くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ダークナイト」

ダークナイト

「バッドマン・ビギンズ」に始まった新しいバットマンシリーズ第二段、「ダークナイト」を見てきました。
前作もティム・バートンのシリーズとは打って変わってのシリアスかつ格調高い作品だったので、今回も覚悟して見に行きましたが、案の定、前作以上に非常に高レベルな作品でした。

特筆すべきは故ヒース・レジャージョーカーの存在感です。
あまりにも圧倒されるために、あの特異な化粧の効果以上に、狂気性がじんじんとスクリーンから伝わってきました。これだけでも、見に行った会があるほどでした。

物語はさらにダークヒーローの部分を前面に出して、その上、人間の心理描写、背後にテンポのある効果音を響かせての映像作りは、クリストファー・ノーランの卓越した演出力をまざまざと見せ付けられた思いがしました。

2時間半ほどの長尺作品で、これでもかこれでもかと物語が進んでいく展開。クライマックスかと思わせられるとさらにハイレベルなストーリーに進んでいく徹底的に練られた脚本。細かいカットと、音を絶妙のリズムに溶け込ませた演出。そしてヒース・レジャーの怪演。何もかもが、ここまでバットマンというアメコミヒーローをダークイメージに作り上げるものかと感心させてくれます。

ティム・バートンバットマンシリーズに見せる勧善懲悪の世界、アメコミの実写版という観念で作られた世界とはまったく異質の、ひとつの映像芸術としてのバットマンシリーズを今回も見せ付けられました。

いい映画です。高品質の映画です。
すばらしいですが、やはり私のような年代にはティム・バートンバットマンのほうが好きですね