くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「X-MEN:ダーク・フェニックス」「パピヨン」(マイケル・ノアー監督版)「危険な女」

「X-MEN:ダーク・フェニックス」

素直に面白かった。このシリーズはミュータントであるという苦悩の人間ドラマ部分が毎回出てくるので、お話がドタバタにならないのがいい。今回は、これまでのメインキャラクターが次々と亡くなるとい終末的な展開ながら、クライマックスのアクションシーンがなかなか工夫されていて面白かったので、飽きることなく見れました。監督はサイモン・キンバーグ。

 

1975年、1人の少女が両親とドライブしている。流れてくるラジオの曲でちょっと言い合いになり突然車が事故、両親は死んでしまうが少女は助かる。彼女を引き取ったのがチャールズ。彼女は成長しチャールズの右腕としてXメンチームに参加するジーンである。

 

そんな時スペースシャトルが宇宙で事故にあい、その救出に行ったXメンは、脱出の際ジーンが宇宙の巨大エネルギーを浴びてしまい、チャールズが封印していた力が蘇る。

 

そんなジーンの力を手に入れようと謎のエイリアンが登場。ジーンは制御できない力で仲間を殺してしまい、エイリアンと手を組まんとする。そんなジーンを助けるため、チャールズ達、さらにライバルのエリックも参加しての大バトルとなる。

 

列車でのチャールズ達とエイリアンのバトルシーンがなかなか面白い。結局エイリアンは退治され、ジーンは人類を超えた存在となり、チャールズは引退して映画は終わる。ドラマ性も兼ね備えたアクションとしては誠実な一本でした。見応えありというべきかもしれません。

 

パピヨン」(マイケル・ノアー監督版)

いうまでもなくフランクリン・J・シャフナー監督、スティーブ・マックィーンダスティン・ホフマン主演の傑作のリメイク。オリジナル版と比べることは愚の骨頂だと思うし、実話をもとにしているのだから、真っ白な形で見てみましたが、非常にしっかりとした演出で描かれた良品だったと思います。さすがにラストシーンで泣くほどの感動こそ生まれなかったのですが、いい映画でした。監督はマイケル・ノアー。

 

物語は1931年、主人公がまだ羽振り良く金庫破りをしているところから映画が始まる。ダイヤモンドを手に入れ、ボスに渡すがちゃっかり一部をくすねていて、それを恋人に与える。ところが恋人との一夜の後突然逮捕され、フランス領ギアナ流刑地へ。そして本編が始まる。

 

流刑地で、ルイ・ドガと知り合い、パピヨンドガを守る代わりに脱獄の金を出せと取引を持ちかける。最初は金だけのつながりがやがて友情となり、二度の独房生活の後悪魔島に送られた二人は、最後の脱出にかける。そしていざ実行となってドガは残るといい、パピヨンと別離。

エピローグとして、フランスに戻った主人公は自伝を発刊したいと告げるシーンで映画は終わる。

 

思うに、やはりフランクリン・J・シャフナーの演出は映画的でドラマティックなのに対し、今回のマイケル・ノアー監督版は非常に忠実に主人公アンリ・シャリエールを捉えて描いている。その差が、劇的な感動を生み出さなかったのだと思うけれど、これもまた映画の表現としてはありなのだと思います。

 

「危険な女」

まるでヒッチコック監督のサイコもののような色合いのフィルムノワールで、どんどん話が深みに入っていって最後に一気に真相が明らかになる面白さは絶品の一本でした。監督はジョン・ブラーム。

 

主人公ナンシーの今日は結婚式の日。大勢の来客もある中、夫にブレアという精神科医の男性が訪ねてくる。彼はナンシーの前夫だといって、このまま結婚することはやめたほうが良いと忠告を始める。そして物語はこのブレアよりも前の最初の夫ノーマンの話へ流れて行く。

 

ノーマンは画家であったが、ある時、絵画教室にやってきたナンシーと知り合う。ナンシーは有力な画商の秘書をしていて、その関係でやがてノーマンも認められ、ナンシーとも結婚することになる。

 

ナンシーは幼い頃、母と一緒に裕福な家庭で下働きをしていたが、その時その家の娘が持っていたロケットを盗んだとその家の夫人に問い詰められ無理やり盗んだことにされた過去があった。

 

しかし、ナンシーの周りでは宝石などが紛失する出来事が多く、ノーマンは実はナンシーには盗癖があるのではという疑いを持っていた。さらに、画商のことを銃で撃ったのではという疑いもあった。

 

その話は、実はブレアがナンシーと結婚することになってノーマンに聞いたのだ。そして、ナンシーを疑うようになったブレアもまたナンシーに疑念を抱き始める。そしてやがて起こった第二次大戦の戦火の中、その疑念が決定的になる。

 

そんな話を聞いた、新郎は、ブレアの制止も聞かず結婚式を行うことにする。ナンシーがウエディングドレスを着たところへ、義母になる女性が、代々伝わるものだからとロケットを贈る。それを見て過去が蘇ったナンシーはその場に倒れ、精神に異常をきたしてしまう。

 

そして、救急車に乗せられるところで映画は終わる。永年、無実の罪に心が病んでしまっていたナンシーの妄想だったのか、その妄想が引き起こした悲劇だったのか、全ての真相が明らかになるラストがなかなかのもので、面白かった。