くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ヴェルサイユの宮廷庭師」「恋人まで1%」

kurawan2015-10-15

ヴェルサイユの宮廷庭師」
正直、普通の映画だったかな。これという見所もないし、主演のケイト・ウィンスレットもかつての魅力がない。展開も、ありきたりだったという感じの映画でした。監督は、助演でもあるアラン・リックマンです。

映画は地平線の向こうに巨大な植木が運ばれる場面から、穴の底からその植木を見上げるショットに始まります、ちょっとしたアングルなのですが、それほどのインパクトはない。

物語はルイ14世の治世、ヴェルサイユ宮殿の大増築にかかる庭園の整備をすることになり、稀代の造園家アンドレ・ル・ノートルがその仕事に着手する。しかし、その広大な敷地は彼一人では難しく、共同で造園に参加する庭園建築家を募ることに。そして、その面接で、選ばれた一人がサビーヌ・ド・バラ。秩序の中に混沌を盛り込むという彼女の自由な感性に惹かれたル ・ノートルは彼女を選び庭園の一角の舞踏の間の建築を任せる。しかし、いつしか二人は心が惹かれあい、クライマックスへ。とまぁ、よくある話である。

壮麗な宮殿の一角の話だが、壮麗さは画面から伝わってこず、ほとんど、泥まみれの建築現場が中心、時に宮殿内が舞台となっても、それほどの絢爛たる描写はなされない。結果、作品が非常にこじんまりとした話に収まってしまった感じで、サビーヌの仕事を妬む人たちの妨害もありきたりで、ル ・ノートルとの恋も物語を盛り上げ切らない。

よくある話のようある展開で終始してしまったのは残念。よく知る話の裏話としての面白さをもっと強調するべきだった気がします。


「恋人まで1%」
もうちょっとハートフルなラブストーリーかと思ったのですが、本当に薄っぺらい脚本で仕上げた、質の悪いアメリカ映画という感じの一本でした。監督はトム・ゴーミカンです。

ジェイソン、ダニエル、マイキーは親友同士、いつもバーやカフェで女の子を引っ掛けては遊びのSEXを繰り返す気楽な日々を送っている。唯一マイキーは結婚していたが、離婚の危機に瀕している。しかし、そんなダニエルとジェイソンも、心のどこかに隙間を感じ始め、軽い交際に疑問を感じ始めている。

という展開で、ストーリーの中心で登場する女性との物語が、三人それぞれに繰り返される。しかし、まず舞台となる彼らの存在の説明が皆無で、どれもセリフだけで適当に説明するので、物語が地に着かないのである。

しかも、三人のSEXネタの繰り返しにリズムがなく、ただ、バタバタと物語が進むだけ。

結局、それとなく鞘に納まるラストシーンでエンディング。言いたいことはわかるが、とにかく脚本が弱い。映画が薄っぺらく、演出もこれというものもないので、見ていて退屈になってしまいます。アメリカではヒットしたと言いますが、悪いタイプのアメリカ映画という感じの一本でした。