くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「あのこは貴族」

「あのこは貴族」 これは良かった。演出とはこういう風にするものというお手本のように隅々まで行き渡った手抜きにない映像作りにまず驚かされるが、それにプラスして役者の使い方が実に上手い。さらに映像のリズム感も見事な感性で綴られていくから、物語が…

映画感想「女舞」「熱愛者」「愛情の系譜」

「女舞」 物凄いしっかりと作られた逸品で、この時代このレベルの映画が普通に作られていたのだから感心してしまいます。決して名作とかいうレベルの出来栄えではないけれど、一つ一つのシーンに役者の迫力が見られます。素晴らしかった。監督は大庭秀雄。 …

映画感想「カポネ」

「カポネ」 アル・カポネの晩年の姿を、彼の妄想と幻覚の物語として映像でつづっていくなかなか見ごたえのある作品で楽しめました。監督はジョシュ・トランク。 一人の男が大邸宅の中をうろついていて、ある部屋で一人の女の子を見つける。女の子は叫び声を…

映画感想「春江水暖 しゅんこうすいだん」「ジョゼと虎と魚たち」(犬童一心監督版)

「春江水暖」 美しい景色と延々と捉える長回しの中に、変わりゆく中国の時の流れと、一つの家族の物語を静かに淡々と描いていく。抒情詩のような美しいハーモニーに沁み入る感動を覚える一本でした。よかったです。監督はグー・シャオガン。 祖母の誕生祝い…

映画感想「ある人質 生還までの398日」「ベイビーティース」

「ある人質 生還までの398日」 見応えのある作品なのですが、誰を中心に描きたいのかがぼやけている作品で、主人公はダニエルなのですが、アメリカ人のフォーリーにも割いている演出がどうも全体を甘くしてしまったのは残念です。シリアで一年近く拉致された…

映画感想「藁にもすがる獣たち」「メメント」

「藁にもすがる獣たち」 曽根圭介の原作を韓国で映画化した作品。これは面白かった。若干、無理やり感がないわけではないけれど、先が読めない展開の面白さを堪能できました。韓国映画でなかったらベストワンにするところです。監督はキム・ヨンフン。 一人…

映画感想「あの波の果てまで」(前篇、後篇、完結篇)

「あの波の果てまで」(前篇 後篇 完結篇)千 大ヒットテレビドラマの映画版で岩下志麻を一躍スターにした映画です。まあ、典型的なすれ違いメロドラマという感じで、離れたと思えばまた元の鞘に収まりまた波乱の出来事が起こってはなんとか解決する。これとい…

映画感想「霧ある情事」「死者との結婚」「離愁」

「霧ある情事」 前半は非常にテンポの良い流れでぐいぐい引っ張っていくのですが、後半逃避行になった途端にだらだら間延びしてしまうのがしんどい。ただラストの洒落たエンディングはなかなか良い感じの映画でした。監督は渋谷実。 刺青をした一人の男室岡…

映画感想「あの頃。」

「あの頃。」 今泉力哉監督作品なので相当期待したのですが、なかなかこちらに響いてこないままラストまで流れていって、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。そもそもこういう話は今泉力哉監督はどう撮るんだろうと不安でしたが、その通り、ちょっとリ…

映画感想「世界で一番しあわせな食堂」「愛と闇の物語」

「世界で一番しあわせな食堂」 とっても素敵なハートフルラブストーリー。たわいのないお話なのにいつの間にか引き込まれて、ラストは心があったかくなりました。美しいフィンランドの景色と、素朴な登場人物たち、そして自然とラブストーリーが見えてくる展…

映画感想「ノンストップ」「愛の濃淡」

「ノンストップ」 非常に評判が悪いので迷っていましたが、意外に面白かった。韓国映画の幼稚さが程よい感じで生かされていて楽しいコメディになっていました。これでもかと次々と黒幕やら裏切り者やらが出てくるしつこさがもうちょっと上手く整理できたらも…

映画感想「劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal 後編」「ウォーデン 消えた死刑囚」

「劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal後編」 闇のサーカス団によってピンチになったセーラーマースたちの場面からカットが変わり、ネプチューンらお姉様方三人のシーンへ。今や娘をネプチューン、ウラヌス、プルートの三人で育てるが、娘はみるみる成長…

映画感想「私は確信する」「心の傷を癒すということ 劇場版」

「私は確信する」 非常に見応えのある力作で、細かいカットの積み重ねと極端なクローズアップで作り出す緊張感が最後まで物語の気を抜くことがない。しかし、頭から最後まで徹底したその演出は、一方で、無罪判決のために執拗なくらいに凝り固まって奔走する…

映画感想「ろまん化粧」「すばらしき世界」

「ろまん化粧」 入り組んだ男女が織りなす恋愛模様という感じで、どれという核の話もなく、ただ入り乱れて雑多な展開となる。まさに映画黄金期のプログラムピクチャーという空気の映画でした。監督は穂積利昌。 パリで学んできたヘアスタイリストの女性が日…

映画感想「ファーストラヴ」

「ファーストラヴ」 面白くないわけではないのですが、と言って面白いわけではない。直木賞を取った原作の人間ドラマの厚みが映像に昇華できなかったという感じです。物語が重くて奥が深いのに、こちらに迫ってこない。脚本が悪いのか演出が悪いのかその弱点…

映画感想「秘密への招待状」「マーメイド・イン・パリ」

「秘密への招待状」 オリジナルを見てないので何とも言えないけど、良いお話なのですが、ちょっと古臭い感じの演出が気になり、女優二人の存在感が目立ちすぎて、肝心のドラマ部分が薄れてしまった感じですね。監督はバート・フレインドリッチ。 インドで孤…

映画感想「ジャスト6.5闘いの証」

「ジャスト6.5 闘いの証」 サスペンスでもアクションでもない、恐ろしいほどに研ぎ澄まされた社会ドラマだった。イランという国の圧倒的な描写、一見ただの麻薬捜査の物語かと思えば、次第に見えて来る本当の暗部。もちろん、麻薬取引を容認するわけではない…

映画感想「わたしの叔父さん」「ダニエル」

「わたしの叔父さん」 なるほどそういうことね、と映画ファンを唸らせる映画だった。淡々と繰り返される物語、これという抑揚のない展開、時々挿入される美しい風景にカット、そして主人公クリスの表情の変化、その全てに物語が描かれている見事なヒューマン…

映画感想「愛染かつら」(新版総集編)「帰郷」(大庭秀雄監督版)「夢みるように眠りたい」

「愛染かつら」(新版総集編) 前篇、後篇、続篇、完結篇を再編集してまとめたもので、幾度も映画化されている最初の映画です。これということもなく、ただ、時代を楽しむ一本でした。監督は野村浩将。 主人公かつ江が娘と散歩しているシーンから、独身である…

映画感想「人妻椿 前篇」「人妻椿 後篇」「暖流」(再編集版 吉村公三郎監督版)

「人妻椿」(前篇)野村浩将監督版 次から次へと間断なく不幸に見舞われていく主人公の物語は、退屈しないと言うより、突っ込んでしまうくらいだが、娯楽映画としては良くできているのかもしれません。戦前の昭和11年の映画なのにテンポがとっても良い映画です…

映画感想「樹海村」「哀愁しんでれら」

「樹海村」 まあ、「犬鳴村」よりはそれなりに面白かったです。でも、理由づけが全くできてないので、ただのホラー場面の連続という感じでした。監督は清水崇。 樹海村の自殺者をパトロールしているのでしょうか、車に乗った男女が走っていると、幼い姉妹が…

映画感想「羊飼いと風船」

「羊飼いと風船」 静かで地味な映画ですが、非常にクオリティの高い抒情詩の様な一編でした。監督はチベットのペマツェテン。 中国では家族計画の政策が進んでいるというテロップから、舞台は広がる草原と羊たちが群れているチベットとなる。祖父、若夫婦、…

映画感想「ヤクザと家族 The Family」「名も無き世界のエンドロール」

「ヤクザと家族 The Family」 映画の出来栄えは一級品だった。ここまで重厚な人間ドラマはここしばらく日本映画で見てこなかった気がします。二重三重に練り込まれた物語に圧倒されました。ただ、何か違和感があります。どこか脚本を書いた藤井道人の偏った…

映画感想「夏、至るころ」「天国にちがいない」

「夏、至るころ」 全編ゆるゆるな映画で、これというテンポもなく、どこへ向かうという核もなく、淡々と青春の物語、池田エライザの半自伝だと言いますが、その物語が綴られていく。冒頭部分はカット割が妙なのは個性なのかなんなのか、そのうちそれも見慣れ…

映画感想「おもいで写真」「理由なき反抗」

「おもいで写真」 これというほどの映画ではなかったけれど、最後まで飽きずに見ることができた。さりげないエピソードの積み重ねですが、お年の方が微笑む姿の連続に癒される年齢になったのでしょうかね。監督は熊澤尚人。 東京でメイクアーティストになる…

映画感想「花束みたいな恋をした」

「花束みたいな恋をした」 さすがに坂本裕二脚本、とっても素敵な恋愛ファンタジーに仕上がっていました。物語全体のまとまりはテレビドラマ的でも有りますが、偶然が偶然を呼び、有り得ないラブストーリーが、ひとときの現実を忘れさせてくれました。監督は…

映画感想「プラットフォーム」「クラッシュ」(4K無修正版)

「プラットフォーム」 グロい上に暗い。恐ろしいほどに陰惨な不条理劇だが中身がシュールでなんのことか理解しきれなかった。何かメッセージは見える気もするのですが描ききれなかった一本。監督はガルダー・ガステル 何やら豪華な食事が準備されている場面…

映画感想「白昼堂々」

「白昼堂々」 はちゃめちゃなコメディですが、頭から終わりまで勢いがあって楽しい。監督は野村芳太郎。 デパートでスリを繰り返す主人公たちの場面から映画が始まり、かつての盟友2人が再会。一人はデパートの防犯係、一人はスリ集団の元締めみたいになって…

映画感想「KCIA 南山の部長たち」「危険な女たち」

「KCIA 南山の部長たち」 面白いのだが、1979年の大統領暗殺事件を元にしたフィクションとテロップして始まっているのだからもう少し娯楽性に工夫があっても良かったかと思います。主人公のキム部長の人間ドラマを前面に出した脚本は分からなくもないのです…

映画感想「どん底作家の人生に幸あれ!」「影の車」

「どん底作家の人生に幸あれ!」 ディケンズの「ディヴィッド・コパフィールド」を原作にした映画ですが、最初は面白いのか面白くないのかわからないままに入り込むのですが、いつの間にか主人公の波乱万丈の人生に翻弄されながら見入ってしまいました。現実…