「先生と迷い猫」
山間の静かな町で繰り広げられた、そこに住み人々のさりげない心の交流と一人の老人の孤独感を描いた作品で、特に派手な展開はないのですが、イッセー尾形の個性で引っ張っていく癒しの作品でした。監督は深川栄洋です。
妻が亡くなり、一人生活をする元校長、いつも家に遊びに来るミイという野良猫がいる。その猫は、生前の妻が可愛がっていたので、来るたびに妻を思い出すからと邪険に扱う。
その猫は、バス停では女子高生に別の名前で呼ばれ、美容院ではまた別の名前、駄菓子屋でも別の名前で呼ばれて、可愛がられていた。
ある日、最近この猫がこないことに気がついた雑貨屋の娘が探しているのを校長先生が出会い、そういえばと校長先生も探し始め、この猫を知る町の人たちが探し始める。
そして、深夜まで探し、結局見つからず、一人自宅に帰った校長先生が玄関先で、妻を思い出しながらうなだれる場面で暗転エンディング。果たして、校長先生は、あのまま死んでしまったのか？そんな余韻も漂わせるラストシーンがとにかく切ない。最愛の妻を亡くした悲しさが一気に画面に表現されるのである。
ただ、前半のイッセー尾形の演技がややくどい気がするのは私だけでしょうか？つまらない映画ではなかったけrど、何か一つ物足りなさ、伝わるものが足りないようにおもえるえいがでした。
「カンフー・ジャングル」
いやぁ、やっぱり面白いね。ドニー・イェンのカンフー映画は。とにかく、有無を言わせず強いから爽快。話はともかく、あの重量感のある拳と蹴りは、惚れ惚れしてしまいます。監督は「孫文の義士団」のテディ・チャンです。
一人の血みどろの男ハーハウが出頭してくるところから映画が始まる。彼は警察の武術指導だが、武術の戦いで人殺しをしたので、出頭してきたのだ。タイトルバックで5年の刑と説明され、時は三年が経つ。
ハイウェイで殺人があり、調べてみると、武術の達人マック。刑務所でニュースを聞いたハーハウは、警察に協力できるから、釈放してくれと言うが、受け入れられず、大暴れして、殺人担当のロク刑事と面談する。武術の教え通り順番に達人が狙われているとハーハウは説明、警察と行動を共にする。
浮かび上がってきたのは、足の長さが違うが、鍛錬で武芸を極めたフォン。
こうして犯人と警察の追っかけが物語の本編ですが、このフォンが次々と達人を倒す下りはなかなかの迫力。そしてクライマックス、ハーハウとのハイウェイでの格闘シーンへ続く。
走り来るトラックなどをすり抜けながらの格闘シーンが、車の迫るスリリングさに、カンフーアクションの豪快さが重なって、かなり面白いです。まぁ、ドニー・イェンが負けるわけないので、ハッピーエンドなのですが、十分楽しめるカンフーアクションでした。面白かった。
エンドクレジットで、香港アクション映画に関わる人や、この作品に出た俳優さんの写真が出てきますが、さすがにほとんどわからなかった。
