くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「クワイエットルームへようこそ」

クワイエットルームへようこそ

ちょっと興味があった。もしかしたらすごく斬新な日本映画かな?それともちょっと不思議な映画かな?そんなわくわく感を起こさせてくれる予感があったのがこの「クワイエットルームへようこそ」である。

松尾スズキなんていう人のファンでもない。しかし、なんか内田有紀が最近本当にかわいらしいしきれいなので、興味津々だった。

忙しそうに走り回る主人公が写され、次々とこなしながらも、最近少し荒れてきたなと思わせるような部屋が映し出され、そしてふと目がさめると、どこかの診療室の一室に拘束帯でベッドに縛られている。そんな冒頭シーンから始まるこの映画は、よくある、謎から始まるホラーに似ている。でも、物語はどこか不思議なシュールの世界かと思えば、ある精神病院での物語なのだ。

なぜか薬物大量摂取で自殺壁と思われ入院させられた主人公サクラはその病院で様々な心の病を持つ人々と出会う。彼女らはそれぞれ、どこかコミカルに描かれているので、微笑ましい一方で、どこか切なくなる。

そんな展開の中で患者さんを演じるのが大竹しのぶ、蒼井憂、など芸達者がそろううえにクドカンこと宮籐官九郎が主人公の夫役で好演している。
とにかく、それぞれのシーンが本当に安っぽくて素朴な上に、妙にテンポがいいから、いつの間にかこの現実から離れた世界にはまっていく。

所々に挿入されるそれぞれの患者さんの悲しい境遇もあっさりと流していくので妙にじめじめしないところもいい。
そして門が小谷がクライマックスに進むと、なんと意外にも主人公がこの病院に入った本当の理由、その経緯が明らかになっていくにつれどこか、やっぱりみたいな安心感を生んでくれて、ラストシーンに引き継がれ、さわやかに終わるからいい。

楽しい映画でした。
それに内田有紀の今後の活躍を期待したくなる映画でした。