くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「サイモン&タダタカシ」「ニワトリ★スター」

kurawan2018-03-29

「サイモン&タダタカシ」
なんともコメントできない映画。面白いわけでもなく、びっくりするような演出を見るわけでもなく、ただ混沌と間延びしたシーンの連続で終わった。監督は小田学

女性と恋するためにひたすら努力するタダに、男として一目惚れしたサイモンが、ただがトイレの落書きで見つけた一人の女性に会うために、バスに乗って旅立つのについて行くロードムービー

なのだが、目的地で、実はその女性は宇宙人で、地元の暴走族の女がUFOに連れ去られたり、実はUFOに乗っている宇宙人が浮気をしたりと、なんでもありというより、ゴタゴタのエピソードが所狭しと羅列。

こういうすっ飛んだ感性も必要なのだが、才能がない人のすっ飛んだ映像はただのど素人映画にしか見えない。

結局ラストはなんなのだと云うおわりかたで、役者のレベルも低くて、セリフが間延びするし、映像も普通だし、なんともコメントできない映画でした。


ニワトリ★スター
前半と後半が完全に人格が変わったのかと思えるよな映画になっていて、後半だけ見ると、妙にいい映画だったりする。しかし前半三分の一は嫌悪感さえ覚えるようなどぎつい映画になっている。この極端さがこの映画の色なのだろうが、流石になんとも感想が書きにくい。監督は原作者でもあるかなた狼。

奇妙なアパートで自堕落な生活をする草太と楽人。薬の売人まがいのことをしながらも、どこか普通の生活をしないとと云う焦りもある二人。この前半部分はとにかくアニメシーンを頻繁に挿入して映像がグロテスクである。

やがて、ヤクザの絡んだ仕事に関わりかけて、草太は地元大阪に帰る。喧嘩別れした形になったものの送り出した楽人は、シングルマザーの月海と再会し、急速に仲良くなり、普通の生活のために仕事を探し始めるもうまくいかず、以前関わりかけたヤクザのところへ行きやばい仕事に手を染め始める。しかも、それもヤクザの仕掛けた計画の一部だったことがわかるのだが、最後の最後、楽人の隣の異常な男がヤクザたちを滅多斬りにして、楽人太刀は沖縄に逃げ平和に暮らし始める。と云う唐突な展開へ。

ところが楽人は癌が全身に転移していて、間も無く最後を迎える。最後に月海が草太のところに、楽人がかつてプレゼントしようとしていた誕生日の贈り物を届け、手紙を読むお涙シーンで映画は大団円へ。

そして、ここまでの全てがフラッシュバックで再現されて行く。なんとも普通のラストシーンに、前半の嫌悪感は吹っ飛んでいるのですが、よくよく振り返って見ると、精神分裂のような映画だったことに気がついたりもする。いやぁ、こう云う感性もあるのだなと思いました。