くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ゴンドラ」「大地の子守歌」

kurawan2017-04-24

「ゴンドラ」
30年ぶりのリマスター版の公開ということで、どんなにすごい映画なのかと思いましたが、体調のせいか映画のせいか、眠かった。確かにちょっと凝ったカメラワークとか演出を見せますが、自主映画レベル以上のものは見えないし、びっくりするような画面も見られなかった。監督は伊藤智生。この一作を残してAVの世界に入った人である。

高層ビルの窓の清掃エレベーターに乗る主人公の姿から始まる。田舎から東京に出てきて、ひたすら窓を拭く仕事をする青年、良。ある日、窓の中にいる少女かがりがかっていた小鳥が具合が悪くなったのを知る。

母親に疎まれ、孤独なかがりの前にあらわれた良。二人は何気なく親しくなり
やがて小鳥を病院に連れて行くが結局死んでしまう。そんな中、次第に親しくなる二人。

ゴンドラの下に広がるハイウェイが海に変わったり、ユラユラ揺れるカメラ画面、メトロノームがかがりの表情にかぶさったりと、的に軽な映像演出が見られるが、ちょっとショボい感じがしなくもない。

やがて、良の実家に一緒に行くことになったかがり。あったかい家庭の中でしばらく生活をし、小鳥を海に流すべく船に乗った二人は夕焼けのかなたに漕ぎ出して行く。

都会へ出た良の孤独と、母に疎まれさみしいかがりの心の交流と、逃避を描いた感じの一本で、個人的にはあまり好きなタイプの映画ではないし、いうほどの逸品とも思えない映画でした。


大地の子守歌」
いったい何回目だろうか。何回見ても原田美枝子に引き込まれます。そして。ラストに大泣きしてしまう。

ここまでいい映画だと、傑作は必ずしも完璧な完成品じゃないということがよくわかる。セリフがアフレコになっているようなシーンもあるが、それがかえって心の声に聞こえたりするからすごい。それと、細かい演出とセリフのいたるところに何気無い伏線が貼られているのも良くわかった。

さらに、突然目が見えなくなった原田美枝子の演技が素晴らしいのも納得。本当に突然目が見えなくなるのだからすごいなぁ。

また機会があれば行かなきゃ。好きな映画はこういうのをいうのですね。