これは面白かった。ストーリーもしっかりしてるし、アクションも半端ないし、何よりガル・ギャロットが美しすぎて、見ているだけで楽しくなる。しかもエンドクレジットの大サービスで、拍手したくなりました。久しぶりに娯楽映画を堪能した感じです。監督はパティ・ジェンキンス。
ダイアナの幼い頃の訓練シーンから映画は幕を開けます。この時の子役がちょっとぽっちゃりすぎて寂しいですが、やがて時が立ち1984年、スミソニアン博物館で働くダイアナがワンダーウーマンとして活躍する場面に飛びます。宝石店が襲われ、そこで闇取引で隠していたマジックストーンという宝がスミソニアン博物館に鑑定依頼が来る。鑑定担当はバーバラといううだつの上がらない女性。何をしてもトップクラスのダイアナがその石の文言を解説してやる。そこにはたった一つの願いを叶えられる、と書かれていた。バーバラは冗談半分に、自分をダイアナみたいに変えてと願う。
ここに、一攫千金を目指して投資家を集め石油を掘りまくりながらも、どんどん悪い方向へ進んでいるマックスという野心家がいた。彼はかねてから願いが叶うマジックストーンを探していて、たまたまスミソニアン博物館でバーバラのデスクにある現物を発見する。そして盗み出したマックスは自分をマジックストーンにしてほしいと願う。そして彼が望めばどんな人間の願いも叶えられるようになり、その見返りでどんどんのし上がっていく。
ダイアナも死んだ恋人のスティーブに会いたいと願っていた。そして、顔は違うが心が生き返ったスティーブが目の前に現れる。またバーバラも何故か脚光を浴びるようになり、ダイアナのように力もみなぎる。しかし、希望が叶う見返りとして、大事なものが失われていることに気がつく。それを防ぐには願いを取り消すか石を壊すことだが、マックスが石になったので願いを取り消すしかなくなる。
物語は、どんどん欲望がエスカレートして世界が終末に変わろうとしていくマックスの行動と、自分の力が失われていくがスティーブを手放したくないダイアナの苦悩、バーバラが自分の理想に向かってダイアナさえも敵視するようになって、チータという怪物に変っていく展開となる。
例によってワンダーウーマンを演じるガル・ギャロットが抜群に美しいし、アクションも華麗で楽しい。ラストはあわや世界最終戦争になるかと思われたが、マックスが一人息子を助けるために全ての願いを取り消し、ワンダーウーマンが、真実のロープで世界中の人々の目を覚まさせ全てが元に戻る。バーバラもワンダーウーマンに負けてしまい、元に戻る。
こうして大団円。そしてエンドクレジット、なんとリンダ・カーターが、行方不明の伝説の戦士として登場して映画を締め括る。もう涙もののサービスシーンでした。今思い出しても胸が熱くなる。久しぶりにハリウッドエンターテイメント大作を見た感じですね。
原作に徹底的に忠実に描いた芸のない脚本は残念ですが、それもやむを得ないところですね。ただ、レイ役でダイコン役者レベル以下のド下手な城桧吏いう役者を拝したのは大失敗というところでしょうか。彼を生かせなかった監督の力量も弱い作品ですが、北川景子、浜辺美波の演技のできる二人にラストで少しプラスアルファした締めくくりで締めたのは正解でした。監督は平川雄一郎。
自然の中に立った孤児院グレースフィールドハウス。そこで暮らすエマ、レイ、ノーマンは間も無く15歳、仲良く暮らしている。施設にはママと呼ばれる優しい女性がいて彼女が全てを仕切り、幼い子供たちも大勢家族のように暮らしていた。そして養親が見つかるとこの施設を出ていく日々だった。
ある時、コニーという少女が養親が見つかったということで施設をさることになる。ところが、可愛がっていたうさぎのぬいぐるみを忘れたのでノーマンとエマが追いかけて門のところまで行ったが、そこで無惨に殺されたコニーと彼女を食する化け物の鬼を見つける。ママもまた彼らの仲間で、子供達を餌として育てていたのだ。
エマとノーマンはこれ以上犠牲者を出したくないと子供達全員と脱出することを決意、同年代のレイと作戦を立て始めるが、レイは全てを知っていた。一方、ママはエマ達が真実を知ったことを知り、出荷の日まで管理しながら見張ることにする。
アニメ版と全く同じストーリーなので、この後、シスターと呼ばれるクローネが赴任してくるエピソードや、内通者がレイであることが判明するがそれを利用して情報を集めたり、という展開が続く。
そして、ノーマン、エマが外の様子を確認するために塀の外へ向かうがママに引き止められ、エマは骨折させられ、ノーマンが急遽出荷が決まる。ノーマンは一人逃げるようにとエマたちに言われ塀の上までいくが戻ってくる。塀の向こうは断崖だった。ノーマンはその情報をエマ達に伝えて、そのまま出荷されていく。
そして二ヶ月が経つ。すっかり無気力になったエマとレイだったがそれはお芝居で、ママを欺き着々と脱出の準備を進めていた。そしてレイの出荷の前夜脱出が決行される。ノーマンが残した脱出作戦に乗っ取りママたちの裏をかいて塀までたどり着き、断崖の向こうへ脱出して物語は終わる。なんとか追いついたママも自分が若き日に試して果たせなかった脱出をエマ達が実現したのを見守るようだった。
エピローグは、ママの息子がレイだったこと。これも原作と同じである。ただ、本部の人間が現れたり、ママが鬼に食われるまでを描いたりと若干のプラスはあったが大した変更でもなかった。
とにかく、レイを演じた城桧吏が、棒読み棒立ちの演技で映画をぶち壊していて、とてもプロと思えない存在には参った。まあ無難な映画になっていた感じです。
「ビルとテッドの時間旅行 音楽で世界を救え!」
支離滅裂なおちゃらけ映画で、あれよあれよとふざけまくりの展開に呆れる映画でした。キアヌ・リーブスも歳とったな。監督はディーン・パリソット。
結婚式でビルとテッドが歌を披露するがひどいモノで散々となる。そんな彼らの前にタイムマシンに乗った未来人が現れ、時空の歪みで世界が滅ぶので世界を救う音楽を作ってくれと依頼する。
ビルとテッドの子供達も過去の有名なミュージシャンを集めて父達に協力し、最後は大騒ぎに音楽を奏でてハッピーエンド。ドタバタ展開する物語で、お話があるのかないのかわからない適当さですが、CGがすごいので見ていられます。
ビルとテッドが様々な装いでいろんな時代に現れるおかしさもおふざけながら楽しい。まあ、これということもない映画でした。