くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「サバービコン 仮面を被った街」「アベンジャーズ インフィ

kurawan2018-05-09

サバービコン 仮面を被った街
コーエン兄弟のブラックユーモアが効いたサスペンスコメディの秀作。テンポよく展開する様が面白い一本でした。監督は脚本にも参加しているジョージ・クルーニー

1950年代の古き良きアメリカのようなテイスト、一昔前のアメリカン・ドリーム感満載のいでたちの人々が登場し、理想の街サバービコンの紹介から映画が始まる。一見、夢のような街であるかに見えるがどこかおかしい。それは、いつの間にか越してきた黒人一家に対し、人々の視線が露骨に普通ではないところでわかってしまう。1950年代と思えば普通なのだが、理想の街という紹介とのギャップでまず笑わせる。

ここにロッジ一家が登場、会社の財務部長を務めるガードナーの元に普通の生活をしている。妻は交通事故で半身不随になっていて、その世話と一人息子ニッキーの世話を義理の姉のローズが一緒に暮らして生活している。

ある夜、ガードナーは息子のニッキーの部屋にやってくる。強盗が入ったから下に降りてこいという。ニッキーが降りてみると二人の男が家族を集めて脅している。そして、それぞれを椅子に縛り、クロロフォルムを嗅がせて気を失わせる。

そして、目覚めると、クロロフォルムの嗅がせすぎで母親が亡くなったと告げられるニッキー。葬儀では、ニッキーを大切にしてくれる伯父のミッチもやってくる。このミッチの頼り甲斐のある清廉潔白感をもう少ししっかり描写できればもっと面白かったと思う。

ところがここまでですでにおかしいことに気がつく。どうやらガードナーとローズはできていて、妻を殺し保険金を手に入れようとしているらしいとわかる。一方隣の家の黒人一家も日に日に街の人々から露骨な差別扱いを受け始めている。ただ、黒人一家の家にもニッキーと同じ歳くらいの少年がいて、ニッキーと仲良くなって行く。

間も無くして、保険の調査員がやってくる。そしてローズが一人で応対、その夜再度ガードナーに会うべくやってくる。ローズはコーヒーに洗剤を入れて飲ませ苦しんで
外に出た調査員をガードナーが追いかけて殴り殺す。一方隣の黒人一家に家の周りには群衆が詰めかけ、異常なくらいの罵声を浴びせ、さらにエスカレートして車に火をつけたり暴動に発展して行く。

ここに、最初に強盗に入った二人がいるが、彼らもガードナーに頼まれている人間で
一人が警察に捕まったことで危機感を持ち、ガードナーの金の支払いが悪いので脅すのも兼ねてローズとニッキーを殺してしまう計画を立てて、家にやってきた。

一人は調査員の死体を処理しに行ったガードナーを車で追尾、もう一人は家の中に入る。一方ローズは、真相を知られて邪魔になったニッキーを殺すべく、サンドイッチとミルクに薬を混ぜて食べさせようとしていた。身の危険を感じたニッキーは自室に立てこもる。そこへ犯人が入ってきてローズは殺されてしまう。

そして犯人はニッキーの部屋へ。その直前にニッキーはミッチに助けを求める電話をしていた。そしてすんでのところで駆けつけたミッチが犯人を殺し、ニッキーを助けるが自分も背中にナイフを突き立てられていた。

一方、ガードナーは死体を遠方に放置し自転車で戻るところにつけてきた犯人の車に追いつかれる。そして金を要求されるが、その話の途中、走ってきた消防車に車が追突され炎上死んでしまう。

無事戻ってきたガードナーは家の中の惨事を目の当たりにし、一人残ったニッキーを見つける。そして、テーブルに座り、必死で説得しようとする一方で空腹を覚えたガードナーは、ローズが薬を入れたことを知らずサンドイッチとミルクを飲んでしまう。

翌朝、隣の黒人一家の騒ぎもなぜか収まってしまい、テーブルで突っ伏して死んだガードナーを尻目にニッキーは隣の黒人少年とキャッチボールを始めて映画が終わる。

散りばめられた毒がグサグサと突き刺さる暇もないブラックユーモアの極致ですね。脚本がとにかく面白いです。カメラワークも、サスペンスフルなワーキングを繰り返し引き込んでくれるし、全体にテンポが実にいいので、少々先が見え見えながらも一気にラストまで持って行く。

細かいはてなはさておいても、ノリだけでみる映画としては秀逸な出来栄えだったように思います。面白かった。


アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」
もう何が何だかわからない。ストーリーなどどうでもよくて、展開とか構成とかそっちのけで、マーベルファミリーが総動員で至る所で暴れまわるだけの映画。しかも屁理屈だけは延々と喋らせるし、長い長い。で、なんだったのと終わる。まぁ、大作やねと思うだけの映画でした。監督はアンソニージョー・ルッソ

宇宙を作ったという六つのインフィニティストーンをサノスという悪者が集めて回るというのが物語で、アベンジャーズの何人かがそれを持っていて、渡すまいと頑張るやら、自分の石は壊してくれと頼むやら、なら最初から壊しとけば六つ揃わないのに、頑張ってバトルばかりするからとうとう揃えられてしまう。

しかも、ソウルストーンというのは大事なものを代償で捨てないといけないので、サノスは唯一娘のように可愛がっていた女性を殺してしまい、最後に六つ揃えて指パッチンしたらマーベルファミリーが次々と塵のように消え始める。

そしてサノスはどこか寂しいところに飛ばされて、しんみり座る姿でエンディング。で、まだ続きがあるのか(爆笑)。

そのうちDCコミックのスーパーマンたちも合流するのではないかと思う。なんでもありというか物量作戦というか、どうでもいいけど見てしまう映画ですね。