くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

●5/10映画感想「ゴッド・ディーバ」「エレファント」

ゴッドディーバ。
エンキビラルのCGによるSF映画。映像作家として映画を作ったという点ではキャシャーンを作った紀里谷監督と比べたくなるが、本作は少しそのイメージが違う。

キャッチフレーズにもうたわれているように、マトリックスブレードランナーのようなSFの世界に哲学を織り込んだ作品なのである。そこにはストーリーもあり、観客を意識する姿勢がある。ややマニアックなところもあるので手放しで誉められないものの、映画として仕上がっている。

エレファント
ひさしぶりにスタンダードサイズの映像を見ました。
スタンダードサイズというのは1:1,33の比率で、別名黄金率と呼ばれ、人間が一番きれいに感じるサイズといわれています。
最近の映画はほとんどがビスタサイズと呼ばれる1:1.85のサイズになっています。その点だけでもこの映画の異色性を示しています。

さて作品ですが、時間と人物紹介を見事に交錯させながら、絶妙なタイミングで一つ一つ時間がすぎてゆく。
延々と長回しするかと思えば、スローモーションを挿入し、カメラワークに変化をもたせ、単調にならないように観客の目を画面に釘づけにする。

全体の色調を黄色にし、さり気なく芸術性を盛り込んでいるのもみごと。通販であっさりと銃が届くシーンは寒気がしてくるような演出である。

思えばガス・ヴァン・サント監督はヒッチコックの名作サイコをほとんど同じ演出で監督しているが、この作品は画家の卵が名画家の作品を模写して勉強するのと同じであったのかも知れません。

今回の作品の完成度はカンヌの受賞が当然のようなすばらしい出来栄えでした。