くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「英国総督 最後の家」「リグレッション」「ブレス しあわせ

kurawan2018-09-17

英国総督 最後の家
歴史的な知識を見たくて見に行った映画で、作品自体は普通の映画でした。監督はグリンダ・チャーダ

英国がインドを手放すことを決めた1947年、最後の総督としてマウントバッテン卿がインドにやってくる。しかし、インドでは多数派のヒンドゥ教徒とムスリムが対立したままだった。

インド一国の独立を望むガンディらは、断固分離独立に反対するが、各地で暴動が起こり、収拾のつかなくなった英国は、マウントバッテン卿の提案によりパキスタンとインドという二つの国で独立させる計画をする。

物語はその史実を中心に、総督府で働くジートとアーリアの恋物語を絡め、二人が別々の国に別れてしまう悲劇から、ラストの奇跡の再会、そして二つの国のその後の復興の姿で映画が終わる。

インドの独立の話を語るのみの感じの作品で、その真っ只中にいた女性の孫が監督というだけあって、それ以上の映画としての見所はないが、見る価値はある1本だったと思います。


リグレッション
エマ・ワトソンが出ているというだけで見に行った映画ですが、サスペンスなのですが前半は地味なので、正直しんどかった。終盤の真相が明らかになるくだりはそれなりに見れるものの、そこまでが暗すぎて、完全に疲れ切ってしまった。監督はアレハンドロ・アベナーバル。

1980年代、ある時、一人の少女アンジェラが父親から性的虐待を受け、教会で保護されているという連絡が警察にあり、ケナー刑事が捜査を始める。そして父親のジョンを逮捕し、心理学者とともに彼に退行催眠を施して、なぜそんな行為に及んだかを探り始める。

そこに見えてきたのは、悪魔崇拝者による儀式で、どうやらこの街にはそういう人々が暗躍していることが見えてくる。さらに、父親が直接虐待したのではなく、その儀式に娘を生贄にしたこと、ことを起こしたのが警察の同僚であることも見えてくる。

捜査が進むにつれ、ケナー刑事の周りにも不気味な存在が見え隠れし始め、さらに、彼自身も追い詰められる中、悪夢を見るようになっていく。

無言電話、悪魔儀式の夢、フードを被った人物、次第に精神的にもギリギリの状態になったある時、何かおかしいことに気がつき始める。夢に出てきた不気味な老婆は、街に飾られた看板の婦人で架空の人物であること、さらに、全ては妄想や周辺の人々の疑心暗鬼が生み出した想像であることに気がつく。

そして、真犯人こそ、アンジェラ本人で、家族を憎悪するあまり茶番劇をでっち上げたのだが、どんどんエスカレートしていったことがわかる。

退行催眠が作り出す非現実な過去、疑心暗鬼が生み出す集団ヒステリーのような状態。全てを知ったケナーは父親にそのことを話すが、彼は、娘の悪意を黙っておくことを選ぶ。
今日もアンジェラはマスコミの前で悪魔崇拝者の犠牲になった自分について語っていた。

なるほどというどんでん返しなのですが、どこかインパクトが弱く、全体にメリハリがないためにラストも引き立っていないのが勿体無い1本でした。


ブレス しあわせの呼吸
若き日にポリオにかかった主人公の果敢に生きた半生を描いた実話に基づくもので、これという映画ではありませんでしたが、良質の作品でした。監督はアンディ・サーキス

青春を謳歌し、美しい妻ダイアナと結婚したロビンは順風満帆な人生を送るかに思われたが、ある時ポリオで病院に緊急搬送され、首から下が麻痺して人工呼吸器がなければ生きていけない体になってしまう。

医師から数週間の命だろうと言われたが、声を出すまでに回復する。ダイアナは、なんとかロビンの希望通りの人生を送らせようと、自宅に連れ帰る決断をし、人工呼吸器とともに家に帰る。さらに、ロビンのアイデアで、友達に車椅子に機械をつけたものを作ってもらい外出もできるようになる。

この車は次第に改良が加えられ、とうとうスペインに旅行できるまでになる。様々なピンチのエピソードが常道にように挿入されていく。

しかし長年呼吸器を使っていたため肺が傷み始め、出血を繰り返すようになる。すでに呼吸器をつけてから20年以上になっていた。

覚悟をしたロビンは、かつての担当医に安楽死を依頼、ダイアナや息子のジョナサンに別れを告げて死んでいく。

実話を元にした難病ものという普通の映画でした。