くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける

ブロードウェイ♪ブロードウェイ コー

ドキュメンタリーを見たのはいったい何年ぶりだろう。
普段は、なかなか足を運ばないジャンルなのだが、非常に評判がいいし映画版のミュージカル「コーラスライン」を見た思い出もあるので、そのオーデション風景も見てみたくて出かけました。

確かに評判どおりの見事なドキュメント映画でした。

ダンサーでもあるマイケル・ベネットが作り上げたミュージカルの傑作「コーラスライン
ブロードウェイ最長上演記録を持ち、数々の賞にも輝いた名作ミュージカルですが、2006年に再演を決定。今回の映画はその再演に当たってのキャストのオーデション風景を納めたものです。

この手のドキュメンタリーの難しさは、単調な記録フィルムにしないこと。
ドキュメンタリーとはいえ、スクリーンで観客を呼び、画面に引き込ませるにはやはり、娯楽性が必要になります。

それは、カットのつなぎの面白さや、限られたシーンをいかにリズム良くつないでいくか、いかにあきさせないで、物語を生み出していくかが最大のポイントです。
その点について、この作品は一級品のできばえになっています

前半、まだ応募者がたくさんの間はミュージカル形式で、それぞれのダンサーたちの不安の気持ちを歌い上げていきます。時に、流れるように時にハイテンポで挿入しながら、少しずつふるい落とされていき、次第に登場人物が少数になってくると今度は応募ダンサーと選考者とのやり取りのテンポを挿入して次第に物語としてのクライマックスへと引き込んでいきます。

そんな展開の所々に、初演のメンバーたちの映像や、マイケル・ベネットの貴重な記録テープの声を流し、ドキュメンタリーとしての形式をきっちりと踏襲していきます。
おそらくラストシーン、次々とオーデションの合格者のシーンがスクリーンに現れてくるところで泣く方もたくさんいらっしゃると思います。それほどドラマチックな展開も決しておろそかにしていない。

完成度の高いドキュメンタリー映画だったと思います