くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ラ・カリファ」

「ラ・カリファ」

エンニオ・モリコーネ特集で日本初公開。シュールな映画なのか、カットが前後交錯して唐突に切り替わっていくので、ストーリーの流れが掴みづらい上に、人物関係や立場がわからなくて、ひたすら男女の物語を追いかけていくだけに終始した映画でした。人気になる前のロミー・シュナイダーが出ています。監督はアルベルト・ベビラクア。

 

広場で、ストライキで夫が殺され座り込んでいる主人公イレーヌの一人セリフから映画は幕を開ける。そして死体は救急車に搬送され、「グイド」と夫の名を叫ぶイレーヌからタイトル。場面が変わると大勢の労働者が雇用主を責め、ストライキを行って工場を占拠している場面となる。先導しているイレーヌを見下ろす雇用主のドメルドの姿。ドメルドは労働者の中を強引に車で抜けようとしてイレーヌに立ち塞がれる。それでも車が突き進むので、イレーヌは避けた拍子に車に唾を吐き掛ける。しかし、イレーヌのことが気になり出したドメルドはいつのまにかイレーヌとその彼氏のベッドにいきなり入って来て、彼氏を追い出し、女性と寝てしまう。

 

やがてドメルドの広大な所有地の一角にある建物で二人は密会するようになる。イレーヌと会うようになっドメルドは次第に温厚になり、経営者委員会=マフィアの中でも労働者と話し合うべきだと訴え始める。そして自身の工場は再開して稼働させる。ドメルドは労働者らと共同経営すれば良いのではと提案する。そんなドメルドを快く思わないマファアのメンバーは彼を排除することを考えるが、ドメルドが力があるので躊躇していた。

 

ある日、イレーヌとドメルドはベッドで過ごした後、ドメルドは一人部屋を後にするが、突然銃声が聞こえ彼は殺される。そして車に乗せられ、ドメルドの工場の門の前に放置され映画は終わる。

 

こんな話だったかと思います。イレーヌが突然ドメルドの食卓に現れたり、夢でSF的な部屋に閉じ込められたり、ドメルドの妻が女のことを知っているが理解を示したり、ドメルドの共同経営者か何かが彼に訴えてきて一晩家の前に佇んだり、そんなこんなが突然挿入されるので、物語がまとまらないのがなんとも奇妙な映画だった。でもエンニオモリコーネの曲が抜群に美しかった。