くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「NOPE ノープ」

「NOPEノープ」

宣伝を見ている時も思わせぶりばかりで、なんとなく予想はついたが、やはり全編思わせぶりばかりでそれ以上でも以下でもない作品でした。この監督、それほどぶっ飛んだ想像力があるわけでもないことがわかりました。「ゲット・アウト」は吹っ飛んだ馬鹿馬鹿しさに笑えましたが、今回は、エイリアンの造形もそれほどオリジナリティを感じるほどのものではないし、ストーリー展開も平凡、秀でた演出も見られない分、前半かなりダラダラ感が出てしまった。黒人を作品の個性にしてきているのだからもっと毒を持たせて、例えば黒人は食わないとかしても面白かったのだろうけど、黒人にする意味も特に見当たらないし、手なずけようとしたらやり返されたというテーマも訴えてくるものがない。この監督の限界を見た気がします。監督はジョーダン・ピール

 

撮影スタジオ、なにやら一匹のチンパンジーが座っていて、傍に倒れているらしい人間の足が見える。どうやらこのチンパンジーが大惨事を起こしたらしい。このオープニングから、映画の撮影用の馬を飼育している牧場へ画面が移る。OJの父は撮影用の馬を育てるベテランで、この日も次の撮影用の馬に乗っていたが、突然空から何かが降ってきて、それに当たり、病院へ行ったが亡くなってしまう。OJは空に未確認の飛行物体を見たと妹にいう。

 

父の後を継いでOJが撮影スタジオへ馬を連れていくが、結局よく喋る妹のエムの助けを借りる。しかし結局ミスをして、そのまま馬を引き上げてくる。牧場の経営は厳しく、撮影の仕事がなくなったこともあり、馬を近くのジュピターパークの経営者リッキーの元に行き、愛馬ラッキーを売る。エムは兄OJが見た飛行物体を撮影すればネットで評判になり儲かると提案、ホームセンターのエンジェルに監視カメラを設置してもらい、撮影所の監督ホルストに提案するが信じてもらえない。

 

そんな頃、ジュピターパークでは、異星人とのコンタクトをするショーが行われようとしていた。UFOを呼び寄せるのにラッキーを使ってショーが始まるが、突然現れた未確認飛行物体に襲われて、観客もリッキーも喰われてしまう。どうやら未確認飛行物体は生命のある生き物のようだった。飛行物体はエムの家の上空まで来る。身を潜めているエムとエンジェル。そこへOJが戻ってくる。飛行物体が近づくと電気系統が麻痺することを知った事と、ジュピターパークのショーを襲った時の様子から、旗や擬似物体を食べると喉を詰まらせることがわかる。さらに、目を合わせると食べられるということに気がつく。

 

実はリッキーは、冒頭のチンパンジーショーで子役で出ていて、あわやチンパンジーに自分も襲われそうになるところをチンパンジーが撃ち殺され助かったのだ。リッキーは飛行物体を手なずけて今のショーを企画していた。

 

飛行物体をなんとかいなしたOJたちは、再度ホルストに連絡、今度はホルストも信じて、自前の手回しカメラを持参してくる。そしてOJ、エム、ホルストは飛行物体をカメラに収めるべく準備をする。バルーン人形を配置して電気の麻痺状態を解るようにし、エンジェルとホルストがカメラを構えて、OJはラッキーに乗って飛行物体をおびき寄せる。やがて飛行物体が現れるが、雑誌の記者が電気バイクで現れ特ダネを撮ろうとするが、突然電気バイクが止まって投げ出される。OJが助けに行くが無理で、結局食われてしまう。

 

飛行物体はOJに襲いかかってくるが、電気バイクを拾ったエムが囮になって飛行物体を引きつける。ホルストは、自ら食われることで誰も見れない映像を撮ろうと飛び込んでいき飲み込まれてしまう。飛行物体は巨大なカーテン状に姿になり、エムに向かってくる。エムはジュピターパークに飛び込み、そこにあった巨大なバルーン人形を飛ばし、それを食わせる。その様子を、テーマパーク内の巨大ポラロイドカメラで速写に成功する。バルーンを食べた飛行物体は大爆発を起こし散ってしまう。こうして映画は終わる。

 

思わせぶりが多すぎて、全体が非常に間延びしてしまった。チンパンジーのエピソードもそれほどインパクトがないし、カメラも平凡、バルーン人形による通電のサスペンスも盛り上がらず、映画としては普通のサスペンス程度の作品でした。ジョーダン・ピールはそれほど才能のない監督だったかもしれません。彼の限界が見えた感じでした。