「世界侵略 ロサンゼルス決戦」
映画が始まってしばらくしてからはひたすらドンパチとエイリアンと海兵隊の一小隊との銃撃戦が繰り広げられていく。一応海兵隊の名前は登場するがストーリーの展開にほとんど意味をなさない。つまり人間ドラマを完全にカットしている為でしょうね。
突然、地球にやってきたエイリアンの大群。一瞬にして世界中のほとんどの都市を制圧し、必死で抵抗する人類との最後の戦いを行っている。圧倒的な破壊力で迫るエイリアンに為すすべもなく、わずかに生き残った海兵隊の一小隊が民間人数名を守ってロサンジェルスから軍隊の最前線へ避難していく様が手持ちカメラで延々と写されていくのである。
すでに制空権も押さえたエイリアンには、ほとんど地球は制圧してしまったかに見えるが、執拗な人類の反撃に苦慮しているという状態である。
一つまた一つと危機を乗り越えていくシーンが繰り返され、細かいカットと揺れる画像がリアリティと披露を生み出してくるが、最後の最後、ようやく脱出のヘリコプターに乗り込んだところで敵の指令船の場所を突き止めた海兵隊が最後の反撃を試みる。そして見事撃破、無人攻撃機が無能になってしまったエイリアン側は制空権を人類に奪い取られ一気に劣勢になって、今度は人類の反撃が開始されるところでエンディングである。
単純そのもので、しかも特に登場人物にこだわらなくてもいいので楽な作品である。これといった優れたシーンがあるわけでもないが、クライマックスでどことなく手持ちカメラと生死カメラのショットの中にオリジナリティのある映像が垣間見られたように思う。
まぁ、B級SF映画なのだからこの程度で十分な出来映えだと重いし、全編ドンパチを終始させるという脚本もこれはこれで大成功だと思います。
「グリーン・ランタン」
いったいいかほどに訳の分からないアメコミヒーローがいるものかと思うが、この作品もアメコミのヒーロー物である。
宇宙の平和を守っているグリーン・ランタンのメンバーの中の一番の実力者アビン・サーがかつて閉じこめた悪の化身パララックスがふとした弾みでよみがえりかつて自分を閉じこめたアビン・サーに重傷を負わせる。死を覚悟したこのアビン・サーは地球へ逃れそこで後継者にことを託す。
当然、その後継者ハル・ジョーダンの成長する姿と、敵を倒すクライマックスが物語の中心になる。
例によってCGをふんだんに使った映像が見所だが、どこかで見たようなエピソード(「ステルス」や「スーパーマン」「スパイダーマン」などなど)がふんだんに盛り込まれた脚本がある意味適当ながら、監督がマーティン・キャンベルなのでそこそこに娯楽映画としても間延びしない出来映えになっている。
どこがどうという優れた映画ではありません。グリーン・ランタンの本拠地惑星オアはどこか「宇宙水爆戦」の宇宙人の星のイメージに似ているし、ストーリーの展開といい、おきまりのラブシーといい、そしてこれまたおきまりの主人公の友人が悪の化身に変わったりといつものアメコミ映画のパターンが繰り返されるもののそれなりに楽しめるほどに程良い出来映えでした。
万を期して、最終兵器のようなイエローリングを作り出すもののそれは使用せず主人公がすべて解決。しかし、エピローグでイエローリングをはめるグリーン・ランタンのひとりを写して次に続けます。
ありきたりの話だし、今更なのですが、それにも関わらず丁寧に作られているためにだれることがありません。日本ではほとんどなじみのないヒーローなので「スーパーマン」や「スパイダーマン」のようなわくわく感はほとんどありませんが、それなりに楽しめる一本でした。