「トータル・バラライカ・ショー」
1993年6月ヘルシンキ、レニングラード・カウボーイズと旧ソ連退役軍人らで結成されたレッド・アーミー・アンサンブルとの合同コンサートのライブ映像。監督はアキ・カウリスマキ。
ピチッと着込んだ軍服姿のレッド・アーミー・アンサンブルとふざけたリーゼントと尖った靴のレニングラード・カウボーイズとの奇妙なコラボレーションも面白いのだが、知った曲がたくさん出てくるので飽きずに見ることができた。ステージはまさに圧巻という迫力で、旧ソ連の力量を目の当たりにする面白さもあった。
相変わらずナンナンセンスな展開に、終始ニンマリし続ける作品で、一作目ほどまとまりはないものの、テンポのいい曲と遊びまくった演出に拍手してしまいました。監督はアキ・カウリスマキ。
メキシコで成功したレニングラード・カウボーイズだが、テキーラに毒されて、一部のメンバーはいなくなり、今や荒野に追いやられてうらぶれた日々を送っている。そんな彼らにニューヨークから仕事の依頼が来て久しぶりに車でニューヨークを目指す。
ニューヨークでの仕事は成功したが、そこで、メキシコで行方不明になったマネージャーウラジミールと再会する。彼は神の啓示を聞いたからとモーゼと名乗っていた。モーゼはレニングラード・カウボーイズは故郷のシベリアに戻るべきだと言い、その段取りをつける。
メンバーたちは小舟でヨーロッパを目指し、モーゼは故郷に戻るためには土産がいるから後から行くという。モーゼは自由の女神の鼻を盗み、飛行機の羽根につかまってアメリカを飛び出す。そして途中でレニングラード・カウボーイズと合流し、一路シベリアを目指す。例によって道中は貧乏旅行となり、物乞いのように演奏してはささやかなかせぎをしてすすんでいく。
シベリアには、聖なる光で子牛が生まれているから、そこが目的地だという。途中、メンバーの一人は重病で病院に入院したり、自由の女神の鼻を追ってCIAが後をついてきたりして、とうとうシベリアに着くが、モーゼは目的地を見てはいけないとヨーロッパへ去っていく。こうして映画は終わる。
モーゼが水の上を歩けたり、さまざまなお遊びをふんだんに入れた映像が楽しい作品で、カウリスマキのセンスが光る一本でした。