2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧
「モーリタニアン 黒塗りの記録」 これは見応えのあるドラマでした。静かに淡々と進むようで、どんどん真に迫ってくる迫力に圧倒されていきます。過去と現代をスタンダードサイズとワイドサイズの画面で交互に交錯させる作劇のうまさもさることながら、どこ…
「ガメラ対深海怪獣ジグラ」 悪く言えば子供騙しの適当な脚本ですが、手作り特撮の面白さはやはり魅力がありました。監督は湯浅憲明。 20世紀末、人類は月に基地を作り宇宙進出をしている。しかし、ここにジグラ星人が現れる。彼らは海洋生物で、自分たちの…
「ロン 僕のポンコツ・ボット」 もっと普通の映画かと思っていましたが、意外に楽しい映画でした。ストーリー展開がスピーディでテンポいいし、ロンのキャラクターが愛くるしくて可愛い。しかもラストはしんみり感動させてくれました。監督はジャン=フィリ…
「コレクティブ国家の嘘」 腐敗し切った国の体制に一矢報いようとするも結局押し潰されてしまう虚しさになんとも言えない感覚に打ちひしがれると共に、自国もまたあり得るかもしれない、起こっているかもしれないリアリティに寒気がしてしまうドキュメンタリ…
「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」 劇場公開版は72分、海外版は90分、デレクターズカット版は81分という作品。完全に子供向きのストーリーで、過去の作品の場面をつぎはぎして行く前半はそれはそれで楽しめる。敵方のイカ型のバイラスがなんとも可愛い一本です。…
「CUBE一度入ったら、最後」 非常に評判が悪いのでドキドキだったが、なかなか面白かったし、ラストはそれなりに感動してしまった。オリジナル版はもっとシュールな展開ラストだった気がするが、日本版は今風のエピソードを盛り込んだ和風の仕上がりになって…
「ひらいて」 オープニングが面白かったのでそのままテンポよく行くのかと思ったが、だんだん感が表に出てきて、それぞれのキャラクターが浮き上がってこないし、物語の核が見えて来なくなってしまって、ラストはそれでもこう終わりましたという流れ、原作が…
「ONODA一万夜を越えて」 三時間近くあるのに退屈もしないし、普通に引き込まれて普通にラストは感動してしまいました。余計な細工をせずに物語を組み立てたのと映像の演出をしたのが良かったのでしょうか。放出し物とまでは行かないまでも見て良かった映画…
「かそけきサンカヨウ」 見終わってため息が出ます。そんなどこか素敵な青春の、人生のほんのひとときの物語、そのさりげない瑞々しさに心が洗われるような感じがしました。いい映画ですね。それ以上の言葉が見当たりません。監督は今泉力哉。 いつもいる溜…
「ユージュアル・サスペクツ」 二転三転するどんでん返しは面白かったけれど、さすがに映画スレしてしまったのか、真犯人は最初で大体わかってしまったのは自分でも呆れてしまった。監督はブライアン・シンガー。 一人の男キートンが倒れている。足元に火が…
「DUNE デューン砂の惑星」 可もなく不可もなしのSF超大作という感じの出来栄え、原作の大ファンとしてはここまで出来ていれば合格というレベルの映画に仕上がってましたが、主人公ポールのカリスマ的な存在感がもうちょっとしっかり出ていれば良かった。そ…
「キャッシュトラック」 面白い話なのですが、脚本をこね回しすぎたのか、中盤が間延びした感じになった上に、敵と味方が判別しにくくなり、さらに主人公の動機付けがかえって話をさらに混乱させた感じになって、クライマックスの鮮やかさが全部ふっ突んでし…
「劇場版 ルパンの娘」 深田恭子、橋本環奈目当てだけで見に行った。映画版にするのにかなり間延びした脚本になっていたのは残念ですが、まあそれほど期待もしてなかったのでいいとしましょう。監督は武内英樹。 ハプスブルク王冠が盗まれたという事件が起き…
「Our Friend アワー・フレンド」 時間を切り取ったように張り合わせて描いていくので、前半、登場人物がわかりにくかったものの、次第に整理されていく後半は映画を楽しむことができました。実話を元にした切なくて悲しい物語ですが、人生の機微を感じさせ…
「四谷怪談 お岩の亡霊」 正当な鶴屋南北原作の「四谷怪談」という感じで、丁寧な展開と筋が通った恐怖シーンの数々が面白い作品でした。監督は森一生。 主人公民谷伊右衛門とお岩の祝言の場面から映画は始まる。ところが上司田沼意次の失脚から浪人に落ちた…
「草の響き」 これはいい映画でした。東出昌大、主演男優賞ものの名演技。なにげない普通の日常の中に隠れた人生の機微というかドラマが匂い立つように次第に漂って来るクライマックスへの展開が素晴らしい。淡々と進むドラマなのに、いつの間にか複雑な何か…
「プリズナーズ・オブ・ゴーストランド」 趣味の悪いサイケデリックな色彩映像と無駄に仰々しいセット、日本人を馬鹿にしたような遊び感、何でもかんでも言葉にして説明する安っぽい台詞、全く園子温監督の自己満足にしか見えない映画だった。シュールな中に…
「由宇子の天秤」 映画としては傑作でした。ストーリーの構成、深く踏み込んだテーマ、そしてサスペンスのような展開、見事ではありますが、いかんせん 重いし、暗い、希望が見えないラストも辛い。監督は春本雄二郎。 一人の男性がリコーダーを吹いていて、…
「エルミタージュ幻想」 圧巻というか圧倒されるというか、こんな度肝を抜く映画があったことにも驚かされます。物凄い一本でした。監督はアレクサンドル・ソクーロフ 19世紀の衣装を身にまとった人たちが車から降りてきてとある建物へ入っていく。カメラの…
「クリスマス・ウォーズ」 なんともスケールのちっちゃな凡作だった。メル・ギブソン主演というだけできた感じです。もうちょっと面白いかと思ったのに残念。監督はイアン・ネルムス、エショム・ネルムス。 いかにも金持ちの少年ビリーが偉そうに学校へ行く…
「TOVE トーベ」 映画としては普通でしたが、ムーミンの生みの親トーベの物語を知ることができたのは収穫でした。監督はザイダ・バリルート。 主人公トーベが狂ったように踊っている。傍に酔いつぶれた男性、そしてカットは1944年の防空壕、トーベは子供達に…
「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」 なるほど、これは配信ではなく劇場で見ないと真価は見えない作品です。音というものを追求し尽くした物語というか音響効果を徹底して人間ドラマの中に盛り込んだ作品。淀みのない音を聞くこと、濁った音を聞…