2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「ハピネス」 原作の嶽本野ばらのファンタジックで浮世離れした空気感が今一つ物足りなく、時折不可思議な面白さが出るのですが、脇役の配置ミスか、すぐにリアルな現実に引き戻されて平凡なお涙頂戴映画になる瞬間がちょっと目立ちすぎたのが寂しかった。橋…
「ボブ・マーリー ONE LOVE」 丁寧に演出された画面と、一人のミュージシャンをまっすぐに描いた演出がとっても好感な音楽映画でした。散りばめられたボブ・マーリーの音楽がとっても良いし、それを聞いているだけでも値打ちのある作品でした。監督はレイナ…
「碁盤斬り」 少々脚本が荒っぽいが、なかなかの時代劇の傑作でした。様式美にこだわった絵作りが実に美しいし、物語のうねり、人の心の浮き沈みが丁寧に描かれているのがいい。ラストは古き良き時代劇を彷彿とさせるエンディングがとっても心地良かった。監…
「猿の惑星 キンギダム」 もはや猿でなくてもいいんじゃないかという感じのシリーズですが、可もなく不可もない普通の映画でした。凝った展開もなく、シリーズものゆえなんとか次に続く展開は挿入されているものの、本編は極めて平凡で、ドラマの面白さも、…
「パリでかくれんぼ」 初公開時より10分長い完全版。ミュージカル仕立てなのだが、数曲しかダンスシーンはなく、ダンスホールでのソロでのダンスシーンやステージシーンはたくさんあるが、その辺りが中途半端な組み立てになっている。しかも三人の女性の物語…
「バジーノイズ」 ベタな話をベタな演出で描いた普通の映画で、心のうねりが全く見えてこないのは役者の力不足か演出力のなさか、なんとも伝わってこない映画でした。監督は風間太樹。 スマフォで音を取る主人公清澄の姿から映画は幕を開ける。自宅のアパー…
「不死身ラヴァーズ」 シンプルで爽やかな青春ラブストーリーの佳作という感じの映画だった。とにかく、ファンタジックなロケーションとどこかシュールででもどこか心に思い当たるような一瞬を感じさせてくれるからいい。推しの見上愛の元気一杯の演技がとっ…
「青春18×2 君へと続く道」 一級品の出来栄えではないけれど、清原果耶の実力を目の当たりにするキュンキュンのラブストーリーでした。岩井俊二の「LOVE LETTER」をキーワードにしているだけあって、あちこちにそれらしいシーンがあるけれど、シンプルで、や…
「水深ゼロメートルから」 高校演劇の映画化なのですが空間を広げすぎた演出が、女子高生の細かい心の機微を表現する原作の意図を散漫にしてしまった気がします。決して悪い作品ではないし、不思議な感動を見せてくれるように思えるのですが、砂だらけのプー…
「裸の町」 機関銃のような台詞回しからコメディのように始まる映画なのですが、みるみる悲惨な状況に物語が転がっていく様がなんとも破綻したような映画。それでも決して駄作に仕上がっていないところはさすがと言えば流石なのは、登場人物が隅から隅まで名…
「システム・クラッシャー」 面白い作りを予感させるオープニングだったが、同じシーンの繰り返しと登場人物の立ち位置が見えないなんともまとまりのない脚本が勿体無い映画だった。結局、大人が悪いのか、母親が悪いのか、主人公の少女が異常なのかその拠り…
「人間の境界」 緊張感と悲壮感が全編を多い尽くす力作。圧倒的な映像表現で2時間半余り全く気を抜くことなく見入ってしまうが、描かれる物語はあまりにも厳しすぎて、こういう現実があることに打ちのめされてしまいます。監督はアグニエシュカ・ホランド。 …
「ピクニックatハンギング・ロック」 どこか同性愛的な危険な香りが漂うファンタジックミステリーという感じの作品で、抑えた色調の絵作りと、多重露出による重ねた映像、緩やかなカメラワーク、それぞれの人間関係の微妙な色合いが不思議な作品に仕上がった…
「霧の淵」 素朴にシンプルにそしてシュールに展開する奈良県山奥の過疎の村の一瞬の時間を切り取った作品という感じです、過去と現代が交錯して現実と幻想が映像に映し出される。なんともいえない映画だった。監督は村瀬大智。 一軒の旅館の一室、主人らし…
「恋化粧」 丁寧に書き込まれた脚本ですが、イライラするほどの恋愛メロドラマという感じでした。当時の観客はどんな物語でもスターを見るために映画館に通い詰めたのでしょう。そんな当時の空気が感じられるノスタルジー満載の娯楽映画だった。監督は本多猪…