大ヒットホラーサスペンスのシリーズ、「ＳＡＷ」の第五作目。
前作、前々作とかなりえぐい殺戮シーンが続いたので、今回はかなり迷いましたが、やはりシリーズとして見ている中では、見るしかないかという一大決心で見に行った。
と、今回はかなり正統派のサスペンスホラーに仕上がっています。
もちろん、生理的に逆なでするような殺戮シーンもないわけではありませんが、第三作、第四作ほど次々と繰り返されない上に、殺戮ゲームのシーンと平行して、今までの殺人の裏舞台、そして、ジグソウとかかわり、さらに彼の協力者たらんとしているらしい刑事を追いつめる捜査官の姿、などを描いていくことで、かなり凝った展開になっています。
そのせいか、目を背けるようなシーンがないわけでもないのに、過去の作品を回想しながら謎を解いていくという妙味も味わうので、殺戮シーンはただのスパイス程度という感覚ですむのが助かりました。
時間を前後させ、さらに、物理的な舞台を次々移すことで、サスペンスの本来の醍醐味を盛り込んだ今回の作品は、第一作にみられた緻密な工夫が伝わってきて、ある意味好感度も感じるホラー作品でした。
そして、最後の最後・・おきまりかもしれませんが、手を打つようなラストシーンが用意されています。このあたりも第一作のおもしろさを正当に受け継いだ展開と結末になっているのは、ここから、新たなるシリーズ（つまりジグソウが死んでのちの）の始まりを暗示するかとうならせましたね。
