くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「恋する惑星」

「恋する惑星」 とっても洒落た映画で、二つのラブストーリーをめくるめく様なテンポで描いていく。監督はウォン・カーウァイ。 一人の刑事223号が犯人を追っている。途中、金髪にサングラスの女性とすれ違う。223号は最近メイという女性と失恋をし、もう一…

映画感想「鵞鳥湖の夜」「花様年華」

「鵞鳥湖の夜」 噂通りの傑作でした。ハイスピードなストーリー展開とカメラワークの見事さ、さらに光と影を縦横無尽に使った映像演出に引き込まれてしまいました。監督はディアオ・イーナン。 深夜の高架下、一人の男チョウが佇んでいる。そこへオーバーラ…

映画感想「ポネット」「現在地はいづくなりや 映画監督東陽一」

「ポネット」 シンプルでピュアな詩篇のようなファンタジックな映画でした。映画としてずば抜けて優れた出来栄えに見えないのですが、淡々と綴っていく一人の少女の全くの澱みのない物語は胸を打たれます。監督はジャック・ドワイヨン。 一人の少女のポネッ…

映画感想「女優 原田ヒサ子」「フェリーニのアマルコルド」(4Kリマスター版)「シリアにて」

「女優 原田ヒサ子」 原田美枝子が、自らの母を捉えた短編ドキュメンタリー。認知症が進んだ母、原田ヒサ子が自らの娘原田美枝子を語り出す。 原田美枝子の母原田ヒサ子が普通に若い頃から映画に出ていたと語り出す。原田美枝子の娘や息子が協力するいわばホ…

映画感想「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」

「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人」 韓国映画らしい陰気で陰湿な映画でしたが、伏線やフェイクもしっかり効いていたなかなかの佳作でした。ただ、いつものことながら、韓国の警官ってアホやし、独特のハングル語の下品さはやはり私にはあいません。監督はキ…

映画感想「TENET テネット」

おもしろかった。時間テーマをこういう風に小道具に使うという発想が見事。一瞬混乱しかけるのですが、それは人間がまだ完全に未知な存在としての時間に対する既成概念があるからで、物語は一昔前のB級SFのようなシンプルな話。その軸の話にいかに早く行…

映画感想「チィファの手紙」「スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」

「チィファの手紙」 岩井俊二監督が「ラストレター」を発表する前に、同じ原作で中国で描いた作品。展開もカメラワークもアングルもほとんど同じで、役者が変わっただけという感じの映画でした。 主人公チィファの姉チィナンの葬儀の場面に始まり、そこへチ…

映画感想「ミッドウェイ」(2020年版)「窮鼠はチーズの夢を見る」「喜劇 愛妻物語」

「ミッドウェイ」 日米両側を公平に描き、日本の横柄さを誇張するわけでもなく、アメリカの有意さを見せるわけでもなく、いかにアメリカも真珠湾攻撃で追い詰められたかもちゃんと描いている演出は良かった。いい映画になっていたという感じです。監督はロー…

映画感想「マイ・バッハ 不屈のピアニスト」「ソニア ナチスの女スパイ」

「マイ・バッハ 不屈のピアニスト」 二十世紀最高のバッハ演奏家と言われているジョアン・カルロス・マルティンスの半生を描いたいわゆる不屈の音楽家の物語ですが、いかんせんあれもこれもと描こうとしたためにかなり長く感じ、さらにピアノシーンが何度も…

映画感想「海の上のピアニスト」(イタリア完全版)

「海の上のピアニスト」 先日見た4K版より約五十分長い日本初公開版を見る。当初公開されたものは時々感情の流れが途切れたり飛んだりする印象が気になってましたが、今回の長尺版はその辺りはスムーズに流れます。私個人としてはこの長尺版の方が作品として…

映画感想「mid90s ミッドナインティーズ」「真夏の夜のジャズ」(4Kリマスター版)

「mid90s ミッドナインティーズ」 これは良かった。まず音の使い方が抜群に良い。国は違うけれど、かつての自分達の少年時代と全く変わらない世界があった。しかも映像のリズムがいい上に、少年たちの心の温かさが切々と伝わってきて引き込まれてしまいまし…

映画感想「おかしな奴」「凱里ブルース」

「おかしな奴」 昭和初期に活躍した実在の落語家三遊亭歌笑の半生を描いた作品で、全体が丁寧に物語を追っていく一方で、芸達者が繰り広げる落語の世界も面白い逸品でした。監督は沢島忠。 子供の頃から顔立ちがユニークでみんなから馬鹿にされて大きくなっ…

映画感想「喜劇 急行列車」「吹けば飛ぶよな男だが」「あゝ軍歌」「人数の町」

「喜劇 急行列車」 たわいのないプログラムピクチャーで、気楽に見れるコメディですが、構成はしっかりしているのはなかなかのものです。監督は瀬川昌治。 東京から長崎に向かう急行列車、専務車掌の青木が乗り込んで、列車の中で起こる様々なエピソードを綴…

映画感想「宇宙でいちばんあかるい屋根」

「宇宙でいちばんあかるい屋根」つ うーんとなんともまとまらない映画だった。いろんなエピソードがなぜ入ってくるのかはっきり見えない上に、キーになる星ばあの桃井かおりがなんとも汚らしくて映画のファンタジックさを潰している感じで残念。上手く作れば…

映画感想「青くて痛くて脆い」「ようこそ映画音響の世界へ」

「青くて痛くて脆い」 なんともひどい映画だった。原作が悪いのか、脚本が悪いのか、監督の演出が悪いのか、役者が悪いのか、どこへ向けたら良いのかわからないくらい、どれもこれもが薄っぺらくて見ていられない。途中まで我慢すればと頑張ったが結局よくも…

映画感想「勝負をつけろ」

「勝負をつけろ」 やっちゃいました。去年見た映画を気が付かずにまた見てしまった。クライマックスの地雷除去シーンあたりからなんとなく思い出して、そのあとの場面で確信、一緒に見ていた友達も終わり辺りまで気がつかなかった。監督はジャン・ベッケル。

映画感想「ごん」(劇場版)「脅迫者」「ラインの処女号」「霧の中の少女」

「ごん」 ごんぎつねのストップモーションアニメ。繊細な表現で、今までタブーとされてきた水とススキを描くことにチャレンジ。懐かしい童話の世界観と優れたテクニックに引き込まれる三十分でした。監督は八代健志。 物語は今さらいうまでもないので書かな…

映画感想「幸せへのまわり道」「シチリアーノ 裏切りの美学」

「幸せへのまわり道」 ミニチュアの街並みなどを多用し、子供番組と現実を交錯させながら不思議な演出で描いて行くヒューマンドラマですが、トム・ハンクスの好演もあり、しみじみと染み渡る人間ドラマに仕上がっていました。最近はこの手の人生ドラマにのめ…

映画感想「オフィシャル・シークレット」「ソワレ」

「オフィシャル・シークレット」 なんか後味が悪い。ポリティカルサスペンスなのだが爽快感はない。実話だからというリアリティもない。主人公にどうも感情移入もできない。そんな映画だった。正義感を貫いたというヒーロードラマなのに、賞賛できないという…

映画感想「ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。」

「ジェイド・ダイナスティの破壊王、降臨。」 典型的な三流香港娯楽映画という感じの一本でしたが、クライマックスのCG満載のスペクタクルシーンはなかなか面白かった。監督は「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」のチン・シウトン。 両親を殺されて孤児…

映画感想「グッバイ、リチャード!」「人生劇場 飛車角と吉良常」

「グッバイ、リチャード!」 ちょっと面白い映画でした。余命いくばくもなくなる主人公の話ですがジメジメしないし、命ってこんなものかというドライさと、ブラックコメディのような展開、それでいてあったかくなる人間ドラマ、映像の妙味を楽しめる映画でし…

映画感想「糸」「酒と女と槍」

「糸」 これは良かった。61歳になった自分が見るから余計に色々が重なったのかもしれないけれど、どんどんのめり込んでしまいました。監督は瀬々敬久。 平成元年、主人公高橋漣が生まれるところから映画が始まる。そして自転車で走っている漣、遡って中学時…

映画感想「2分の1の魔法」「ポルトガル、夏の終わり」

「2分の1の魔法」 映画自体はディズニー作品としては中の下くらいでしたが、クライマックスの怪物との死闘シーンや父親が復活する一瞬のファンタジーシーンの演出は流石にうまい。監督はダン・スキャンロン。 かつて、魔法に満ちていたが今や科学にどっぷり…

映画感想「森と湖のまつり」「恋や恋なすな恋」

「森と湖のまつり」 非常に長く感じるのは物語の構成がまとまっていないためか、主人公の視点が誰なのかがわかりづらく、滅びゆくアイヌ民族の切なさを描いているのだが、中心になる高倉健の灰汁が強すぎて、響いてこない仕上がりになった感じです。ただ、ヨ…

映画感想「海の上のピアニスト」(4Kデジタルリマスター版)「ブックスマート 卒業前夜のパーティデビュー」

「海の上のピアニスト」 20年ぶりか、やはり美しい映画でした。全編がファンタジー、全編が寓話の世界、それでいて何か感じさせるものがある。名作という名の通りの映画ですね。監督はジュゼッペ・トルナトーレ。 一人のトランペット奏者マックスが、暗がり…

映画感想「第50回全国高校野球選手権大会 青春」

「第50回全国高校野球選手権大会 青春」 市川崑監督が手掛けたドキュメンタリーで、夏の甲子園大会中止によりリバイバル公開されたので見にいく。市川崑監督のドキュメンタリーといえば「東京オリンピック」という名作があるので期待大でした。 面白い、とに…

映画感想「弱虫ペダル」「僕の好きな女の子」

「弱虫ペダル」 期待通りの出来栄え。めちゃくちゃに映画に乗ってしまいました。徹底的にロードレースシーンに執着した作りが映画として成功したという感じです。本当に良かった。監督は三木康一郎。 主人公小野田坂道がママチャリに乗ってアニメソングを歌…

映画感想「剣の舞 我が心の旋律」「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」

「剣の舞 我が心の旋律」 ソ連の作曲家アラム・ハチャトゥリアンが八時間で書き上げたという傑作「剣の舞」誕生の前後を描く物語。ロシアならではの景色や、構図、色彩が美しい作品で、日頃目にする色合いよりも抑えた上品さがとっても綺麗ですが、内容はか…

映画感想「思い、思われ、ふり、ふられ」「8日で死んだ怪獣の12日の物語」

「思い、思われ、ふり、ふられ」 全編キュンキュンと締め付けられるような恋愛模様が描かれていく瑞々しさがたまらない作品で、四人の高校生の何気ない恋愛ドラマなのに、絡んでくる心のベクトルが変化していく様が自分の青春を重ね合わせ、それでいて現代の…

映画感想「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」「ファヒム パリが見た奇跡」「ジェクシー!スマホを変えただけなのに」

「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」 ここまで自由な発想でブッ飛んでしまえる監督の感性に脱帽してしまいます。ネタにこだわってしまうとこの映画の面白さはおそらくわからないだろうと思える一種の傑作かもしれません。面白いというか、この柔軟さに脱…