くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「バンテージポイント」

バンテージポイント

8つの視点から描く大統領暗殺事件の真相というキャッチフレーズのサスペンス「バンテージポイント」を見てきました。

とにかく最高に面白かった。これほど画面に食い入ったのは「セルラー」を見て以来です。

イタリアでテロ壊滅の協約を交わすためにやってきたアメリカ大統領。その大統領が冒頭シーンでいきなり射撃されます。時間は戻って、別の登場人物の目からこの射撃の現場が再現されます。
その繰り返しが8回・・・でしょうか?次々と視点や登場人物が変わって繰り返され、物語は一気に犯人を追い詰めていく展開へ。

その背後で渦巻く陰謀や、真犯人の登場、カメラの視線を巧みに使ったスピーディなサスペンスはもちろんですが、イタリアの狭い道を縦横無尽にコンパクトなヨーロッパカーによるカーチェイスも見ものです。

わけありげなSP(デニス・クエイド)である主人公を中心に、これまたわけありげな観光客(フォレスト・ウィッテガー)、さらに、これまたわけありげなイタリアの市警、その恋人らしき女性、さらにその愛人らしき人物、自分が狙われていると知り複雑な心境になる大統領、そしてその側近たちの思惑、そしてそして・・・

人間関係さえもが複雑に絡むようで、実は単純であったりと、サスペンスの面白さと人間心理の面白さ、さらに、登場人物たちが見事に物語りに歯車になって、小道具のように回り始める展開が見事というほかありません。

さりげなく出てくる少女さえもが、ちゃんと本筋を支えて、ラストシーンに生きてくるあたりはうなりますね。
<ここからネタばれます>

最後の最後、テロの犯人が一人の少女をよけようとしてすべてが水の泡になるというラストシーンのすばらしさ。その中で、フォレスト・ウィッテガーの心の動きから、親友とも言うべきSPと大統領の出会いなど、どれをとっても、完璧に近い感動を呼んでくれます。

本当に面白かった。絶賛!!!