くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ママレード・ボーイ」

kurawan2018-05-10

ママレード・ボーイ
世の中って、一見ドラマや映画のようにいろんな出来事がありそうですが、実は普通の世界なんです。と言わんばかりの結局普通だったというラストに唖然とする映画でした。脚本がまとまっていないというのもありますが、展開がダラダラしているというべきでしょうか。ただ、廣木隆一監督の流麗な長回しのカメラと絵作りが映画として成り立たせたという感じです。廣木隆一監督作品でなければ行かない作品ですね。

高校生の小石川光希の両親が、ハワイで知り合った松浦夫妻とパートナーチェンジすることが決まったところから映画が始まる。しかも、シェアハウスで住む形で、お互いが常に顔を合わせている事に変わりがないという。しかも松浦家の遊は光希と同級生で同じクラスになる。

いきなりの本編から入る導入部はなかなかスピーディだが、そこから後、やがて光希と遊は恋仲になるあたりまでの彼らの周りの出来事が実にダラダラ進むし、光希の幼馴染で光希に恋する銀太や、光希の親友で学校の先生と恋仲になる茗子の存在感が適当で、ちらっと出てはちょっとしたエピソードを語ったと消えてしまう処理がちょっとよくない。さらに遊の勘違いで本当の父親は別にいるのではというエピソードも適当すぎる。

ある時、遊は古いアルバムから、お互いの両親が実はハワイで初めて会ったのではなく、学生時代から付き合っていて、しかも今回のパートチェンジのカップルで付き合っていたことがわかり、光希と遊は兄弟であることがわかる。

真実を言えない遊は光希に素っ気なくして京都の学校へ行く。やがて大学生になった光希は京都の遊に会いに行き、事の真相を知らされるが、結局それでも二人は結婚しようと誓い横浜に帰ってくる

そして一大決心で、それぞれの両親の前で宣言するのですが、実はそんな心配は必要なく、遊の勘違いであることがわかり全てが丸く収まりみんなで食卓を囲んでエンディング。って、どうよ。

まぁ、原作があるので、こういう空気で作られた物語なのだろうが、映画としてもう一歩昇華しきれていない気がします。普通の出来栄えという一本でした。