くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「争う美人姉妹(改題前 処女宝)」

「争う美人姉妹」 なんとも言えないぐだぐだのメロドラマですが、あまりにも展開がめんどくさいのでそれはそれで面白かった。資料によるとオリジナルは90分ほどあるようなので、今回60分あまりになっているのは、再編集したものだろうと思います。貴重な一本…

映画感想「ボーはおそれている」「Firebird ファイアバード」

「ボーはおそれている」 つまり、母を恐れて遠ざけていた息子が最後には母に殺されてしまうスリラーなのか?目眩くような奇抜なシーンの連続と、現実感が全くない映像の繰り返し、これで終わりかと思えばさらに先に続く展開、癖になるのもわかるが、ラストシ…

映画感想「ニューヨーク・オールド・アパートメント」

「ニューヨーク・オールド・アパートメント」 もっとほのぼのしたヒューマンドラマかと思っていたが、思いの外辛辣で、しかもどこかおかしい作品でした。不法移民でアメリカに来た家族の厳しい現実の中で出会うさまざまな出来事を掘り下げた展開で描いていく…

映画感想「レディ加賀」

「レディ加賀」 典型的なローカルご当地映画なのでクオリティがどうのこうのという映画ではなく、小芝風花目当てで見に行った映画なので、これで十分満足な一本でした。監督は雑賀俊朗。 小学校の学芸会の舞台、一人の少女がタップダンスを踊っていて、男の…

映画感想「スケアクロウ」

「スケアクロウ」 名作というのはこういう映画を言うのでしょうね。いかにもな賞賛を送るのではなくて、見ているうちに、不思議なほどに好きになってしまう映画。余計なメッセージも何もなく、純粋で素直な人間の感情をストレートに感じて、感動してしまう瞬…

映画感想「いますぐ抱きしめたい」(4Kリマスター版)

「いますぐ抱きしめたい」 さすがにデビュー作だけあって、荒削りでギラギラした作品ですが、スタイリッシュなカメラワークと洒落た色彩演出、音楽センスの良さはのちの傑作を彷彿とさせる作品でした。物語が同じ展開を繰り返すので、少々中盤以降しんどくな…

映画感想「瞳をとじて」「カラーパープル」(ミュージカル版)

「瞳をとじて」 高級な作品ですね。二時間五十分近くあるのに長さを感じさせない作劇のうまさは絶品で、非常にシンプルな話なのに、全体に深みのある味わいを感じさせる映画でした。登場人物の表情から溢れ出る感情がいつの間にか心に何者かを生み出していく…

映画感想「梟-フクロウ-」「一月の声に歓びを刻め」「Here」

「梟 フクロウ」 めちゃくちゃに面白かった。史実を元にしたとはいえ、サスペンスの組み立てがしっかりしているし、次々と変転するストーリー展開が実に上手い。しかも、仰々しい演出もなされず、徹底的に観客の興味を画面に惹きつけることしか考えられてい…

映画感想「リバー・ランズ・スルー・イット」(4Kリマスター版)「夜明けのすべて」

「リバー・ランズ・スルー・イット」 淡々と静かに流れるだけの物語なのに、いつの間にか画面に引き込まれていくとっても素敵ないい映画でした。フライフィッシングの美しい釣り糸の流れが映画をとっても美的なものにしていて、作品全体を染み入るほどに優し…

映画感想「身代わり忠臣蔵」

「身代わり忠臣蔵」 こういう気楽で肩の凝らない娯楽映画の存在も必要という一本で、たわいないとしか言いようのない作品ですが、これはこれで楽しんだからそれで良いという映画でした。ムロツヨシは嫌いな役者ですが、前半はともかく後半はその実力だけを前…

映画感想「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」

「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」 もっとどぎついB級ホラーかと思っていたら、意外と押さえ気味の真面目な人間ドラマとサイコパスの映画だった。特に映像に工夫もなく、怖がらせの面白さもなく、動物ロボットが襲ってくるというある意味、普通の…

映画感想「ダム・マネー ウォール街を狙え!」「ジェヴォーダンの獣」(4Kレストアディレクターズカット版)

「ダム・マネー ウォール街を狙え!」 面白くなる話なのですが、直近の実話を元にしていると言うのもありますが、裕福な投資家がバカで、スラングだらけの小口投資家=ダム・マネー側がお調子者としか見えない下品な映画に仕上がってしまった。言いたいこと…

映画感想「罪と悪」「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」

「罪と悪」 思いの外めちゃくちゃ良かった。役者がどれも物凄くいいし、ストーリーの細かい場面が非常にしっかりと描かれているので、話が嘘くさくならない。それでいて、幼馴染同士の切ない過去とどうしようもない現在との交錯感が素晴らしくて、どんどん引…

映画感想「白日青春 生きてこそ」「エレクション 黒社会」

「白日青春 生きてこそ」 いろんな話が乱立してしまってまとまらず、全体の物語の構成も悪く、中心にすべきものがなんなのかわからないままにどれも尻切れとんぼで終わってしまった映画だった。大好きなアンソニー・ウォンを見るためだけだったが、さすがに…

映画感想「神の道化師 フランチェスコ」(デジタルリマスター版)「エレクション 死の報復」「熱のあとに」

「神の道化師 フランチェスコ」 聖フランチェスコを慕う修道士たちのエピソードをコミカルに描いていく作品で、登場人物たちは一生懸命布教活動を行っている姿がかえってユーモア満点に見える様が不思議な作品です。脚本にフェデリコ・フェリーニも参加して…

映画感想「ティル」「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」

「ティル」 傑作だった。本来、黒人映画は苦手なのですが、この作品は1955年当時のアメリカの異様な緊張感と黒人差別の現実の重苦しいほどの圧迫感に投げ込まれてしまいました。しかも、映像作品としても非常に優れていて、明るいオープニングの中にも張り詰…

映画感想「あるじ」

「あるじ」 シンプルな物語を、練った脚本と演出で見せていくコメディ作品という感じで、描かれるテーマは今時に通じる物があるのがなんとも面白い作品でした。監督はカール・テオドア・ドライエル。 ある家族の朝から映画が始まる。忙しく朝の支度をする妻…

映画感想「吸血鬼」(カール・テオドア・ドライエル版)「サイレントラブ」

「吸血鬼」 影と多重露出を効果的に利用した演出が不気味さと幻想的な味わいを描き出したなかなかの秀作。恐怖を煽る一方で、サスペンスフルなテンポの良さを生み出すカット割りも面白く、若干、わかりづらいところもあるのですが、コンパクトな尺で描くゴシ…

映画感想「哀れなるものたち」「ミカエル」

「哀れなるものたち」 これまで身につけた知識や経験を全て捨てて、生まれたばかりの赤ん坊になって世界を見たときに見えてくるものを映像にしたあまりにもピュアな感覚に満ちた怪作だった。自分とは次元の違う才能のある人が作った映画はとにかく面白い。初…

映画感想「侍(岡本喜八監督版)」「大菩薩峠(岡本喜八監督版)」「違う惑星の変な恋人」

「侍」 これは傑作だった。原作の五度目の映画化だと言いますが、淡々と進む前半がみるみるスピードを帯びてきた、さらに緊迫感が昂るにつれて演出が冴え渡り、役者陣の演技が鬼気迫って行くクライマックスは恐ろしいほどの仕上がりになっています。しかも、…

映画感想「コット、はじまりの夏」「ブレイキング・ニュース」「エグザイル/絆」

「コット、はじまりの夏」 落ち着いた良質のいい作品でした。荒い画面が終盤につれてシャープな映像に変化して行くさりげない演出が、主人公の少女の心の変化を見事に表すとともに、子供を亡くした夫婦の希望が見えて来るラストがとっても美しく切ない。エン…

映画感想「ゴールデンカムイ」

「ゴールデンカムイ」 期待していなかったのですが、なかなか面白かった。オープニング直後はもたもたとした展開と無駄なスローモーションが目についたけれども、中盤から後半はみるみるスピードが増してきて、クライマックスのソリでのバトルシーンは絶品。…

映画感想「みなに幸あれ」「ヴェスパー」

「みなに幸あれ」 古川琴音が出ているというだけで、なんの期待もなく見に行ったホラーですが、予想を裏切らずにクソホラーでした。下手くそな脚本と、あざといほどにもったいぶるだけの稚拙な演出、何を語りたいのかその行先が見えない展開、意味のないスプ…

映画感想「緑の夜」「レオノールの脳内ヒプナゴジア(半覚醒)」「僕らの世界が交わるまで」

「緑の夜」 クオリティの低い映画ではないのですが、現実と幻想の狭間のような展開とひたすら暗くくどい流れは見ていて、気持ちが沈んでいくだけの感覚に囚われる作品だった。しかし、主人公の現実逃避が生んだ夢幻のような曖昧さが癖になるほどに面白い映画…

映画感想「悪の紋章」「千年女優」

「悪の紋章」 話の風呂敷を広げすぎたという感じの作品で、次々と登場してくる人物が入れ替わり立ち替わり主人公に絡んでいくのだが、そのそれぞれが悲劇の末路へ向かい、肝心の、きっかけになる復讐劇がどこ吹く風で吹っ飛んでしまうクライマックスには失笑…

映画感想「悪魔のシスター」(デジタルリマスター版)「バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト」

「悪魔のシスター」 死ぬまでに見たい映画の一本だったが、ようやく夢の一つが叶った。なるほどと思わせるヒッチコックタッチのカメラワークとバーナード・ハーマンの音楽、そしてマルチスクリーンを使ったカット編集のセンスはさすがにブライアン・デ・パル…

映画感想「サン・セバスチャンへ、ようこそ」「燈火(ネオン)は消えず」

「サン・セバスチャンへ、ようこそ」 いつものウッディ・アレン監督らしい洒落っ気が少し弱い気がして、ちょっとファンとしては物足りなさの残る映画でしたが、散りばめられる名作映画の数々とセリフ、美しい色遣いの画面作りはさすがヴィットリオ・ストラー…

映画感想「アクアマン 失われた王国」「風林火山」「平手造酒(改題縮尺版利根の血しぶき)」

「アクアマン 失われた王国」 勧善懲悪のヒーロー映画の王道を徹底したキレのある演出が今回も際立って、派手なCGもプラスアルファになってめちゃくちゃ面白かった。しかも、人間ドラマもさりげなく丁寧に挿入した演出もさすがというほかありません。前作同…

映画感想「ファニー・ページ」「七つの弾丸」

「ファニー・ページ」 A24特集の一本ですが、ストーリーがいつまで経っても展開していかない作りで、なぜか突然エンディングという珍品映画だった。登場人物それぞれが個性的だが叫んでいるばかりで中身が見えない上に、話の根幹が全然まとまっていないので…

映画感想「最悪な子どもたち」「ロー・タイド」

「最悪な子どもたち」 オーディションで選んだ子供達をそのままに映画を撮影していくというフィクションの中で描いていく作品ですが、カットとカメラの編集で巧みにリズムを生み出していく手腕は見事。問題児たちという前提から綺麗事に発展するありきたりな…