2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「マッドマックス:フュリオサ」 正面だけでなく、左右の壁にもスクリーンがあるスクリーンXというシステムがある109シネマ箕面まで見に行きました。めちゃくちゃ楽しかった。正面で展開するドラマの左右に広がる乾いた荒野、その中で展開する近未来の復讐劇…
「パリ、テキサス」 十年ぶりの再見でしたが、やはり名作ですね。赤、黄、青の配色を徹底した画面が実に美しいし、配役もナスターシャ・キンスキー以外考えられない。それくらい何もかもが唯一無二の奇跡のような映画だった。監督はヴィム・ヴェンダース。 …
「三日月とネコ」 もっと薄っぺらな癒し系の映画かと思っていたら、中盤からあと、どんどん色々考えさせられるほどに深みが加わってくる展開で、いつのまにか、自身を見つめ直している自分を感じてしまいました。映像的な面白さはないのですが、淡々と語られ…
「好人好日」 たわいのないホームドラマなのですが、これだけの芸達者が軽快なテンポでセリフを応酬していくととにかく楽しい。シーンやエピソードの組み立てもコミカルで心地よく、終始笑いが絶えない場内はまさに映画全盛期の日本に放り込まれたかのような…
「バティモン5 望まれざる者」 移民が正義でフランス人側が悪であるのではなく公平な視点で徹底的に描かれた見事なドラマで、所々に挿入される事件のエピソードが娯楽生を生み出して観客を飽きさせない作劇のうまさもあるなかなかの秀作。ただ、テーマは実に…
「関心領域」 固唾を飲んで最初から最後までのめり込んでしまうほどの恐ろしい映画だった。物語の恐怖だけではなくて、映画の作りの恐ろしさも兼ねる。画面に何が映っているのか、何を写しているのか、セリフに散りばめられたものは何か、それを一つ一つ確認…
「喜劇駅前弁当」 楽しい映画だった。たわいないお話なのですが、芸達者な喜劇陣の巧みな、しかも機関銃のようなアドリブ演技の応酬から、大物俳優をすっと挿入してラストを締めくくる組み立ての妙味が絶妙。日本映画黄金期の娯楽映画とはいえ、見終わって面…
「瞼の転校生」 何気ない話なのに、とってもテンポが良くて、しかも登場人物みんな気持ちがいいほどに素直で良い人。目の演技が、子役に至るまで素晴らしくて、決してシーンごとにだれることがない。友達に勧められなければ見にいっていない一本だったので、…
「ハピネス」 原作の嶽本野ばらのファンタジックで浮世離れした空気感が今一つ物足りなく、時折不可思議な面白さが出るのですが、脇役の配置ミスか、すぐにリアルな現実に引き戻されて平凡なお涙頂戴映画になる瞬間がちょっと目立ちすぎたのが寂しかった。橋…
「ボブ・マーリー ONE LOVE」 丁寧に演出された画面と、一人のミュージシャンをまっすぐに描いた演出がとっても好感な音楽映画でした。散りばめられたボブ・マーリーの音楽がとっても良いし、それを聞いているだけでも値打ちのある作品でした。監督はレイナ…
「碁盤斬り」 少々脚本が荒っぽいが、なかなかの時代劇の傑作でした。様式美にこだわった絵作りが実に美しいし、物語のうねり、人の心の浮き沈みが丁寧に描かれているのがいい。ラストは古き良き時代劇を彷彿とさせるエンディングがとっても心地良かった。監…
「猿の惑星 キンギダム」 もはや猿でなくてもいいんじゃないかという感じのシリーズですが、可もなく不可もない普通の映画でした。凝った展開もなく、シリーズものゆえなんとか次に続く展開は挿入されているものの、本編は極めて平凡で、ドラマの面白さも、…
「パリでかくれんぼ」 初公開時より10分長い完全版。ミュージカル仕立てなのだが、数曲しかダンスシーンはなく、ダンスホールでのソロでのダンスシーンやステージシーンはたくさんあるが、その辺りが中途半端な組み立てになっている。しかも三人の女性の物語…
「バジーノイズ」 ベタな話をベタな演出で描いた普通の映画で、心のうねりが全く見えてこないのは役者の力不足か演出力のなさか、なんとも伝わってこない映画でした。監督は風間太樹。 スマフォで音を取る主人公清澄の姿から映画は幕を開ける。自宅のアパー…
「不死身ラヴァーズ」 シンプルで爽やかな青春ラブストーリーの佳作という感じの映画だった。とにかく、ファンタジックなロケーションとどこかシュールででもどこか心に思い当たるような一瞬を感じさせてくれるからいい。推しの見上愛の元気一杯の演技がとっ…
「青春18×2 君へと続く道」 一級品の出来栄えではないけれど、清原果耶の実力を目の当たりにするキュンキュンのラブストーリーでした。岩井俊二の「LOVE LETTER」をキーワードにしているだけあって、あちこちにそれらしいシーンがあるけれど、シンプルで、や…
「水深ゼロメートルから」 高校演劇の映画化なのですが空間を広げすぎた演出が、女子高生の細かい心の機微を表現する原作の意図を散漫にしてしまった気がします。決して悪い作品ではないし、不思議な感動を見せてくれるように思えるのですが、砂だらけのプー…
「裸の町」 機関銃のような台詞回しからコメディのように始まる映画なのですが、みるみる悲惨な状況に物語が転がっていく様がなんとも破綻したような映画。それでも決して駄作に仕上がっていないところはさすがと言えば流石なのは、登場人物が隅から隅まで名…
「システム・クラッシャー」 面白い作りを予感させるオープニングだったが、同じシーンの繰り返しと登場人物の立ち位置が見えないなんともまとまりのない脚本が勿体無い映画だった。結局、大人が悪いのか、母親が悪いのか、主人公の少女が異常なのかその拠り…
「人間の境界」 緊張感と悲壮感が全編を多い尽くす力作。圧倒的な映像表現で2時間半余り全く気を抜くことなく見入ってしまうが、描かれる物語はあまりにも厳しすぎて、こういう現実があることに打ちのめされてしまいます。監督はアグニエシュカ・ホランド。 …
「ピクニックatハンギング・ロック」 どこか同性愛的な危険な香りが漂うファンタジックミステリーという感じの作品で、抑えた色調の絵作りと、多重露出による重ねた映像、緩やかなカメラワーク、それぞれの人間関係の微妙な色合いが不思議な作品に仕上がった…
「霧の淵」 素朴にシンプルにそしてシュールに展開する奈良県山奥の過疎の村の一瞬の時間を切り取った作品という感じです、過去と現代が交錯して現実と幻想が映像に映し出される。なんともいえない映画だった。監督は村瀬大智。 一軒の旅館の一室、主人らし…
「恋化粧」 丁寧に書き込まれた脚本ですが、イライラするほどの恋愛メロドラマという感じでした。当時の観客はどんな物語でもスターを見るために映画館に通い詰めたのでしょう。そんな当時の空気が感じられるノスタルジー満載の娯楽映画だった。監督は本多猪…