くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「三味線とオートバイ」「女学生ゲリラ」「団地妻昼下りの情事」

「三味線とオートバイ」

丁寧に作られたストーリーで、隙も見られない作品ですが、ちょっと古さは否めません。でも桑野みゆきは好きなので楽しめました。監督は篠田正浩

 

初子と恋人の房雄がオートバイを飛ばしているシーンから映画は始まる。調子に乗って事故を起こし担ぎ込まれた病院で、医師の畔柳と出会う。彼は母とよ枝の20年前の恋人だった。

 

畔柳ととよ枝は親しくなり、そんな二人を心のどこかで拒否する初子。物語は親子の物語、過去の恋愛、今の恋などを絡めて展開していく。

 

実は初子の本当の父は畔柳だったのだ。やがて、初子親子に溝を作っていると感じた畔柳は九州へ赴任するが間も無くして交通事故で死んでしまう。

 

とよ枝は初子に本当のことを話す。そして、ひと回り成長した初子は房雄とまたオートバイに乗って走る。房雄は初子にプロポーズして映画は終わる。まあ、普通の作品ですが、当時の世相をちゃんと反映している作りはしっかりしている一本でした。

 

「女学生ゲリラ」

映画ファンとしては見ておくべき一本だろうと見ましたが、なるほど一見の価値はありました。一見、自主映画の延長のような作りになっていますが、全体に一つにまとまっているし、とにかくバイタリティ溢れる熱気に包まれているのがいい。こういうのがいまの若い映画制作者にかけているのかもしれません。監督は足立正生

 

富士の裾野の御殿場、二人の男子高校生がうだうだ言っているところへ三人の女子高生がやってくる。彼女たちは学校に反旗を翻そうとしているらしく、男子学生も加わり、卒業証書を奪うことを計画。

 

さらに自衛隊の服も手に入れ、山奥へ立てこもる。あとは、なぜか女学生はほとんど半裸で、乳房丸出しやし、なぜかやたらSEXするし、気の狂った自衛隊員が紛れ込んでくるしと混沌とした展開。

 

ただ、その場限りの演技と台詞回しながら、作り手の熱気がそのまま伝わってくる。カメラアングルもワーキングも決して素人技ではない。そこが、何といっても、これが一本の映画たるべき存在を残せるものなのだと思います。

 

結局、学校側は無視した形で、なんの反応もなく、仕方なく彼らは元の場所に降りてきて映画は終わる。背後に壮大にそびえる富士山のカットがなかなか象徴的です。まあ、見て損のない映画といえばそうんな感じでした。

 

「団地妻昼下がの情事」

数々の名作が生まれた日活ロマンポルノの第一作目。まあ、普通のお話ですが、記念すべき一作目という価値は十分あります。監督は西村昭五郎

 

夫とのSEXシーンから映画が幕を開ける。夫とのSEXに不満な主人公に、近くの団地の女が接近してくる。そしてたまたま高校時代の幼馴染と過ちを犯したところを写真に撮られ、そのままコールガールの組織に引き込まれる。

 

そして、SEXに溺れていく主人公に、たまたま会社の接待で女を世話した夫と遭遇、幼馴染と逃避行することになった主人公は車の中でSEXしながら崖下に落ちてエンディング。

 

今となっては濡場もソフトに見えるものの、当時としては驚愕の一本だったのだろう。これもまた映画史の一ページという感じの映画でした。