くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「スイングガールズ」

矢口史靖監督の「スイングガールズ」、一人一人の人間描写はせずに集団として少女たちを演出した手腕はすばらしい。
全作「ウォーターボーイズ」の大ヒットと数々の賞の受賞に気をよくしてか、同様のドラマということでやや不安もあったが、あまり個人個人の演出に力を注がなかったことが一本の映画として楽しめる作品になったのかもしれません。

ウォーターボーイズ」では少し登場人物それぞれにも焦点を当てた場面もみられましたが、今回の作品では一つの固まりとして落ちこぼれたような女の子たちを一つの固まりにして成長する姿を描いています。
とにかく、明るいし前向き。つまらない人間は一人もでてこない。それは主人公たちばかりでなく周りを取り囲む男子学生たちにもみられる。だからみていて気持ちいいし、見終わってもなんかほほえんでしまう。

しかも一つ一つのセリフも丁寧に寝られていて、ギャグ的なシーンやセリフ回しもさらりと流していきます。もちろん矢口監督の演出の手腕のたまものでしょう。
やたらと、コギャル的な部分を全面に出さず、出し過ぎず、足りなすぎず、その絶妙の加減がこの作品を心地よいものにしています。

すがすがしく映画館を出ることができる映画、それが「スイングガールズ」でした。