「ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争」
うとうとしかけたところでエンディングというなんとも言えない作品。映画なのか、ただのメッセージなのか、見ましたというだけの映画だった。監督はジャン=リュック・ゴダール、遺作短編映画である。
奇妙な戦争という映画の予告編というテロップから、切り貼りの映像が次々と映し出され、ゴダールによるナレーションらしきものやセリフらしきものが流れ、ロシア語のことやサラエボがどうの、などなどが延々と聞こえてくる。一瞬映画らしい映像が出るがすぐに消えて、あとはひたすら切り貼りの画面で、気がつくとエンディング。
まさにゴダールの最後に語りかける遺言というべきわけのわからない映画でした。
「ザ・フェイス」
久しぶりのインド映画。例によって、やたら多いスローモーションと、仰々しい音楽の連続、間延びした展開はしんどいが、ダンスシーンだけは毎回楽しめるから今回も良かったとしよう。二つの話が一つになるまでがやたら長く、結局後半の話がメインになって、前半の話はどうでも良くなり、エンディングは呆気にとられるが、これがインド映画だと納得してしまった。監督はバムシー・パイディパッリ。
バイザーグの街、地元のヤクザのドンヴィール・バーイがディープティという女に目をつけ強引に結婚しようと実家にやってくる。両親は必死で娘を隠し、娘の恋人サティヤと逃す。サティヤとディープティはバスに乗ってハイダラーバードへ脱出するが、ヴィール・バーイはそのバスを待ち伏せて大勢で襲い掛かり、ディープティを殺し、サティヤも亡きものにしてバスに火をつけてしまう。翌日、救出に来た救急隊が僅かに息があるサティヤを病院へ担ぎ込む。現れたいかにも優秀な女医師シャイラジャは顔に大火傷を負ったサティヤに整形して別の顔に生まれ変わらせる。
全く違う顔になったサティヤは、ラームと名乗って病院を抜け出し復讐のためにバイザーグの街に戻ってくる。そして、自分たちを襲ったヴィール・バーイの手下らをシュルティという女性の助けを借りて順番に殺していく。そして最後にヴィール・バーイを倒したラームだが、突然見知らぬ男に銃撃される。自分のことをチャランと呼ぶのを聞いたラームは、整形後の顔に意味があるとハイダラーバードの病院へ行き、シャイラジャに真相を聞き出す。
シャイラジャはサティヤを自分の息子チャランの顔に整形したことを話す。ハイダラーバードの街にはマフィアのボスダルマがいて、住民たちを恐怖で支配し巨大な土地を無理やり手に入れようとしていた。それに対抗したのが、正義感に燃える大学生のチャランだった。やがて彼の行動は住民を動かし、チャランの元で住民はダルマたちに反抗するようになる。ダルマはチャランを亡き者にしようと、チャランが乗り込んだバスを襲う計画を立てる。なんとそのバスこそサティヤらが乗ったバスだった。
サティヤらの騒動に巻き込まれ、さらにダルマが送った殺し屋たちとの死闘の末、友人の裏切りもあってチャランは命を落とす。リーダーを失ったハイダラーバードの住民達は落胆するが、勇気は捨てていなかった。そんな中、シャイラジャが施した手術で、チャランが助かったと思ったダルマたちは恐怖に慄く。全てを知ったサティヤはチャランとなり、住民たちを率いてダルマの邸宅を襲い、ダルマを倒し平和を取り戻す。チャランには恋人のマンジュがいた。シャイラジャの機転で逃がしていたが、マンジュを、いまはチャランになったサティヤが迎えに行って映画は終わる。
前半と後半が一つのなるまでがため息が出るほど長いのですが、後から整理してみれば単純な映画だった。久しぶりにインドダンスが見れたのでよしとします。