「わが恋わが歌」
歌人吉野秀雄の半生を綴ったいわゆる文芸ものですが、やや演出が古く、映像の冴えはそれほど見られない普通の作品でした。監督は中村登。
主人公吉野秀雄の次男健次が恋人のリーナと待ち合わせするところから映画は始まる。自分勝手でワンマンな父秀雄に反発する健次は事あるごとに秀雄と諍いを起こし、とうとう家を出てしまう。
それと入れ違いに、兄で、病院に入院していた浩一が勝手に退院して家に戻ってくる。秀雄は表向きとっつき悪いものの実は長男が戻ってくることが嬉しかった。後妻のとみ子も、家族が増えることを喜び、できれば昔のように賑やかならいいと思っていた。
兄浩一は健次や、長女素子に声をかけ、もう一度昔のような家にしようとする。しかし、せっかく集まって仲直りしようとしたのに、秀雄はすっぽかしてしまう。
間も無くして浩一は恋人の死から引きこもってしまい、ある時発狂してしまう。弱っていく秀雄にかつての教え子が集まってくる。そして秀雄の死、健次とリーナの別れで映画は終わっていく。まあ、普通の作品でした。