「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」
ナチス戦犯の忘れアイヒマンがイスラエルで拘束される卯という歴史的な物語の前日譚、彼を捕獲するため追い詰めたドイツの検事フリッツ・バウアーの物語である。史実とはいえ、サスペンスフルに展開するスピーディな作品で、娯楽性も十分にあり、しかも、しっかりと歴史背景も描かれている。なかなかの秀作でした。監督はラース・クラウメです。
主人公バウアー検事の家に運転手が食料を届けによるところから映画が始まる。睡眠薬と酒を飲んだために風呂で溺れそうになり助けられる。この導入部が実にうまい。そして、彼の元にアイヒマンの潜伏に関する一通の手紙が届く。そしてバウアーは国家反逆罪と知りながらもモサドにその情報を提供、共に拘束するべく要請する。
まだまだドイツにナチスの残党が要職で残り、検事局にもバウアーの妨害をする人物が暗躍する中、愛弟子の一人カールとタッグを組んでアイヒマン拘束に動く。
様々な人物を利用し、アイヒマン拘束にこじつけたものの、男色が罪であった時代、カールにスキャンダルが発覚、それを盾にバウアーを国家反逆罪で逮捕しようという動きは出るが、カールは自ら出頭し、自分の弱みに漬け込んできた妨害者たちを排除、バウアーを守る。
アイヒマン裁判はドイツへ召喚できう、イスラエルで行われるも、バウアーの資料による収容所の悲劇も明るみに出たというテロップで映画が終わる。
史実を元にしたサスペンス映画の見応え十分な一本でした。面白かった。
性に目覚めてきた中学生の一夏の物語を甘酸っぱく描いて行く。というものですが、とにかくエピソードも描写もくどくて、やたら長く感じてしまった。正直、凡作という感じで、脚本家としては「百円の恋」で、成功したものの、演出センスはいまひとつだったようにおもいます。
ストーリー展開にリズム感がないし、メリハリがいまひとつ見えない。何をポイントに描きたいのかが見えづらい展開がなんとも物足りない。
結局、一人の中学生の話なのですが、前半は彼とその周りの友達の物語として進んで行く。前半後半に統一性がないように見えなくもないのがいまひとつだった理由かもしれません。
並より少しレベルが低いかなと思える一本でした。