くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「Zolaゾラ」「シーフォーミー」

Zolaゾラ」

2015年デトロイトのアザイア・“ゾラ”・キングがTwitterに投稿した148のツイートとその内容を元にしたローリングストーンズ誌の記事をもとにした作品。結局、実話なのかと言われれば、Twitterの投稿が実話であって、Twitter自体が創作物語だということなのだろうか。今時の独特の語り口のちょっと風変わりな映画でした。監督はジャニクザ・ブラボー。

 

黒人の女性と白人の女性がメイクをしている場面から映画は幕を開ける。黒人の女性はゾラ、白人の女性はステファニーと言い、ゾラが、ステファニーとのクソのような話を語るという出だしから物語は始まる。

 

レストランで働くゾラは、店に来た客ステファニーに声をかけられる。二人ともポールダンサーで、二人でステージで踊って大儲けする。ステファニーは、友人Xとデレクという彼氏と一緒にフロリダで踊らないかとゾラを誘い、ゾラは同行することにする。

 

フロリダについたものに安物のモーテルに連れて行かれ、ステファニーとゾラはXに連れられてホールで踊るが、何かがおかしい。二人を車に乗せたXは急に横暴になり、ステファニーに売春を強要する。というかステファニーは既に知っていてゾラを騙して誘ったのだとゾラはわかる。

 

Xに脅されるようにホテルの一室に入れられたゾラたちに客がやってくる。しかしステファニーがあまりに安い金額で仕事をするのを見て、ゾラが売春サイトの写真を変更、高額な報酬を得られるようにしてしまう。翌朝、Xに稼ぎを見せたら、Xはすっかりゾラを気に入ってしまう。そしてゾラを監視役にしてステファニーに客をとらせ始める。

 

ステファニーの彼氏のデレクが、そんなステファニーになんとか仕事をやめてほしいと懇願するがXの命令やステファニーも今ひとつ仕事を止める気がない様子にイライラし始める。ステファニーとゾラは次々と仕事をこなし大金を手に入れていくが、最後に超高額な仕事が入り、Xはこれで最後だからとゾラたちを送り出す。ところが、迎えたのは最初のモーテルでデレクに近づいてきた黒人のチンピラたちで、ステファニーを拉致してしまう。

 

Xやデレク、ゾラがその部屋に踏み込み、ステファニーを助け出してフロリダを離れる。そして辿り着いたのはXの大邸宅だった。ステファニーに、仕事をやめないなら死んでしまうと懇願するデレクに、ステファニーは冷たい返事をし、デレクはベランダから飛び降りる。しかし、大怪我を負っただけで、大慌てのXはステファニーやゾラを車に乗せて病院へ向かう下りで映画は終わる。

 

中盤から後半にかけてどんどんお話がどこかおかしくなってくる。前半は、Xによる売春強要の話のようだが、途中からステファニーが語るゾラの話が、これまでの展開と真逆だったり、妙にXがいいやつに見えてきたり、誰が悪者かよくわからない中、実はみんなそれぞれ妄想と虚構の世界なのではないかと思えてくる。結局、金持ちのXの邸宅に招かれたステファニーたちの話というシンプルなストーリーだったのではないかと思えるラストに、変な映画を見たという感想だけが残りました。A 24の映画はほんまに奇妙なのが多い。

 

「シーフォーミー」

お粗末千万なサスペンス映画でした。ストーリーが支離滅裂やし、主人公アホやし、その上性悪女、何のためのシーフォーミーのアプリなのかわからんし、主演のスカイラー・ダベンポートが現実に視覚障害者でもあるというのだけを客寄せに使う制作態度もひどい。最低の映画でした。監督はランドール・オキタ。

 

オリンピックのスキーのシーンのテレビを見ている主人公ソフィの姿から映画は幕を開ける。病気で光くらいしか感じられなくなったが、かつてはスキーのアスリートだったらしい彼女は、今では視覚障害を逆手に盗みを働いている。とまあ、このキャラクター設定自体がひどい。

 

この日、猫シッターの仕事を得て、そこへ向かおうと準備しているが、母親は何かにつけて娘に関わってくる。母を振り切って人里離れた豪邸にやってきたソフィは、女主人で最近夫と離婚したデボラに会い、邸内の説明を受ける。デボラは急ぎの用で飛行場へ行ってしまうと、ソフィは早速友人に電話をし、邸内をスマホのビデオ会話で説明してもらう。ワインセラーに入り高そうなワインを一本くすねようとするソフィに、友人はもうこういう手助けは嫌だと電話を切る。

 

セキュリティシステムで守られた邸宅からタバコを吸うために外に出て閉め出されたソフィは、母に教えられた視覚障害者をサポートするアプリシーフォーミーを起動、つながったケリーという女性に庭内に戻る手助けをしてもらう。その夜、ソフィが寝静まっていると、強盗が侵入して、隠し金庫を開けようとし始める。物音に気がついて階下に降りたソフィは、誰もいないと思っていた邸内に人の気配を感じた犯人たちに探される羽目になる。ソフィは警察に連絡する一方で、身の危険を感じてケリーに連絡、ケリーの助けで、強盗たちから逃げ隠れし始める。

 

しかし、この主人公なんとアホなのか、ケリーがじっと隠れていろというのをうろついたために、二人だと思っていた強盗が三人いて三人目に捕まってしまう。ダメだと思われた時、ケリーは、実は自分も盗みをしているので、分前をくれるなら警察への通報を取り消してもいいと提案。しかも強盗団の親玉は電話の指示でそれを受け入れる。もうアホだらけ。

 

それでも結局一人の警官がやってきて、帰りがけに怪しいと疑念を持って再度邸宅に入り、結局強盗団に殺されてしまう。その時、銃を奪ったソフィは逃げる。シーフォーミーでケリーに連絡をし、迫ってくる強盗団を銃で応戦し始めるソフィ。一方、ケリーはソフィのために別途警察に連絡をする。ソフィは三人のうち二人を撃ち殺し、そこで、後からくる警官を待てというケリーのアドバイスを無視して、最後に金庫を開けている犯人の前に出る。もう呆れてしまう。

 

その犯人は、金を持って逃げればいいと、逃げ始めるがソフィに撃たれて死んでしまう。犯人の親玉からの連絡に、全員死んだ旨を話したソフィの前に現れたのはデボラの元旦那。しかし、結局こいつもソフィに撃たれる。しかし実は金の一部をソフィはカバンに入れていた。なんてやつや。

 

一度は諦めたアスリートへの道をもう一度進む決意を母に話すが、カバンにはしっかりと指導費用が準備されている。スキー場で指導を受けるソフィはケリーからのメッセージに明るく答えて映画は終わる。

 

もう最低最悪のお粗末映画だった。これ以上書く気にもならない。