くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「海の上のピアニスト」(4Kデジタルリマスター版)「ブックスマート 卒業前夜のパーティデビュー」

海の上のピアニスト

20年ぶりか、やはり美しい映画でした。全編がファンタジー、全編が寓話の世界、それでいて何か感じさせるものがある。名作という名の通りの映画ですね。監督はジュゼッペ・トルナトーレ

 

一人のトランペット奏者マックスが、暗がりの石段に座っている。生活のため、そして久しく触れることもなくなったトランペットを古楽器店に持ち込むところから映画は始まる。いったん売ったもののもう一度吹きたくなり、最後に一度と店先でトランペットを吹くマックス。その曲を聞いて店の主人が一枚の貼り合わせたレコードをかける。引き取ったピアノから出てきた原盤を張り合わせたのだという。そして演奏しているピアニストを教えて欲しいとマックスに頼み、マックスはかつて船の中で生まれ育った一人の男ナインティーハンドレッドの物語を語り始める。

 

グランビア号は、ヨーロッパからアメリカを往復する豪華客船だった。この日も金持ちのパーティの後何か落とし物はないかと床を探す石炭焚きの男ダニーはピアノの上に捨てられた赤ん坊を発見する。ダニーはその赤ん坊にナインティーハンドレッドと名付けて育てることになるが、ナインティーハンドレッドが7歳の時、船内の事故でダニーは死んでしまう。

 

ある夜、一等船室に忍び込み、金持ちたちのパーティをのぞいていたナインティーハンドレッドは、そこでピアノを目にする。まもなくして彼はいきなりピアノを見事に弾き始め、ナインティーハンドレッドは、パーティ会場で即興演奏で有名になっていく。そんなバンドに無理やり雇ってもらったマイクは、船酔いに苦しむ夜、ナインティーハンドレッドにピアノの横に座らされ、船の揺れに合わせてピアノと一緒に床を走り回る。まさにファンタジーシーンの名シーンである。

 

こうしてトランペット奏者マックスはナインティーハンドレッドと親しくなり、何かにつけ、話をするようになる。時は現代、長らく病院船で朽ちかけてきたグランビア号は、この日爆破して沈められる予定になっていた。それを聞いたマックスは、中にナインティーハンドレッドがいるはずだからともう一度調べてくれと迫る。

 

映画は、グランビア号が航海を繰り返していた華やかな時代、ナインティーハンドレッドとジャズの名手との演奏合戦などを交え、マックスがボロ船になったグランビア号の中にるはずのナインティーハンドレッドを探す展開とが交互に描かれていく。そして、古楽器店にあったレコードの原盤が作られる下へと進む。

 

ナインティーハンドレッドの才能を認めた音楽プロデューサーが船内でレコーディングをしようとする。ナインティーハンドレッドは窓から一人の女性を認め、彼女への思いを曲にしていく。そして彼女にレコードを渡そうとするが果たせず、ただ、彼女は住所だけを伝える。

 

何度かの航海ののち、アメリカで船を降りる決心をするナインティーハンドレッドだが、タラップを降りる途中で引き返す。現代、マックスは船内に隠れているはずのナインティーハンドレッドを呼び出すために、レコードと蓄音器を持って船内に入り、船内で流す。そして諦めかけた時、ナインティーハンドレッドがマックスの前現れ、自分はこの船とともに消えると伝える。船は爆破され、マックスは古楽器店を出ようとすると店主がマックスにトランペットを返す。

 

やはり名作ですね。映像がとっても綺麗だし、物語は寓話だし、しみじみと胸に感動を呼び起こすストーリーに酔ってしまいますね。良い映画です。

 

「ブックスマート 卒業前夜のパーティデビュー」

面白い?のだろうか。冒頭から完全に映画のリズムに乗ってこないし、カット割りも稚拙で、都度都度せっかくの流れをぶち壊してるようにしか見えなかった。平凡な青春おセンチ映画?にしか見えなかった私の感性がズレているのだろうかと思う映画でした。監督はオリビア・ワイルド。

 

優等生で勉強一筋だったモリーと親友で運動家のエイミーは大の仲良しで、卒業式を明日に控えたこの日も二人で学校へ向かう。しかし、モリーはたまたまトイレで、クラスメートが自分の悪口を言っている上に遊びまわっていたはずの彼らも自分と同等の大学に進むなどを聞くにつけ、バカバカしくなったモリーは、エミリーと今夜、憧れているニックのパーティーに行き、高校生活が勉強だけで終わらせないようにしようと誓う。しかしニックがパーティしようと思っているニックの叔母さんの場所がわからず、その情報を探すために最初に絡んだのが金持ちのクラスメート。しかし彼のパーティには誰もいず、ジジといういかれた彼女だけだった。

 

物語はモリーとエミリーがニックのパーティ会場を探す下りを、コミカルに描き、終盤、ニックのパーティ会場へ到着、モリーは憧れのニックに接近しようとするし、同性愛者のエミリーは気になっているライアンに近づこうとするが、なんとニックとライアンがキスしている場面を目撃。モリーは先に逃げ出し、エミリーはたまたま知り合ったホープが同じ性癖だったことからいい感じになっていたが、気分が悪くなったエミリーはホープに吐いてしまう。そんなパーティ会場へ警察が踏み込み、エミリーは自分をオトリにして他のメンバーを助ける。

 

卒業式の日、留置所にいるエミリーにモリーが接見し、うまく取引して卒業式会場へ。そして無事、式も終わり、モリーは一年間アフリカに行くエミリーを送っていく。ホープもパーティの時のエミリーとのことも気にせずいい感じになって別れる。こうして映画は終わるのですが、どこかリズムがあってこないので、下ネタギャグシーンもほとんど笑えないし、ラストの切ないシーンもどうも引き込まれず、宣伝映像だけが見せ場だったのかと思えるような感想になりました。