くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」「アーリーマン ダグと仲

kurawan2018-07-10

バトル・オブ・ザ・セクシーズ
まず時は1973年であることをしっかり心に刻む。その上でこの映画を見ると、かなり細かいところまで仕上げられた秀作だと思います。男女間の性差別は社会的な地位のみならず恋愛においてもはっきりとそして露骨に存在していた。その全てが見事に盛り込まれています。一見、女子テニスの地位向上に貢献したビリー・ジーンの物語であるかに見えるが、隅々まで練られた脚本が素晴らしい。監督はジョナサン・デイトン&バレリー・ファリス。

全米女子テニスのトップに君臨するビリー・ジーン・キングの優勝の場面から映画が始まる。しかし彼女は女子テニスの賞金が男子テニスのそれと極端に低いことを訴える。そして、自ら女子テニス協会を作るが、全米テニス協会のジャックは、ビリー・ジーンをテニス協会から追放する。

一方ここにかつてのトッププレイヤーでギャンブル依存症のボビーがいた。彼はパフォーマンスとして男代表となってビリー・ジーンに試合を申し込む。しかし、ビリー・ジーンは拒否。そんな時ビリー・ジーンは美容室で知り合ったマリリンと関係を持つ。

当時はレズビアンへの理解も全くない時代、かなりの危険を冒しての関係が始まる。この様子をさりげなくキャッチするスタイリストの男性の存在が実にうまく処理されている。彼もまたゲイであるようだが時代が許さないことは知っている。彼のさりげない一言が当時の世相を見事に表現していく。

やがて、マリリンとの関係もあり、不安定になったビリー・ジーンはコート夫人に惨敗し、ボビーはコート夫人と試合をするが、圧倒的な差でボビーが勝ってしまう。それを見たビリー・ジーンはマリリンとの関係もたち、ボビーを倒すために挑戦する。

そして運命の試合の日、完全に油断していたボビーは次第にビリー・ジーンに圧倒され、本気になるもとうとう負けてしまう。

物語の展開は見えているものの、単に女子テニスの地位向上に貢献したテニスプレイヤーの美談のせず、当時の世相を描写して、奥の深いメッセージを描き切った点で素晴らしい出来栄えになっています。しっかり作られた作品とはこういうのをいうのですね。


「アーリー・マン ダグと仲間のキックオフ!」
ストップモーションアニメが結構好きなので見にいきましたが、作品の仕上がり自体はたわいのない普通の映画でした。

時は太古の昔、隕石が落ちてきて恐竜が滅ぶ。残った原始人が落ちてきた隕石をサッカーボールのように遊び始めて物語が始まる。

やがて時が経ち、主人公ダグたち石器人の生活が映し出される。そこへ青銅器を使う民族がダグたちの谷を征服。ダグは青銅器人たちがしているスポーツを見て、これに勝ったら谷を返せと提案。そのスポーツこそサッカーだった。

あとは流れは見えていて、結局、ミラクルにダグたちが勝って大団円。もう少し、サッカーシーンに一工夫あったら面白かったような気がしますがその辺りは平凡だったのが残念。まぁ気楽に見るにはこれでいいのかもしれません。