「ラブアクチュアリー」
は、期待のラブストーリーでした。イギリスのリチャードカーティス監督作品で、今までごらんになった方の感想もどれも良いとのことでした。
良い映画でした。ただ、やはりヨーロッパの映画は完成されているという印象があります。
全体によくまとまっているし、それぞれの恋愛劇がラストに向かって一つにまとまってくるあたりも、なんの無理もなくキレイに流れていきます。
アトキンソンの存在がその出演シーンのみピリリと辛みが利いていて、光っていますが、その他のシーンは素晴らしいものの、できすぎている感じがします。
いわゆる優等生が作った作品的で、先日見た「ラブストーリー」のようなまだまだ未完成の韓国映画とはちょっと違うような感じでした。
でも、良い映画でした。
「赤い月」
は、降旗康男監督、木村大作撮影と日本が誇る名スタッフをそろえた期待の作品でしたが、正直、ちょっとがっかりでした。
確かに、カラーシーンをデジタル処理で色調を押さえたりしてきれいな画像を作っていますが、それが物語全体に効果を現していないのはもったいない。
常盤貴子もこれといって光っているわけでもなく、おそらく、原作は見事な大河ロマンなのでしょうが、その雄大な物語が映像になっていないのは非常に残念です。
ラストシーンにもこれといった切なさもなく、歴史の重みを伝えるわけでもなく、降旗監督の力量が全然出ていないのは残念です。
これが日本映画の現状なのでしょうか。ベテラン監督は未だ試行錯誤、新人監督は理屈ばかりのこじんまりした映画ばかり。
もっと思い切ったことをしてほしいと思います。荒削りな映画があっても良いのではないでしょうか。