「結婚」
たわいのない映画ですが、原作がそれなりに面白いのでしょう、話としては楽しめる一本でした。ただ、絵作りが非常に薄っぺらくて深みがない上に、キスシーンが汚いのが気になりました。監督は西谷真一です。
夕焼けの海辺で一人の男が海に向かって歌を歌っている。主人公の古海で、彼は今日も一人の女を騙して結婚詐欺を行なっていた。
と言うオープニングですが、絵作りの薄っぺらさがなんとも気にかかる。色彩感性が良くないのか、妙にバランスが悪いのである。撮影担当が悪いのかもしれない。
古海は幼い頃に母親に殺されかけ施設で育った。結婚はしているが、結婚詐欺を繰り返して生活をしている。相棒のるり子はかつてターゲットだったが、いざ金をもらう時に真相を暴かれ、その時、警察に行くか私を相棒にするかとなって相棒にしたのだ。
るり子が見つけたターゲットだったがに古海が近づき、わずかな金を手に入れて姿を消す。妻もターゲットだったが、結婚をしてしまった。
しかし、何かおかしいと気がつくのが中盤以降。かつての被害者が古海を調べさせ、彼を捕まえようと画策を始める。そして、今古海に狙われている女がどうやって騙されるのかを見ようとする。この展開は確かに面白いし、実は古海の妻は実在していないとわかってくる。大金持ちの女が登場し、話は展開して行くのですが、この辺りをもっと面白く脚本にすればもっと楽しい作品になったろうに、脚本家の力不足というイメージですね。
結局、金持ち女の道楽に付き合って世界一周に出かけるところにかつての女たちがやってきて、そこで古海は海に飛び込む。
そのまま、彼は見つからず、金持ちの女は船旅へ、騙された女は元の生活になる。
古海はどこかの遠浅の陸で目が覚め、歩き去ってエンディング。
とまぁ、その程度の映画でした。