くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ハルムスの幻想」

「ハルムスの幻想」

ロシアの詩人ダニール・ハルムスの経験する夢と現実が交錯する二日間を描く。という解説を読んでなければ何のことかわからない。作者の方向性も物語の展開も全然掴めなかった。前半は何度か意識が飛んでしまいました。監督はスロボタン・D・ベシチ。

 

映画が始まると、プロローグとして何やら博士らしい白衣の男が脳を水に中に沈めて蘊蓄を垂れている。そして始まりとなって物語らしきものが始まる。どこか物々しい雰囲気の中一人の少年がひたすら進むのをカメラが追いかけていく。そして突然19年後となる。

 

主人公らしいハルムスが何か尋問を受けているのかなんなのか、自宅に戻ってくると窓から天使が飛び込んできて、梁を探してくれという。背中の羽を普通に脱ぐと一人の若者で、現実か幻想かわからないとってつけたような展開。

 

そして、突然梁を枕にしているハルムスの場面から、それを天使がノコギリで切るのだが、外に出て戻ってくるとまた元のままになっている。天使が一緒に捨てようとハルムスを誘うが、突然、アパートに大家の女が電話だと飛び込んできて、思わずハルムスは窓から落ちる。

 

しかし、階下の部屋で助けられるが、天使が窓の外に飛び出す。しかし市電に轢かれてしまう。そこへハルムスがやってきて、逮捕され、銃殺される。ハルムスを誘惑した女が窓を開けると天使やハルムスが羽をつけて宙に舞っているがカメラが引くとそれは舞台のセット。

 

こうして映画は終わっていくが、なんともコメントも感想も書きようがない。ギャグなのか真面目に意味のある演出なのかわからないシーンも多々あって、どう解釈したら良いのか、まさに奇想天外な映画だった。