くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「デジャヴ」

デジャヴ

予想以上におもしろかった。
というより、予想より遙かに良かったと言うべきか・・

宣伝にフィルムを見た段階では、ちょっとしたサスペンスだろう程度にしか思っていなかったのだが、なかなかどうしてかなり良くできている。
主人公ダグ・カーリン(デンゼル・ワシントン)が、錯覚のようにデジャヴを体験し、その中で何かミステリーが隠れているのだろう程度にしか思っていなかったのだ。ところが、冒頭からトニー・スコット監督のスタイリッシュかつスピーディな演出が炸裂する。

祝賀式典が模様されようとしているフェリーが移り、にぎやかな乗客たち、にこやかに乗り込む海兵隊の兵士たち、人形を謝って海に落としてしまう少女、などが短いカットで紹介されていく。

一人の船員が車の住み込み場所で何かを探している。そして一台の車、中をのぞくと、差し込まれたキー、そして後部には複雑な回線の爆弾らしき物が・・と、思いきやいきなりドカーンと船は一瞬で木っ端みじんに。そして、その大事件のニュースが背後に流れ、主人公デンゼル・ワシントンが登場する。

まさに、トニー・スコットならではの演出とカメラワークである。正直、彼のめまぐるしさはしんどいことがある。この作品でも、このあたりの冒頭部分は目が疲れた。

しかし、そこから物語はいつの間にかSFっぽくなってくる。
いわゆる、この船の事故を未然に救うための方法として、政府が極秘に作ったタイムマシンのような機械に入ることになるのがクライマックスである。

そして、船が爆破される直前に戻った主人公がいかにしてテロリストの策略をくい止めるのか?が最後の見せ場になるのだが、このあたりのシーンにはいると、冒頭シーンで見せた様々なシーンに伏線が張られていることに気づくのである。

このシーンは、冒頭にあったのか?何か見逃した物がないのか?などなど、思い返すときりがない。

そして、ラストシーン、物語の中心の中で存在したダグ・カーリンが、死亡したあと、なんとも粋な計らいで物語は終焉を迎えるのです。この展開は大好きですね。

とにかく脚本が見事、これがオリジナルというのだから、拍手したくなる。

現代と同時進行で4日と6時間前の過去の映像。この二つの奇妙なショットが、この映画の謎をさらに深め、私も、その推理ドラマに食い入るようになっていきます。
もちろん、トニー・スコット監督の流麗且つハイテンポなカメラワークは最後まで衰えることを知らず。物語はラストシーンへ突入していきます。

もう掘り出し物の傑作、それがこの映画です