くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「アポカリプト」

アポカリプト

メル・ギブソン監督が圧倒的な迫力で滅亡前夜のマヤ文明を描いた話題の映画「アポカリプト
期待半分で見に行きましたが、何とも2時間以上にもかかわらず、全く眠くなることもなく、圧倒される展開、映像、に堪能いたしました。

物語はあるマヤ族の部族、そこに一人の若者ジャガー・パウという青年がいます。
今日も、父を中心に数人の仲間を伴って、獣狩り。黒イノシシのような中型の獣を数人が協力し、走り、槍を投げ、罠を仕掛け倒してしまいます。まさに狩りです。このシーン、細かいカットと、据えたカメラと手持ちカメラを巧みに組み合わせて、見事な迫力で描きます。

狩りの後、肉を分ける下りで、父と主人公ジャガーの立場、周りの若者たちの日常の姿を見せます。
その途中で、別の部族が、村がおそわれたとかで、傷ついた人々を連れて、通り過ぎる姿を見るにつけ、主人公は何かの予感を感じ取ります。

さて、村に戻るといつも通り、しかし、主人公ジャガーは何かが起こる予感が・・・

翌日の早朝、大勢の別のマヤ族が村を遅い、殺戮と、捕虜を生け捕ります。
もちろん主人公も生け捕られ、、父は殺され、妻と子供はジャガーの機転で大きな縦穴の中へ隠されます。
さて、主人公たちはここからどこへともなく連れて行かれるシーンになりますが、このあたりが、物語の前半部分です。

途中、一人の病気の少女に、予言じみた言葉を話させ、やがて、捕虜たちは壮大な宮殿の建設現場へ。

ここまで、リアリズムと、映像芸術を取り混ぜ、巧みなシーンを挿入しながら、ぐいぐいと引き込んでいく展開は何とも重厚そのものです。

後半は、宮殿建設現場で、すんでの所で逃げることに成功したジャガーが、逃げる時に村を襲ったマヤ族の長男を殺したためにその父と仲間数人に追いかけられる物語になります。

馬も無く、ただひたすらジャングルを走るジャガーに執拗に迫る敵のマヤ族との老津大和列のシーンがスリリングに展開し、一方で、ジャガーの助けをひたすら縦穴でまつ妻と幼い子供の姿が挿入されます。

走る走る・・そして、危機また危機と前半のシーンとはまた違ったスピーディなシーンが続き、すんでの所村に帰るのですが、その浜辺にはスペイン人が・・・

と、これからの歴史の大きなうねりをいとも見事にそして、圧倒的なスケールで描ききったメル・ギブソン監督には頭が下がります。
「パッション」にも共通するものがありますが、メル・ギブソン映画芸術はかなり崇高なものがあるのではないでしょうか。

良い映画、高レベルの映画とはこういった作品をいうのですね。