東野圭吾の直木賞受賞作品「容疑者Xの献身」が映画化、その前哨戦としてテレビ版で「ガリレオ」のシリーズを放映。
東野ファンでありテレビ版ガリレオシリーズのファンとしてはなんとしても見に行かないわけには行かない。
原作がよかったので期待半分、不安半分であった。
できばえはといえば、正直、テレビのスペシャル版程度の作品ではあった。ガリレオシリーズがその科学的な超常現象を天才物理学者が謎といていくという基本プロットゆえ、人間ドラマに重きを置いているこの「容疑者Xの献身」という原作本を映画化するにはかなりの勇気もいったでしょう。その不安から、まずはテレビドラマを先行させたのだと思います
映画作りに特に斬新な試みもないし、テレビ演出そのまま程度と判断できる作品でした。
原作を知る者としても、そのトリックの面白さはある程度わかっているし、展開も頭に入っているのでその方面から感動するには物足りない。
後は、テレビ版ではできないような時間のかけた演出に基づく面白さを期待していました。
人間の心理ドラマが得意な東野圭吾さん、そのあたりの面白さ、感動が伝わってくればいちばんよかったのですが、いまいち物足りませんでした。
確かに面白かったのですが、期待しすぎがかなりハンディになったのかもしれません。
原作を知らずに、真っ白で見れば、またそれなりのプラスアルファがあったかもしれませんね。でも楽しめましたからいいです。
ついでに言いますが、原作のガリレオシリーズに出てこない柴咲コウの役柄、この映画版では完全に浮いた状態になっていました。テレビ版を知らない人にはまったく意味のない配役になったのはもったいないですね