くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「007/ゴールデン・アイ」(4Kレストア版)「ジョン・ウィック コンセクエンス」

007/ゴールデン・アイ」

流石に面白い。一見ダラダラ進むようだが、シーンごとに派手な見せ場が満載していて、それを追いかけるうちにどんどん引き込まれていくエンターテイメント映画の秀作。面白かった。監督はマーティン・キャンベル

 

ロシアの巨大ダム、その底辺にある化学兵器工場破壊のためボンドが突入するところから映画は始まる。先に突入していた006のアレックと行動を開始するが、ロシア将校ウルモフに捕まったアレックはその場で射殺される。ボンドはアレックを見捨ててその場を去り、小型飛行機で脱出、仕掛けた爆弾が爆発して工場は破壊される。崖から飛び降りて、飛んでいる飛行機に飛び移るシーンにまず度肝を抜かれます。それから九年が経つ。

 

ボンドは女性アナリストを乗せてドライブしていたが、そこへ並走してきたフェラーリの女性ドライバーとカーチェイスを繰り広げる。しかしアナリストに頼まれてあっさりカーチェイスを辞める。その夜、フェラーリの女性をカジノで見かけたボンドが撮影してその写真を本部で調べてもらうと、彼女は国際犯罪組織ヤヌスのメンバーオナトップだとわかる。

 

ボンドはオナトップを監視し始めるが、NATOの最新鋭ヘリコプタータイガーが、オナトップらに盗まれる。ボンドはタイガー強奪事件を追い始める。そしてタイガーはロシアゼヴェルナヤにあることが判明する。実はそこではロシアが極秘にゴールデンアイという衛星宇宙兵器を開発していた。ボンドたちが監視していると突然緊急通報が流れる。

 

タイガーに乗ったオナトップらは、施設のプログラマーボリスの手引きでゼヴェルナヤを襲い、職員を皆殺しにして、宇宙兵器ゴールデンアイを盗んで何処かへ消える。しかしこの研究施設のプログラマーのナターリヤがなんとか脱出して生き延びる。Mはボンドにゴールデンアイを追うように命じます。ゴールデンアイを起動するにはアクセスコードが必要でそれを知っているのは今は将軍となったウルモフだった。なぜウルモフがヤヌスと繋がっているのかを知るためにボンドはヤヌスのボスに会おうと行動する。

 

サント・ペテルブルグに渡ったボンドはCIAエージェントジャックの協力でヤヌスのボスに接触するため、まずヤヌスのライバルヴァレンティンに会う。そこでヤヌスのボスは元コサックであると知らされる。コサックとは第二次大戦中ナチスに協力した軍事組織だった。コサックはドイツが敗戦した際、英国がソ連と戦ってくれると信じて英国に降伏するが英国は裏切り大勢のコサックを殺戮した過去があった。

 

ボンドはヴァレンティンの伝でヤヌスのボスに会うことになるが、ヤヌスのボスとは死んだと思っていたアレックだった。アレックは元コサックで、英国への恨みがあった。アレックはボンドをタイガーに閉じ込め爆破しようとするがそこに乗っていたのがナターリヤだった。すんでのところでボンドたちは脱出するが駆けつけたロシア軍に拉致される。ボンドはセヴェルナヤの事件はウルモフの仕業だと告げるが、そこへウルモフが現れ、ロシア高官は殺される。

 

ボンドはナターリヤと脱出するがウルモフとの銃撃の最中ナターリヤが連れ去られてしまう。ボンドは戦車を強奪してウルモフの車とカーチェイスを繰り広げます。ウルモフらは列車で逃走するが立ちはだかった戦車で列車を止める。列車内でアレックはナターリヤを人質にボンドに迫るがボンドはウルモフに、アレックがコサックであると明かし、その隙にナターリヤを助ける。

 

ナターリヤはゴールデンアイはもう一機あり、その一機がキューバにあるとコンピュータをハッキングして突き止める。ゴールデンアイ起動のための巨大パラボラアンテナを探してボンドたちはキューバに向かう。そして湖の底にあることを突き止め、施設に突入する。ナターリヤがアクセスコードを解析する間ボンドが時間稼ぎをし、その間にアレックの目的を知る。アレックの目標はロンドンで、英国銀行の大金を強奪し直後ゴールデンアイで破壊して証拠隠滅を計画していた。しかもロンドンを爆破することであらゆる記録が壊滅し英国に打撃を与え復讐するためだった。

 

ナターリヤがアクセスコードを書き換えたので、慌ててボリスが再度解除しようとするが焦るばかりで、ボンドが持っていたペンをついカチカチノックしてしまう。そのペンはQが開発した新兵器で、爆発して、コンピュータなどを吹っ飛ばしてしまう。しかしボリスはアクセスコードを回復させる。

 

ボンドは発信装置を止めるためパラボラアンテナへ。そこでアレックと一騎討ちし、ついにアレックを倒す。脱出ヘリを調達したナターリヤが駆けつけ脱出。直後基地は大爆発、宇宙兵器も大気圏で燃え尽きてしまう。応援に来た海兵隊に迎えられて映画は終わる。

 

巨大パラボラアンテナや、細かいメカニックの描写、戦車と車のカーチェイスや、列車と戦車の脱線など見せ場が次々と出てきてとにかく面白いし、クライマックスのパラボラアンテナの造形など映画的にも見栄えがあり、エンタメ映画はこうでないといけないという典型的な一本で、やはり007シリーズは面白いと言わしめる作品でした。

 

ジョン・ウィック コンセクエンス」

こういう映画の作りもありかもしれない。ストーリーを語るということは二の次にして、まるでテレビゲームのように様々なシチュエーションとアイデアでガンアクションシーンだけを羅列していく。その多彩さは見事なものだし、今回、無駄に派手なセットとロケ地をふんだんに取り入れたビジュアル性も美しいし、圧倒されることも確か。ただそれだけの映画というには少し勿体無い気がする。それはラストシーンからエンドクレジットの後のエピローグにさりげなくドラマ性を挿入したことが、ある意味中途半端さを露呈したように思えるからです。このシーンのために大阪を舞台にした前半があったのでしょうが、これをそぎ落とし、徹底したビジュアルアクションを貫いたほうが個性的で良かったかもしれない。いずれにせよ、三時間近くそれなりに退屈はしませんでした。監督はチャド・スタエルスキ

 

シリーズのこれまでを簡単に紹介した後本編へ。裏社会主席連合の掟を破って追われる身になったジョンが、何やらトレーニングをしている場面から映画は始まる。彼はモロッコへ行き、主席連合の一人に会い、いとも簡単に撃ち殺し主席連合に宣戦布告をする。彼は主席連合から自由になるべく立ち上がるが、主席連合の若き高官グラモン侯爵は、好き放題に組織を牛耳り、ニューヨークのコンチネンタルホテルのウィンストンを訪問し、ジョンを殺せなかった事を叱責の末、ホテルを爆破する。

 

さらにジョンの旧友でもあるケインの娘の命を脅して、現役を退いていた盲目の暗殺者ケインをジョン殺害に差し向ける。そんな中、ジョンは大阪のコンチネンタルホテルに旧友シマヅを訪ねる。そこへグラモン侯爵の刺客が差し向けられ乱戦、その中でケインと対決したシマヅは亡くなり、娘のアキラが残される。ジョンはシマヅの屋敷を脱出地下鉄に乗り、事態の収束を考え始める。その中で、謎の黒人トラッカーもジョンを付け狙う。

 

ジョンはニューヨークコンチネンタルのウィンストンと会い、組織を抜けて自由になるには直接の決闘しかないと教えられる。そのためにジョンはパリへ向かう。そしてグラモン侯爵と決闘の面談をするがグラモン侯爵は代理人としてケインをたてる。決闘場所はサクレ・クール寺院、翌朝夜明けと決まる。決闘の時間までにジョンが辿り着けるかが後半の見せ場になる。

 

バワリーに防弾スーツをもらい、新しい銃を渡されて、寺院を目指すことになるが、グラモン侯爵の指示で、ラジオからジョン殺害の賞金が宣伝され、あちこちから殺し屋が集結、ジョンを襲い始める。そこで凱旋門を巡るカーチェイスアクションが展開。華麗とはいえ少々しつこい。さらに、寺院が目の前になったものの二百段を超える階段があり、そこでもしつこいほどのガンアクションが繰り返されるが、ケインが助っ人に来たり、愛犬を守ってくれたジョンへの恩義で謎の黒人トラッカーがフォローしたりして、ジョンは決闘時間に間に合う。

 

ジョンとケインが三十歩離れての決闘をするが決まらず、二十歩でも決まらず、十歩でも決まらない。そこでグラモン侯爵がトドメを刺すからとケインの銃でジョンを狙うが、ジョンは最後の弾を発射しておらず、グラモン侯爵はジョンに撃ち殺される。そして、ジョンもケインも主席連合から自由になる。重症のジョンはウィンストンに連れ帰って欲しいと頼んで一人階段を降り始めるが、途中でその場に崩れ落ちる。

 

場面が変わるとジョンの墓の前でウィンストンとバワリーがいた。こうして映画は終わりエンドクレジット。その後、娘に会いに来たケインの姿、そこへ黒づくめのアキラがナイフを手にケインに近づいて映画は終わる。

 

とにかく、これでもかというガンアクションがさまざまなシチュエーションで展開するが、緩急強弱をほとんど意識していないので、若干退屈になる瞬間もある。それでも力で推してくるし、ロケーション地が素晴らしいので映像を楽しむことも出来る。二時間ぐらいにして、もうちょっとシャープに展開させたら映画としてもいい作品に仕上がったかもしれない。でも楽しめました。