くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「四月は君の嘘」「青空エール」

kurawan2016-09-15

四月は君の嘘
こういう人生も世界のどこかにあるんじゃないかな?そんな思いで見てしまう青春胸キュンラブストーーリー。映画の出来栄えは全くの凡作ですが、最後まで飽きずに見られるのは広瀬すずの存在感ゆえか。でも今回の彼女の存在も今ひとつだったし、脇に入った石井杏奈などの脇役が非常に弱いので、映画が膨らまなかった。監督は新城殻彦である。

春の桜の場面から映画が始まる。母親の死でピアノが弾けなくなった天才少年有馬公正は幼馴染の椿らと仲良しだった。ある日、椿が、友達の亮太が好きだという宮園かをりの仲を取り持とうとして偶然、公正とかをりが知り合う。
かをりのバイオリンのコンクールに行った椿たちはすっかりかをりのバイオリンに引き込まれる。

そして、一次選考を通ったかをりは二次選考に、伴奏を公正を指名する。こうして青春ストーリーが展開する。

しかしコンクールの場にかをりは現れない。実は彼女は幼い頃から病気で、入退院を繰り返していて、この日、突然倒れたのである。

こうしてかをりの隠された物語が描かれる一方で、公正が次第に立ち直り、ピアノを再開していく姿が描かれる。ところが、前半のかをりの物語が途中から公正の物語に流れ、さらに椿たちの物語へと枝分かれしてしまうにあたり、ストーリーが分散してしまう。

結局、ピアノを再開した公正がコンクールに出た日、かをりは最後をかけた手術を受けるが、結局、彼女は死んでしまう。

この辺りでは、もうかをりの話から外れ、公正ら三人の話になって締めくくる。最後にかをりからの手紙を読む感動のシーンはあるが、どこかラストの処理を間違えている気がするのです。手術のシーンということは、奇跡の成功というのが常道の気がするのですがね。とは言っても、広瀬すずの存在感で最後まで見ることもできたからいいとしよう。


青空エール
こちらも連続して青春ラブストーリーだが、こっちはかなり平凡な流れ。しかも土屋太鳳が主演で、贔屓の女優もいないので、今日まで躊躇していた映画でした。監督は三木孝浩です。

初登校の春、主人公つばさはいつもうつむいて内気な少女。教室で言葉もほとんど発せられないが、なぜか吹奏楽部に入部希望する。この高校の吹奏楽部は名門。ゆえに冷たい視線が彼女を襲う。よくある展開。クラスメートに山田という野球部入部予定の男子がいる。ふとしたことで言葉を交わし、お互い、甲子園を目指そうと約束をして本編が始まる。

一年の時はそれぞれが挫折を味わい、そして三年が物語のクライマックスとなる。

あとは、甲子園出場を決める決勝戦直前に怪我をする山田、その彼を励ますために奮闘するつばさを中心にエピソードが綴られるが、やはりこちらも脇役が甘いので、お話が非常に薄っぺらくなっている。しかも土屋太鳳に広瀬すずほどの迫力がないため完全に埋もれた感じ。

ラストは、決勝戦のシーンで、見事逆転勝利で甲子園を決めてエンディング。ラストが見える展開はちょっと脚本としてどうだろうかと思いますが、これもまたオーソドックスな青春ラブストーリーで、眠くもならずに見ることができた。