くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「陰日向に咲く」

陰日向に咲く

あと一歩で、すばらしい傑作になり得たかもしれない一本の映画それがこの「陰日向に咲く」だった。

そもそも、最近代注目の岡田准一宮崎あおいがでているという点がかなり興味を引かれた理由であるが、何となく邦画がみたかったというのも確かだった。

物語はタレントの劇団ひとりが書いた短編小説、5つの物語が交錯しつつやがて一つにまとまっていくという展開の物語である。
懲りようによっては、時間も空間も思い切り懲りまくれる内容であるが、そこをとにかく平凡に、凡々と描いていく。

順番にストーリーを追い、一人一人のエピソードを掻い摘んで映し出しながら、クライマックスのシーンへとつなげようとする。

とにかく、ラストは泣くべきシーンである。途中で少しずつお話が見えてくるが、ぁぁやっぱりと納得してもなぜか、切ない感動が呼び起こされる。
ハッピーエンドでありながら、なぜか寂しいのはなぜだろう。この映画にでてくる登場人物達があまりにも孤独だからだろうか?大手を振って拍手喝采で勘当できない部分が何とももの悲しい。

とはいえ、宮崎あおいちゃんの愛くるしい笑顔をみただけでもこの映画には価値があったかもしれない。とにかく、彼女は本当にかわいらしい。「初恋」で彼女の演技に見初められて以来、すっかり彼女の虜でもある私ですが、今回の作品を見ても、全然色あせない。

さらに、俳優として、今気になっているのが、岡田准一である。
先頃放映された深夜ドラマ「SP」でもそのシリアスな役所を見事に演じていたが、今回のややひねくれた若者役も見事に演じている。
もう一歩俳優としての力量が物足りない者の、彼の容姿は全く映画俳優向きである。

若い頃の真田広之を思わせるインパクトがある。これからも楽しみな人ですね。

それぞれの登場人物それぞれのエピソードを手を抜くことなく、しっかり描いたために作品は二時間以上の長尺になった。もう少し、脚本に工夫をいれればもっと、凝縮され、観客の心に訴えかける傑作になり得たのではないかと思う。

でもいい映画でした。宮崎あおいちゃん最高!!!