くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「私は殺される」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

「私は殺される」

え?というラスト。あそこまで引っ張って引っ張って、ラストはいきなり終わるというなんとも紋切りな映画だった。始まりはどうなることか期待したのに、締めくくりは時間切れという珍しい映画だった。監督はアナトール・リトヴァク

 

心臓の病気でベッドに寝たきりの主人公レオナは製薬会社社長を父に持ち裕福な家庭の女性。この日、夫ヘンリーが時間になっても帰ってこない上に、看護婦も使用人も帰してしまい一人ぼっちで不安だった。レオナは会社に電話してヘンリーがどこに行ったか聞こうとするが、不在な上に電話が混線したか、別の男たちの声と、レオナを殺すかのような計画を確認する内容を聞いてしまう。パニックになったレオナは、会社にもう一度かけて、秘書から、ヘンリーが昼休みに、サリーという女性と出たことを知る。

 

サリーというのは8年前、レオナの友達だったが、サリーはヘンリーを愛していた。そのヘンリーをレオナが取ったような形で結婚したのだ。サリーの夫は検事局にいて、サリーに電話してみると、どうやらサリーの夫はヘンリーらを調べているらしいから心配で会いに行ったのだという。

 

レオナは、再度病院に電話し、主治医を呼び出してもらうが、主治医は意外な話をする。主治医はヘンリーにレオナの病気は精神的なもので、心臓はいたって健康だと告げる。しかし混乱するレオナ。

 

そんな時、エバンスという男から電話が入り、ヘンリーに伝言を頼まれる。意味もわからず詰め寄るレオナに、エバンスはヘンリーと共謀して薬を横流ししていたが、その仲間の一人モラノとトラブルになり、金を脅されて、その中でレオナの保険金の話が出たことを話される。しかし、モラノは警察に逮捕されたので、もう大丈夫であること、エバンス本人も脱出すること、横流しの証拠になる取引場所も燃やしたことを伝えるようにいう。

 

しかし、冒頭で聞いたレオナ殺害の時間は迫ってくる。レオナはエバンスに聞いた電話に電話をするがそこは市の死体置き場だった。絶望するレオナにヘンリーから電話が入る。レオナはエバンスからの伝言を必死で告げるが、階下から男の影が迫ってくる。しかし、レオナの必死の叫びも虚しく、何者かに殺され、受話器が置かれて映画は終わる。

 

延々と複雑な物語が描かれて、どうなるんだろうと思わせて、結局主人公は殺されて終わり。唐突なエンディングにあっけにとられてしまう作品で、こういうのも珍しいという感じの映画でした。

 

バック・トゥ・ザ・フューチャー

ほぼ30年ぶりくらいの見直しだが、やはり面白い。組み立てに無駄がないので時間が短く感じる。悪く言えば、スピード感がありすぎるというべきですが、やはり出来栄えは傑作の部類ですね。監督はロバート・ゼメギス。

 

時計が所狭しと並ぶ部屋で、奇妙な自動機械が動いている。そこへやってくる主人公マーティ。この部屋は、友人のドクの実験室だった。そしてドクから今夜深夜の1時15分にショッピングモールに来いと連絡がある。

 

行ってみると、デロリアンの車の形のタイムマシンがあり、愛犬のアインシュタインを乗せて実験をし大成功。ところがそこへドクがプルトニウムを騙し取ったリビア人が現れ、ドクを撃ち殺す。逃げるためにデロリアンに乗り込んだマーティはタイムスリップして1955年へ。

 

ところが帰りのプルトニウムがないので、この時代のドクの元へ。そして、プルトニウムと同じ電流を作り出すため、この日深夜に落ちる落雷を使うことにする。

 

ところがたまたま、マーティが若き日のマーティの父ジョージを助けてしまったために、未来の母ロレーンはマーティに恋をしてしまう。マーティの持っている写真から兄弟や自分が消えていく中、なんとかジョージとロレーンを引き合わせようとするマーティの物語が並行して進む。

 

そしてなんとか二人を結びつけ、マーティはデロリアンで未来へ帰る。帰ってみれば、銃弾に倒れたはずのドクは防弾チョッキを着ているし、しがないサラリーマンのはずの父はダンディな父に変化していた。

 

恋人とデートに出ようとしたマーティの前にドクの乗ったデロリアンが現れ、未来で大変なことが起こっているからこれから行こうと旅立って映画は終わる。

 

見せ場のてんこ盛りとハイテンポなストーリー展開は見事な作品だと改めて感激してしまった。少々薄っぺらく見えなくもないですが、タイムスリップするときの炎の演出など、まさにロバート・ゼメギス、スティーブン・スピルバーグ全盛期の一本だと思います。