くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ブロンドの殺人者」「ガラスの鍵」「死の接吻」

kurawan2018-04-09

「ブロンドの殺人者」
レイモンド・チャンドラー原作のフィリップ・マーロウものの何度も映画になった一本。フィルムノワール特集で見る。監督はエドワード・ドミトリク

机に映るスタンドのライトからカメラが引くと主人公フィリップが警察の取り調べを受けている。目には包帯が巻かれ、彼は殺人の容疑者にされているが、なぜ彼が目に包帯を巻くに至ったかが回想として語られ始め物語が始まる。

ある日、フィリップの事務所に一人の大男ムースがやってきて、ヴェルマという女を探してくれという。乗り気でなかったフィリップは言われるままに彼とフロレンスというバーに行く。

こうしてフィリップは次々と事件に巻き込まれて行く。
彼に近づく男が殺され、翡翠の高価なネックレスが絡んできて、さらにフィリップも拉致されて薬を注射される。

そしてクライマックス、フィリップの目の前で銃が撃たれたために硝煙で目が見えなくなり冒頭に至る。

ガラスに映る人のシルエットや階段の影を多用した画面作りが実に美しい一本で、見ていてゾクゾクする楽しさの備わった映画、これぞフィルムノワールです。


「ガラスの鍵」
面白い、そんな典型的なストーリー展開にぞくっとする。だからフィルムノワールは面白い。監督はシュチュアート・ヘイスラー。

地元の名士で知事選出馬のポールが、結婚相手の父親の息子で、自分の娘の恋人テイラーを殺した容疑をかけられる。彼の助手で相棒のエドはその真相を突き止めるべく、行動を起こすのが物語の中心になる。

ピンチと真相が次々と垣間見えてくるストーリー構成の面白さと、最後の最後のどんでん返し、さらにその後の粋な計らいという典型的な古き良き映画づくりのテイストが満載の作品で、ぎっしり詰め込まれた充実感ある物語を堪能できます。面白かった。


「死の接吻」
話の展開がシンプルで早いので見ていて気持ちがいい。映画の本質だなと思う一本。監督はヘンリー・ハサウェイ

主人公ニックは前科があるために仕事が見つからず、仕方なく宝石強盗を知るところから映画が始まる。

逮捕されたものの、仲間を密告するように依頼されるも拒否したため服役。仲間が妻子の面倒を見てくれていると信じていたが、妻が自殺したことで裏切られたことを知り、密告して仮出獄する。

しかし、隠していたはずの証人出廷が明らかになり、狙われることになったので身を呈して相手を殺人で有罪にする手段に出る。

展開はわかりやすいので、途中でだいたいわかるが、リチャード・ウィンドマークの殺し屋の存在感が実に強烈な作品。彼のデビュー作でもある