して行くリズム転換がとっても面白い…

映画感想「脱獄広島殺人囚」「日本暗殺秘録」

「脱獄広島殺人囚」 痛快あっぱれな娯楽映画だった。脱獄と感情的な犯罪を繰り返すだけの話なのだが、なぜか人間味が溢れている上に、自分の生き様にストレートに反応させて行く男のドラマがとにかく爽快だった。もちろん、犯罪を許すわけではないのだが、実…

映画感想「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」

「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」 面白い導入部なのに、どんどんありきたりな展開になって行くのは原作が弱いのか脚本にひと工夫足りないのか。それに、自分の心に訴えてこない何かが常にあって、息子を亡くした主人公の苦悩も、夫を冷たくあしらう自分…

映画感想「ナイトスイム「チャレンジャーズ」

「ナイトスイム」 ホラー映画の割にはおとなしい作りの作品で、ショッキングなホラー色を前に出すのか、謎解きの面白さを出すのか、あるいは家族の再生のドラマを前面にするのかという中心が見えづらく、結局、どれもこれもに手をつけたせいでキレのない展開…

映画感想「大奥㊙︎物語」「にっぽん‘69 セックス猟奇地帯」「くノ一忍法」

「大奥(秘)物語」 大奥に集う女達のドラマをオムニバス風に描いて行く作品で、根底に名優山田五十鈴がどんと存在して物語を牽引して行くので、なかなか見応えのある作品だった。監督は中島貞夫。 大奥の説明の後、旗本の娘ふさが大奥へお目見えする場面から…

映画感想「893愚連隊」「あゝ同期の桜」「ドライブアウェイ・ドールズ」

「893愚連隊」 娯楽映画のツボを抑えた肩の凝らないエンターテイメントでした。荒削りなストーリー展開と、規制の枠にとらわれない設定、余計な事に拘らない人物描写がとにかく心地よい。映画の個性というのはこういうものかと思わせる一本だった。監督は中…

映画感想「かくしごと」

「かくしごと」 原作はそこそこ良いのかもしれないが、脚本が弱いのか今ひとつ映画全体がまとまっていない。もうちょっとサスペンスフルな展開が根底に走っても良いと思うのですが、ストーリー全体に緊張感がなく、身勝手な女性たちの暴走劇にしか見えないの…

映画感想「THIS MAN」「クイーン・オブ・ダイヤモンド」「あんのこと」

「THIS MAN」 適当な脚本と適当な演出の典型的な低予算C級ホラーだった。もしかしたら面白いかもと見に行ったが、予想通りのレベルだったので自分でも笑ってしまった。監督は天野友二朗。 いかにも幸せそうな家族の映像が繰り返される。八坂華とその夫義男、…

映画感想「わたくしどもは。」「ライド・オン」

「わたくしどもは。」 観念的な内容とシュールな展開の作品ですが、構図、光、空間などなど映像がとにかく美しいので最後までしっかり見ることができます。現生で一緒になれなかった男女が命を絶ってあの世へ旅立つまでのシンプルなお話ですが、見応えのある…

映画感想「からかい上手の高木さん」「告白 コンフェッション」

「からかい上手の高木さん」 とっても気持ちのいいキュンキュンのラブストーリーでした。こう言うのを描かせると今泉力哉監督は本当に上手いですね。中学生の二人のラブストーリーと主人公の二人のラブストーリーの二重構造に、あちこちに散りばめられる切な…

映画感想「私、違っているかしら」「おれについてこい!」「嵐が丘」(吉田喜重監督版)

「私、違っているかしら」 森村桂の半自伝的小説の映画化で、もっとたわいない映画かと思っていたのですが、丁寧な脚本で緻密に展開する様はなかなか中身の濃い映画だった。監督は松尾昭典。 孤児達の就職までの暮らす施設で、ボランティア活動していた桂が…

映画感想「FARANG/ファラン」「マグダレーナ・ヴィラガ」

「FARANG/ファラン」 緩急をつけたスピーディなカメラワークと、シンプルでテンポの良いストーリ展開、娯楽性に富んだ作劇の面白さを堪能できるエンタメ映画でした。バイオレンスアクションなのですがどこかオリジナリティに富んだ構図や展開の工夫がとって…

映画感想「マッドマックス:フュリオサ」

「マッドマックス:フュリオサ」 正面だけでなく、左右の壁にもスクリーンがあるスクリーンXというシステムがある109シネマ箕面まで見に行きました。めちゃくちゃ楽しかった。正面で展開するドラマの左右に広がる乾いた荒野、その中で展開する近未来の復讐劇…

映画感想「パリ、テキサス」「あんま太平記」

「パリ、テキサス」 十年ぶりの再見でしたが、やはり名作ですね。赤、黄、青の配色を徹底した画面が実に美しいし、配役もナスターシャ・キンスキー以外考えられない。それくらい何もかもが唯一無二の奇跡のような映画だった。監督はヴィム・ヴェンダース。 …

映画感想「三日月とネコ」「劇場版おいしい給食 Road to イカメシ」

「三日月とネコ」 もっと薄っぺらな癒し系の映画かと思っていたら、中盤からあと、どんどん色々考えさせられるほどに深みが加わってくる展開で、いつのまにか、自身を見つめ直している自分を感じてしまいました。映像的な面白さはないのですが、淡々と語られ…

映画感想「好人好日」

「好人好日」 たわいのないホームドラマなのですが、これだけの芸達者が軽快なテンポでセリフを応酬していくととにかく楽しい。シーンやエピソードの組み立てもコミカルで心地よく、終始笑いが絶えない場内はまさに映画全盛期の日本に放り込まれたかのような…

映画感想「バティモン5望まれざる者」「ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー」

「バティモン5 望まれざる者」 移民が正義でフランス人側が悪であるのではなく公平な視点で徹底的に描かれた見事なドラマで、所々に挿入される事件のエピソードが娯楽生を生み出して観客を飽きさせない作劇のうまさもあるなかなかの秀作。ただ、テーマは実に…

映画感想「関心領域」

「関心領域」 固唾を飲んで最初から最後までのめり込んでしまうほどの恐ろしい映画だった。物語の恐怖だけではなくて、映画の作りの恐ろしさも兼ねる。画面に何が映っているのか、何を写しているのか、セリフに散りばめられたものは何か、それを一つ一つ確認…

映画感想「喜劇駅前弁当」「ソイレント・グリーン」(デジタルリマスター版)「祝日」

「喜劇駅前弁当」 楽しい映画だった。たわいないお話なのですが、芸達者な喜劇陣の巧みな、しかも機関銃のようなアドリブ演技の応酬から、大物俳優をすっと挿入してラストを締めくくる組み立ての妙味が絶妙。日本映画黄金期の娯楽映画とはいえ、見終わって面…

映画感想「瞼の転校生」

「瞼の転校生」 何気ない話なのに、とってもテンポが良くて、しかも登場人物みんな気持ちがいいほどに素直で良い人。目の演技が、子役に至るまで素晴らしくて、決してシーンごとにだれることがない。友達に勧められなければ見にいっていない一本だったので、…

映画感想「ハピネス」「家出レスラー」

「ハピネス」 原作の嶽本野ばらのファンタジックで浮世離れした空気感が今一つ物足りなく、時折不可思議な面白さが出るのですが、脇役の配置ミスか、すぐにリアルな現実に引き戻されて平凡なお涙頂戴映画になる瞬間がちょっと目立ちすぎたのが寂しかった。橋…

映画感想「ボブ・マーリー ONE LOVE」「ありふれた教室」

「ボブ・マーリー ONE LOVE」 丁寧に演出された画面と、一人のミュージシャンをまっすぐに描いた演出がとっても好感な音楽映画でした。散りばめられたボブ・マーリーの音楽がとっても良いし、それを聞いているだけでも値打ちのある作品でした。監督はレイナ…

映画感想「碁盤斬り」「湖の女たち」「ミッシング」

「碁盤斬り」 少々脚本が荒っぽいが、なかなかの時代劇の傑作でした。様式美にこだわった絵作りが実に美しいし、物語のうねり、人の心の浮き沈みが丁寧に描かれているのがいい。ラストは古き良き時代劇を彷彿とさせるエンディングがとっても心地良かった。監…

映画感想「猿の惑星 キングダム」

「猿の惑星 キンギダム」 もはや猿でなくてもいいんじゃないかという感じのシリーズですが、可もなく不可もない普通の映画でした。凝った展開もなく、シリーズものゆえなんとか次に続く展開は挿入されているものの、本編は極めて平凡で、ドラマの面白さも、…

映画感想「パリでかくれんぼ」(4Kリマスター完全版)

「パリでかくれんぼ」 初公開時より10分長い完全版。ミュージカル仕立てなのだが、数曲しかダンスシーンはなく、ダンスホールでのソロでのダンスシーンやステージシーンはたくさんあるが、その辺りが中途半端な組み立てになっている。しかも三人の女性の物語…

映画感想「バジーノイズ」「無名」

「バジーノイズ」 ベタな話をベタな演出で描いた普通の映画で、心のうねりが全く見えてこないのは役者の力不足か演出力のなさか、なんとも伝わってこない映画でした。監督は風間太樹。 スマフォで音を取る主人公清澄の姿から映画は幕を開ける。自宅のアパー…

映画感想「不死身ラヴァーズ」「またヴィンセントは襲われる」「胸騒ぎ」

「不死身ラヴァーズ」 シンプルで爽やかな青春ラブストーリーの佳作という感じの映画だった。とにかく、ファンタジックなロケーションとどこかシュールででもどこか心に思い当たるような一瞬を感じさせてくれるからいい。推しの見上愛の元気一杯の演技がとっ…