「今日も嫌がらせ弁当」
素直に泣いてしまいました。決して映画としてクオリティが高いとかではないですが、映画を作ることを楽しんでいる感じがすごく伝わってくるし、実話ですが、余計な寄り道やメッセージを入れようとしない感じが好感です。監督は塚本連平。
八丈島に住むかおりは12年前に夫を事故で亡くしシングルマザーとして二人の娘を育てている。映画は、娘が幼い頃のカットを少し入れて、そのまま、反抗期の次女双葉と母かおりのバトルに入っていく。
口をきかない双葉にかおりはキャラ弁に色々うざいことを入れて娘に接しようとし始めるのが本編。そこに、かおりのブログを見たシングルファザーのエピソードなどを挿入するが、あまりしつこく入れないのが良い。
双葉の高校の三年間を描いていくが、ほとんどはかおりと双葉のやりとり。このシンプルさもこの映画の良さだと思います。
そして物語は双葉の卒業式をクライマックスにします。その数日前に心筋梗塞初期で倒れてしまったかおりは病院で、最後のキャラ弁を作るべく姉に協力を求める。そして、感動の最後のキャラ弁のシーンで思い切り泣かせ、東京へ旅立つ双葉を岸壁から見送るラストシーンへ。
ありきたりの話なのは分かりますが、泣いてしまいました。人生って、こんなに良いもんなんだなあと改めて感じてしまう。こういう心に迫る映画を見たいときに見たという感じですが、素直に泣けたのは良かったです。