鏡がポイントになる、ミステリーホラー「ミラーズ」を見る。
ひとこと、おもしろかった。
最初から最後まで全編緊迫感の連続で、一度画面に釘付けになったら目を離せないほど、次々と物語が進んでいく。
映像に凝っているわけでもないにも関わらず、一本の物語が固まりとなって迫ってくるという感じである。
冒頭、一人の男が恐怖におびえ逃げまどっている。
どうやら鏡が問題のようであるが、その男は自ら、鏡の破片でのどを切って自殺する。
そしてオープニングテーマであるが、この音楽、どこか「エクソシスト」や「ハロウウィン」「サスペリア」を思わせるテンポの曲であるところがどこかわくわくさせてくれる。
本編にはいると、ふとしたことで犯人を射殺してしまった警官が、自責の念から精神的に参ってしまい、酒におぼれている。そんな状態を何とか脱出しかかったあたりから物語が始まる。
冒頭から、鏡の前で薬を飲む場面、さらに、妻や妹とのさりげないせりふの中で、現在の主人公の立場を的確に説明する。
あとは、刑事の仕事を一時離れる間、先日火事になったデパートの警備員の仕事に就くのである。
その最初の夜に、不気味な鏡に遭遇し、あとはもう、ジェットコースターのごとく物語があれよあれよと進んでいく。
確かに、スプラッター的な残酷なシーンも無いわけではないが、全体的に、音やジャンプカットという古典的なホラーの怖がらせ方でぐいぐいと押してくるところがすごい。
最初は不気味なお化け映画と思いきや途中から、マッドサイエンティストなどの科学的なエピソードが挿入され、物語は家族を救うべく、鏡の謎を解こうとする主人公の奔走するストーリーへと展開していく。
この二転三転するストーリー展開のリズムが何とも軽やかでいつの間にか監督の意図する内容へ引き込まれている自分たちに気が付くのです。
そして、壮絶なラスト、このラストに続くエンディングにも最初のあたりの伏線がしっかり生かされているのはすごいですが、そのエンディングは・・(これはかきません)
見終わって、本当にぞくっとするほど怖い映画でした。